vol.27:金銭的な余裕のなさから、復職したい

カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで26回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。(アイさんには了承を得ています)

今回はアイさんの27回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許しながら、なんと自力では生理が来ました。

現在、気持ちの波がありながらも、復職に向けて自分自身と向き合っておられます。

今までの歩み

  1. 休職中なのに体重を増やせない
  2. 病気と共存するのではなく、完治させる
  3. 先取り不安をやめ、いいイメージをして一歩ふみだす
  4. 嘔吐をするために過食をしない
  5. 一人でお酒を飲むのを辞める
  6. 自分のことを大切に思わない人とは会わない
  7. 凸凹を繰り返して克服へ向かう
  8. 何年かぶりに生理が来た
  9. 見栄をすて、甘え・頼ることができた
  10. 30kgを超えたから復職したい
  11. 復職を許可しない主治医
  12. スイーツしか食べたくない
  13. 栄養バランスのいいものしか選べない
  14. 総カロリーが足りない
  15. 食事と運動は切り離して考える
  16. 体の回復の次に、心の回復がある
  17. 過去の傷に向き合う
  18. 相手を許せなくても自分を否定しない
  19. 白米を食べたくない
  20. 過食嘔吐をする裏には理由がある
  21. 過食嘔吐に溺れた2週間
  22. 友人に甘えるのも治療の一つ
  23. 人を信じるということを実感
  24. 生理不順から自律神経の乱れ
  25. 体重計に乗らなくなった
  26. 復職した先のイメージをする

今週の様子

毎週カウンセリング前に、アイさんからこの一週間の報告をいただきます。

前回の課題

「復職後、どう過ごしたいか考える」

⇒復職については部署異動の可能性が高く、仕事内容や環境がどう変わるか分からないないので具体的な事は予想出来ないが、仕事に対する姿勢は今までと変わらず向上心を持って取り組み、業務に励みたい。
会社では周囲を敵視していた事もあり、仕事に対して妥協出来ない所や自分の意思に反する事にはすぐに意見したり、自己主張が強く激しく上司との衝突も多かったが、これからは主張する時や内容を考え立場を弁えた振舞い、自分の意思に沿わない事にも柔軟に対応する様に努め、組織の和を乱さない様にしていきたい。
優先順位を見直し「自分の事より仕事」「自分が動かなければ」と自分の容量を越えてまで働く様な姿勢は改めたい。
繁忙期やプライベートの時間を割かなければならない時はどうしても有り、そういった時期は社員は皆同じ状況にあるので、その時は会社の一員として出来る限り尽くしたい。
これまでと同じ事を繰り返さない事、仕事の為に生きるような生活ではなく、仕事は生活の手段と割り切り、就業時間以外や休日は仕事から離れて自分の為に費やしたい。
評価されなくても「自分が頑張ったと言えるならそれで良い」「自分なりに努力、自分が出来るだけの仕事をして、生活に困らず趣味等を楽しめるだけのお給料がもらえればそれで良い」と思える様になりたい。
我武者羅に仕事に励み、休日前はストレス発散に夜中まで飲んで翌日二日酔いで寝たきりで休日に何かを楽しむ事なく過ごし、普通に活動出来るような休日でも仕事を気にして「何かトラブルが起きても動けるように」と予定を入れず、友人からの誘いも「仕事で何があるか分からないから、行けたら行く」と曖昧な返事をしたり断ったり、そういった休日の過ごし方も変えたい。
シフトを組む際にも(シフトを組むのは自分の担当だった)上司やアルバイト従業員の希望休を第一に考えて組み、友人の結婚式や遊びの誘いがあると分かっていても、上司達と希望が重なれば自分は我慢して皆の希望を優先させたりと自分の事は後回し、友人の結婚式にも行ってあげられず、交友関係を蔑ろにしてきてしまった事も申し訳ない事をしたと思っていて、今後は少しくらいは自分の事を優先したい。
仕事は仕事として励み、プライベートはプライベートとして趣味を楽しんだり友人と会ったり、自分の為にもっと自由に楽しめる、生きやすい生活にしたい。

