vol.11:復職を許可しない主治医

f.カウンセリング

カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで10回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。(アイさんには了承を得ています)

今回はアイさんの11回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許しながら、なんと自力では生理が来ました。

現在、復職を早めたい自分と、認めない主治医の間で、悶々とする日々を送っていらっしゃいます

今までの歩み

今週のアイさんからの報告と私のアドバイス

前回立てた目標について

・「自分の好きな所、自分らしさ、伸ばしたい所に目を向ける」

アイさんより

非常に難しい問題だった。
例えば、自己を肯定し「こんな自分でもいいか」と思う事を「柔軟で開放的」と良く捉えられる事もあれば「いい加減で適当」と悪く捉えられる事もある。
逆に「こんな自分はだめだな」と思う事を「軟弱で閉鎖的」と悪く捉える事も出来れば「謙虚で慎ましい」と良く捉える事も出来る。
どれほど「自分のここが良い所で好きです」と挙げた所で、捉え方によっては「自信を持っていて良い」とも「慢心的な過大評価だ」とも言える。
長所は主観的で自分に都合が良く、客観的に見れば短所にもなり得る。
多様な視点で捉えて「良い所」とは、一概に「これです」と言える物は無いと考えられる。
どの視点で捉え、どの様に答えを出すべきか悩んだ。

こうして、一つの課題に対して態々掘り下げて思考を巡らしている所が「自分らしいな」と感じた。
「好きか」といえば、複雑に考えすぎてしまう所に呆れる一方、自分が納得いくまで追求しようとする所は「嫌いではない」と思うが、伸ばすべき所かは判断し兼ねる。
もっと単純に考えて、自分の「ここかな」と思う長所らしい部分をいくつか抽象的に挙げてみても、取り立てて「好き、自分らしい、伸ばそう」と言う程でもないと感じた。

突き詰めて、挙げるなら自分の「主体性」。
非常に主観的だが、自分の主体性に基づき行動する所。但し、わたしの主体性は組織の中で通用するものではく、自己主張が過ぎるあまりに上司との衝突も多く「口答えをする部下」と嫌われていたので、わたしの主体性は決して褒めるような所ではない。
組織に身を置く者として立場を弁えるべきだと反省し、今後はこれを発揮するのも程々にしようと改めている。
それでも、わたしは自分の主観、主体性を「間違っている」とは思っておらず、傲慢だが「自分らしくて好き」だと思う。
万人万事に通ずるものではなくても、発揮する所か否かを割り切りながら、この先も貫けば良いと思う。

加えて、イラストを描く趣味を楽しみ、特技として伸ばしたいと思う。

アイさん自身が「主体性」に自分らしさを感じ、好きだと思い、これを伸ばして自分を成長させ、趣味を楽しみながら生活を豊かなものにしたいと分析されたことが、とてもいいことだと思います。

自分らしさって、一生同じままでもないし、人間って多面的な生き物だから、自分の性質をどう捉えるかの視点持ち方な気がしています。どんな人にもいいところがあると言い切れるのはそのためです。

現状経過について

・採血の結果は偏食で気掛かりだった血糖値等も問題は無かったが「今は良いけど、偏食がずっと続くのは良くない」と言われたので「スイーツは一日一個まで、毎日食べない、果物にする」等、デザートを制限する事にした。

⇨そのぶんエネルギーを補えるのであればいいけれど、もともと主食を食べていないアイさんなので、全体的な炭水化物の量は足りていないはず。目標体重に達するまでは無理に減らすべきではないと伝えました。

・「自分はもう働ける、これ以上休むのは申し訳ない、遅れれば遅れる程戻り難くなる」と思い、復職を主張してはいるが「自分の気持ちだけで復職しても良いのか、先生の方から就業可能と診断されるのを待つべきか」と迷っている。
主治医からは復職について「就業可能とは診断し難いが、どうしてもと言うなら許可出来なくもない」と言われた。「回復は充分ではなく休職前と同じ様に働く事は許可出来ないので、会社側の配慮の程度や内容によって復職の可否を判断する」との事。

・先生の意見や会社側の意向(休職通知の内容)、自分の気持ち等を整理して考えた。

*休職通知の内容には「回復の上、医師が就業に支障がないと診断した場合に復職できます」と有る。
*会社の方からは「中途半端な状態で復職されても、また悪化したり同じ事になってはお互いに良くない、復職する気があるなら、しっかりと体調を整えてから復職してもらいたい」と言われている。
*先生から運動を許可されないのは身体の回復が充分ではないと考え、不充分であってもわたしが復職を主張した為に、先生は「食事を増やす」「フルタイム勤務、休職前と同じように働く事は許可し難い」「半日勤務、あまり体の負担にならない業務」「会社側の配慮の程度による」という条件付きで「許可出来なくもない」と言ったのかもしれず、復職するには「中途半端な状態」なのかもしれない。
*その状態で「これ以上休めない、働かなくては、繁忙期に少しでも力にならなくては」という気持ちだけで復職して繁忙期に臨んでも、かえって足手纏いで迷惑となる可能性もあり、逆に繁忙期に臨む時期の復職は避けた方が良いのかもしれない。
*療養休暇はまだ残っている、休職が長引いて復職が遅れ戻り難くはなるが、この先も元気に働き続けたいのであれば、ここできちんと回復させておくべき、その為の療養休暇と言える。
*それぞれを踏まえ、運動を許可されるまで体重を増やす、体力作りを始める、体重が減らない様に食事と運動を両立させる等段階を踏んで、体力的にも前と同じ様に働ける身体にして、先生に「回復の上、就業可能」と診断されてから復職した方が、先生や会社、自分にとっても良い形だと思う。

以上の事から、やはり焦って復職をするのは良くないと思った。

ここまで、自分自身で分析できたことで、お医者様が許可をしない理由に納得できたのではないでしょうか。自分と向き合うとはこういうことで、自分なりに今の状況に納得し、次の道を選択して行くことだと思います。

今回は「休んでいる自分では、何も達成感を得ることができずダメだと感じてしまう」VS「主治医がなかなか復職を許可してくれない」という悶々とした気持ちを紐解くことになりました。

そもそも、まだ主治医が提示した35kgには到達していないので、仕事ができる体ではない。それなのにズル休みなどと自分を過小評価しすぎて、悩まなくてもいいベースのところで悩んでいるよね?という話をしました。

先生が許可できないのであれば、できない状態であるということ。それを受け入れ、今は自分の好きなことにエネルギーを注いで自分の特技を伸ばしたり、仕事以外で自分らしくいれる方法を見つけて欲しいと思っています。

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