vol.20:過食嘔吐をする裏には理由がある

カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで19回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。(アイさんには了承を得ています)

今回はアイさんの20回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許しながら、なんと自力では生理が来ました。

現在、復職を早めたい自分と、認めない主治医の間で、悶々とする日々を送っていらっしゃいます

今までの歩み

  1. 休職中なのに体重を増やせない
  2. 病気と共存するのではなく、完治させる
  3. 先取り不安をやめ、いいイメージをして一歩ふみだす
  4. 嘔吐をするために過食をしない
  5. 一人でお酒を飲むのを辞める
  6. 自分のことを大切に思わない人とは会わない
  7. 凸凹を繰り返して克服へ向かう
  8. 何年かぶりに生理が来た
  9. 見栄をすて、甘え・頼ることができた
  10. 30kgを超えたから復職したい
  11. 復職を許可しない主治医
  12. スイーツしか食べたくない
  13. 栄養バランスのいいものしか選べない
  14. 総カロリーが足りない
  15. 食事と運動は切り離して考える
  16. 体の回復の次に、心の回復がある
  17. 過去の傷に向き合う
  18. 相手を許せなくても自分を否定しない
  19. 白米を食べたくない

今週のアイさんの様子

前回立てた目標について

・「食べても吐かない」

⇒過食嘔吐が再発してしまった。(詳しくは下記へ)

・「食事内容について主治医へ相談する」

白米を食べたくないということを自分の意見を伝え、先生からも理解してもらえた。「ご飯に代わって栄養が補えるなら、食べたい物を食べればいい」と言って下さった。

私から:

意思を持ってきちんと伝えれば、よほどのことがない限りわかってくれるということが実感できたのではないでしょうか?

理解してくれない場合は「自分の伝え方が足りないor適切な言葉で伝えられていない」場合もある。しかし、なんど伝えてもわかってもらえない場合もあり、相手の気持ちを変えることは難しいので、なんでわかってもらえないのだろう、と落ち込むのではなく、「この人はこういう考え方なんだ、それは私の価値観とは違うから仕方ないな」と、事実を事実として受け止め、それ以上の議論をしなくてもいいと思います。

現状経過について

・先週から一日置きに過食嘔吐をしている。

何を食べるか悩む事が嫌になってがむしゃらに食べ物を腹に入れたくなる、衝動的な激しい食欲によって過食してしまう。「自分は吐けない体」だと言い聞かせても、食欲が暴走して度を越えて食べてしまい吐かずにはいられない、以前の時と同じ様な症状だと感じている。毎回、翌日には必ず激しく後悔するが衝動に負けた時には食べる事で頭がいっぱいになっていて、後の事など考えられない。

過食材の買い物で無意味な散財、激しい後悔。夜中まで過食と嘔吐を繰り返し、体の負担に翌日は殆ど寝たきり、生活リズムの崩壊。何一つ良い事など無い、前と同じ事を繰り返していると理解はしている。

・なぜ再発したのかよく把握出来ない

「こんな事する為の休暇ではないのに、このまま抜け出せなかったらどうしよう」と焦りや不安や恐怖を感じている。

反省や後悔を繰り返し気分が沈めば沈む程、現実逃避する様に投げやりに過食嘔吐に手を伸ばしそうだと思い、なるべくその事を考えすぎて自分を追い込まない様に「悩みやストレスが溜まって爆発した一時的なもの、発散すれば治まる」と思い、違う事に気を逸らす様に努めているが中々趣味にも集中できない。

・ストレスの矛先が過食へ向かない様に気持ちを落ち着かせる努力はしている

無益な行為に療養休暇を無駄に過ごしている、今までの自分の努力も周りの支えも全て壊している、考えない様にするのはただの逃げているだけで何も解決しないとも思い、ストレスの矛先が過食へ向かない様に気持ちを落ち着かせ、自分が行っている事を冷静に考えて対応する事、食生活を元に戻す努力をしようと思っている。

一日置きに過食嘔吐をしているので、まず2日でも普通の食事を続けて元の食生活の感覚を取り戻そうと思っている。

・買い物で悩む時間が長いほど「いっそ全部買って食べ過ぎて苦しくなったら吐けばいい」と考えてしまうので、そうなる前に目に映って一番に「食べたい」と思った物に即決めてしまう、決められなければ前日と同じ物にする、夕飯の買い物には時間を制限する等、自分なりに出来る事を考えてはいる。

今回の相談と返答

・嘔吐する事が抑えらず、吐けばまた食べ物を詰め込みたくなり、それの繰り返し。「吐かない、吐けない体」と言い聞かせても吐いてしまう。

⇨過食嘔吐を治すには、やはり「過食より嘔吐をするのを我慢する」のが第一。嘔吐をしている限り、過食欲求は無くなりません。今週、また食べ過ぎてしまうことがあるかもしれないけど、まずは吐くことをやめてみよう、吐くことを前提に過食するのはやめようと言いました。

・一日置きに行ってしまうのは、もう習慣づいていて慢性化しているのか。

⇨今までも、過食嘔吐が再発しても、その度に乗り越えてきたから、その事実を思い出し、また克服に向けて取り組んでほしい。

・過食嘔吐の事は主治医にも相談し、一度は治まった症状が何かの弾みで再発する事もある、衝動が抑えきれなくなる事はあると仰っていたので、自分の場合も一時的な物と考えても良いのか。

⇨一時的なものであったとしても、過食嘔吐が始まってしまったのにはそれなりに理由があるはず。嘔吐して、自分を責めなくてもいいけど、その代わりに、なぜ過食嘔吐をしてしまったのか、次回からどうすれば防げるかを考えるように伝えました。

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