「食事は現状維持」

⇒病院の診察以外では体重計に乗らないという事も継続していて、体重を意識せず食べたい物を食べる自然な食事に努めているつもりだが、食費を気にして食べたい物より価格を優先している。

現状経過について

・9日の病院で約二週間ぶりに体重を確認したが、結果は31.4kgで増えてはいなかった。(前回7/26の診察では31.6kg)
いつもより食事量が多い日もあり、毎日体重計に乗る習慣をやめて体重を意識せず食事に積極的に過ごした事から、体重は増えていると思っていたので困惑した。
会社への報告や復職が遅れる事を考えると焦り、不安を感じている。

・主治医からは「停滞期にあるのか、夏季で体重が増えにくい状態にあるのか、今の食事量が体重増加には不充分なのか、断定出来ない」との事で、食生活の改善を強制された訳ではないが「状態が断定できないから今すぐに無理して食事量を増やさなくても良いけど、この先復職して仕事をする様になれば今よりずっとエネルギーを使うから、今の食事量で働けば絶対に体重は減る、働きながら元気な体を維持する為には今より食事量は増やす必要がある」と言われた。
また「普通に働いている人はもっと食べてるよ」と言われ、自分としては今の食事量は以前に比べれば食べすぎだと思えるくらいに充分だと思っていて、これ以上何をどれだけ食べればいいのか、本当に皆そんなに食べているのか、「普通の人の食事」という物がよく分からない。

・病院以外で体重計に乗らない事は継続しながら、体重を意識せず食べたい物を食べる食生活を続けたいと思っているが、それで体重が増えないのであれば復職が遅れる事への焦りもあるので、食事内容を改善させなければとは思うが、今以上に食べる自信はあまり無い。
今の食事量で満足できているので、食事量を増やしたり食べたくない物を強いる事で食事が嫌な事になったり、逆に過食に繋がらないか不安を感じている。
また、第一に食事量を増やす分かかる食費の方が心配で、もし次回の病院での体重よって主治医から食事量を増やす様に言われたとしても、それだけ食費が増える事を考えると心配で抵抗を感じる。

・仕事を休んでもう丸一年経ち、色々な面での金銭的な不安が強くなってきた。
お金に関しては家族にも頼るわけにいかず、給与は傷病手当しかないので生活費以外に病院やカウンセリング費用を考えると、どうしても不安で仕方が無い。
今の時期苦しいがエアコンを我慢、お風呂は湯は使わず水シャワーのみにする、食費削減等と節約する事を考えたり、カンセリングの継続も困難かもしれないと思っている。
しっかり食べて体を回復させる事が目的と分かっているが、お金が心配で食費を削るようになってきた。
ケーキ屋さんのケーキは最近はずっと我慢していて、買い物の際に食事やデザートも食べたい物より安価な物を選ぶようにしている。

・主治医が良しとする体重にはなっていないが、生活出来なくなる方が困るので復職を考えている。

今回のカウンセリング内容

・体重を意識せず自然な食事をする為に体重計に乗る事を止めたが、減らない事を管理する為に自宅でも量るようにした方が良いのか。

・毎日どういった物をどれだけ食べる事が「普通の人の食事」なのか分からない。
また、食費の方が心配なので食事量を増やす事をしたくない。

・金銭面での不安が強く、療養を続けるよりも復職した方が良いのではないかと悩んでいる。

私からの回答

まず、現在の支出の内訳を洗い出し、その中で優先順位をつけ、低いものから削るように勧めました。

ただ、食費を削って食事量を減らしてしまっては元も子もないので、同じ値段でも内容を見直すように伝えた。例えば、体重を本気で増やしたいのであれば、ご飯ものや揚げ物、パン類を選ぶように勧めました。

このままの状態で復職するのは、会社にとっても、本人にとってもあまり望ましいものではないので、最短10月に復帰するのであれば、10月までに最低3kgは体重を増やせるといいと伝えました。(ドクターからのOKが出る体重まで)

その後のアイさんの経過

現在は2週間に一度、私とのカウンセリングを継続しています。無理のないペースで、克服に励んでいます。このまま復職に向け私もサポートしていきます。

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