vol.22:友人に甘えるのも治療の一つ

カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで21回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。(アイさんには了承を得ています)

今回はアイさんの22回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許しながら、なんと自力では生理が来ました。

現在、復職を早めたい自分と、認めない主治医の間で、悶々とする日々を送っていらっしゃいます

今までの歩み

  1. 休職中なのに体重を増やせない
  2. 病気と共存するのではなく、完治させる
  3. 先取り不安をやめ、いいイメージをして一歩ふみだす
  4. 嘔吐をするために過食をしない
  5. 一人でお酒を飲むのを辞める
  6. 自分のことを大切に思わない人とは会わない
  7. 凸凹を繰り返して克服へ向かう
  8. 何年かぶりに生理が来た
  9. 見栄をすて、甘え・頼ることができた
  10. 30kgを超えたから復職したい
  11. 復職を許可しない主治医
  12. スイーツしか食べたくない
  13. 栄養バランスのいいものしか選べない
  14. 総カロリーが足りない
  15. 食事と運動は切り離して考える
  16. 体の回復の次に、心の回復がある
  17. 過去の傷に向き合う
  18. 相手を許せなくても自分を否定しない
  19. 白米を食べたくない
  20. 過食嘔吐をする裏には理由がある
  21. 過食嘔吐に溺れた2週間

今週の様子

毎週カウンセリング前に、アイさんからこの一週間の報告をいただきます。

【前回立てた目標について】

・「癒しを感じる事をする」

⇒コミックレンタルを利用し、毎日漫画を読んでいる。読書も趣味の一つで、漫画も大好きなので楽しくて癒される。

【現状経過について】

・癒しを感じる時間として、仕事に行っていた頃に休日前の晩にゆっくり映画を見ながらお酒を飲んで好きなつまみを食べ、最後に好きなお店のケーキを食べる事を楽しみ、癒しにしていたので、またそういう事をしてみようかと思ったが、飽く迄もそれは「今日まで仕事を頑張ったご褒美」だったので、休職している今それをする事に気が引けるのでやめた。
他に、1~2ヶ月に1回程度のペースで大好きな洋服屋さんで服や帽子や靴、鞄、アクセサリー等の装飾品を何万円と一気買いする事も楽しみのひとつだったが、それもやはり「仕事を頑張ったご褒美」だったので、今する事ではないと思いやめた。
イラストを描こうかと思ったがインスピレーションが感じられず「違うな、これはダメ」と思い描いては消してを繰り返し行き詰まり、集中できず今は手付かず。
唯一手放しで没頭出来るのが読書で、読みたい本や漫画も沢山あるので一気に買ってしまおうかと思ったが今ですら棚に入りきらない書物が部屋の所々に山積みになっているので、読みたい本は買う派だったが買うのはやめて、ツタヤで一気にレンタルして日中はずっと漫画を読んでいる。
楽しいと感じ、癒しになっていると思う。

・過食嘔吐は1度だけ行ってしまった。
普通に夕飯を終えて寝るつもりだったが、夕飯はきちんと食べたはずなのに食欲が湧いてきて満腹感が分からずアイスを4~5個食べ、気付いた時には気分が悪く苦しくなって吐いてしまった。
恐らく、安定剤と眠剤がいつもより効きすぎてしまったのだと思い(副作用で食欲増大や健忘効果がある薬の為、今までにも食べた記憶のないゴミが散乱していたり、ぶつけた覚えがないのに痣が出来ていたりと、夢遊病の様な事は何度かありました)あまり責めすぎずリセットして、過食嘔吐はその1回きりで何度も繰り返してはおらず、自然な食事の継続に努めている。
先日は久々に「ケーキの日」を設け、買う時は「2個は食べすぎかな、1個だけにしとこうかな」と迷ったが「そういう我慢こそ今はしなくていい、食べたいなら食べればいい」と思い、好きなケーキ屋さんのケーキを2個と焼き菓子を1個買い、味わって食べる事が出来た。(夕飯は夕飯できちんと食べました)

・前回相談した職場の事はまだ吹っ切れてはいない。
やはり、今まで10年以上、色々な努力や積み重ねがあって自分はやっと今のポジションになれたのに、新入社員が自分より上の位という事への疑問や劣等感、自分のキャリアの一切を無視してその人に何を任せるというのか、会社への憤りや屈辱を感じ、惨めな気持ちははまだ全て拭い切れてはいないが、そもそも自分の休暇が長引いたせい、早く復職していれば良かった、病気に負けてばかりで療養を怠った自分が悪い、自業自得の結果で覆る事も無い、落ち込むだけ無意味で余計に惨めになるだけ、また別の目標を見出し復職に向けて治療に励もうと思っている。

今週のカウンセリング内容

1:職場のこと

・職場の事はもう諦めて頭を切り替えようと思いつつ、悔しくて堪らずそれを考えない日が無い。
読書に没頭していても、ちょっとした合間にはその事が浮かび、惨めな気持ちになってしまう。

⇨いろんなことを総合的に考えて、新入社員が自分より上のポジションとして入社してくることは、他の会社でもありうること。また、アイさんの穴埋めのためだけだったら、派遣社員を雇ってもいいものの、ちゃんと正社員を雇っていることからも、アイさんがやっていた仕事が責任あるものだったことも伺えます。

また、客観的にみて、体調を崩して休職していた方を、復職早々に昇進させるとは思えない。そして、アイさんの体調を最優先にしたら、今の責任あるところで休職前と同じようにガムシャラにはたらかせるわけにもいかないと判断し、新入社員を雇ったのではないかとも考えられる。だから、アイさんのキャリアを横取りしたり、何も考えなかったわけではないはず。

2:過食嘔吐の再発恐怖

・食事については、とにかく普通の自然な食事を継続させる事に努めているが「いつ何を引き金にまた過食嘔吐に手を出すか分からない」と、買い物へ行く事に毎日不安と恐怖が有る。

⇨普通、過食嘔吐を立て直そうと思っても、なかなか習慣着いて辞められないもの。その中で、アイさんは1週間前まで過食嘔吐三昧だったのに、そこから立て直し、今週は週に1回まで減らすことができた。つまり、習慣になってはいないと考えてもいいと思う。だから、嘔吐衝動が出るのではないかとビクビクして過ごしたり、本当に食べないものを選べなかったりするのはもったいない。

自分は立て直す力があるんだ、仕事に対して気持ちに折り合いがつけば、症状を緩和させることができるんだと思って、最悪なことを予想せず、いいイメージをして、いつも通りの生活を心がけるように伝えました。

ーーーーーーーー
▼摂食障害のブログ一覧(1日1ポチが励みになります)
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へ
にほんブログ村

▼無料メルマガ/特典プレゼント
メルマガ登録

▼個別相談/カウンセリング
カウンセリング詳細

▼卒業生の1年後
インタビュー記事

関連記事

  1. お腹は空いていないのに、満たされずに食べる

  2. 相談:仕事終わり、毎晩過食嘔吐

  3. 相談:鬱で休職。過食嘔吐がやめられない

  4. 拒食回復期。増量を決めたが、過食症が怖い

  5. 過食嘔吐が治らないまま同棲することが怖い

  6. 婚約し同棲が決まったが、過食嘔吐が不安