拒食回復期。増量を決めたが、過食症が怖い

拒食からの回復期の方からの相談

相談者:そら 24歳 看護師

摂食障害を発症してからの症状の変化

幼少期から、身長体重は痩せ~標準であるのに対し自分のふっくらしたエラの張る丸い顔立ち、骨格がいわゆるゴツい体型でコンプレックスだった。ある時、『顔はぱんぱんの方がシワが目立たなくて良い、あなたはふっくらしてる方が可愛い』等言われ、分かってはいたが周りからの評価にショックを受ける。 決して体重的には太っていないのに太ってみえる、それを打破したいし華奢に見られたいという思いが強くなり24歳の初夏からダイエット開始。 初めはカロリーと糖質を制限し、徐々に運動負荷を増強しながら課していった。 体重は順調に減る一方、9月頃から体力低下や疲労感が著名。仕事に体力がいるため、運動に回せる力がなくなったが、カロリーと糖質制限は守り続けたので痩せていく。 その頃から恐らく精神面も不調で、友達とご飯に行く時だけは『チートデイ』として、本来の大食漢を発揮。今振り返れば過食していた。 10月に職員検診で肝機能異常等の指摘。ダイエット開始から10キロ減で低体重も指摘。流石に自分がダイエットをこえ、摂食障害であることを自覚する。カロリー制限を緩めてみたりしてみた。 11月、血液再検査で全く改善していないのを目の当たりにし、拒食を治そうと決める。まずは1日3食食べる、カロリー制限をやめる、体重は毎日測らない、等できることから始めてみるが、一度食べ始めると止まらない過食に悩む。 バイキングともなれば立てなくなるまで食べる。しかし、その前後は太ることが怖くカロリー糖質制限をしてしまう、でもたくさん食べたいのでこんにゃくやとうふや野菜でカサ増しする、など不安定な状態が現在。 小さい頃、アレルギーがひどくその時によく嘔吐していたことがあり嘔吐恐怖症(吐く=アレルギー)のため、嘔吐はできず過食の時は全て吸収。それが怖くて、気持ち程度と分かっているが外食の時はカロリミットなどを常備。

そこから、順調に体重が落ちてもなかなか見た目では他人に分からず、38キロくらいでようやく痩せた?と言われ、ここまできてやっとか…つまりまだ減らさないと外食とかしたら一瞬で戻るから予備としてもう少し痩せておこうとズルズルしてしまい、いつのまにか何をどうしていいのか分からない現在です。

6月頃:カロリー制限ダイエットを開始(155センチ45キロ)
7月頃:加えて運動負荷を課す
9月:体力の低下で運動負荷が減り、ほぼカロリー制限のみ。
10月:職員検診で肝機能異常指摘。この時点で35キロ。
この頃から、月に数回過食(友達等と会うときだけ、元々の大食漢を発揮する)
11月:摂食障害を治そうと考え出す。1日3食食べる、体重を計らない、カロリー計算はしない等試すが、過食と拒食が混在している状況。外食に行くと過食、家にいても1度ご飯を食べ始めると止まらない、その後焦って低カロリーのみ、等。※非嘔吐です。

現在:37キロまで増量

質問したいこと

できれば過食に転じず、もちろん過食嘔吐もせず、回復していくにはどうしたら良いのか。
外食の機会があると過食してしまうのはどうしたら良いか。その後の食事はどうしたら良いのか。
どうしたら、今までの自分に戻って、拒食にも過食にもとらわれずに生きられるか。

1人で悩み続け、表向きは普通生きていくのがあまりにも辛くなりました。拒食も過食もしんどくなり、どうしたら良いのか身の置き所がなく感じました。ツイッターで同じ境遇の人を探していて、ここに辿り着きました。
もし宜しければお願い致します。

克服するために必要なこと=自分を知ること

現状の自分を分析しよう

そらさんには、事前にヒアリングシートを記入していただき、それを元に私がカウンセリング前の診断シートを作成しました。

※上記の診断シート作成については、また後日おしらせします

事前にいただいたヒアリングシートには、マイルールの中で特に、糖質にこだわっている様子がうかがえました。このようなマイルールが過食の引き金になっていると思いました。

米やパンからの糖質摂取は数日に一回。お弁当には、かぼちゃやジャガイモ等を入れている。1日の推定糖質摂取は60程度。低糖質のレトルト食品を活用。主食はこんにゃくか豆腐か糖質ゼロ麺(紀文)、フルーツは食べない、食べる順番は野菜→蛋白質→炭水化物。

食生活以外にもマイルールはきっとあるはずです。そらさんは連絡などのやりとりも真面目に返してくださるので、完璧主義な一面もあると感じました。摂食障害を克服するということは、こういうマイルールを克服し、生きづらさから解放されることでもあります。

食生活を見直そう

できれば過食に転じず、もちろん過食嘔吐もせず、回復していくにはどうしたら良いのか。

過食の原因は7つ考えられ、その中でそらさんは回復期の自然な食欲だと考えられます。

※参考

過食パターン1:低体重からの回復期
過食パターン2:ダイエット・栄養不足の反動
過食パターン5:マイルールの反動

 

その中で、拒食回復期の方は、3食食べたほうがいい理由を読んでいただきたいです。

 

会食恐怖の乗り越え方

外食の機会があると過食してしまうのはどうしたら良いか。その後の食事はどうしたら良いのか。

外食の機会は、マイルールを破り、過食しやすいですよね。でも、それだけ普段「食べたいものを我慢している」現れでもあります。

そして、外食で過食したあとでも、できれば普通に3食食べる努力をしてください。上記の記事でも伝えましたが、絶食などで長い時間食事を取らないことが、次の過食を呼んでしまいます。

外食は過食をする場ではなく、「コミュニケーションを楽しむ場」と考えられるといいですね。

嘔吐はありませんが、下記の記事も良ければ参考に。

 

心の問題を解決しよう

どうしたら、今までの自分に戻って、拒食にも過食にもとらわれずに生きられるか。

まず、摂食障害の克服は、「今までの自分に戻る」のではなく「新しい自分になる」というイメージを持っていただきたいです。それについては下記の記事にまとめています。

 

そして拒食や過食の症状が現れなくなるようにするには、心の問題を解決する必要があります。

心の問題に向き合っていますか?

体重を増やす決意ができたのはとってもいいこと。しかし、摂食障害は「心の病気」。心の問題に向き合わず、たとえ過食がなくなったとしても、また何か壁にぶつかった時に拒食や過食などの症状として現れてしまいます。

自分のことを知るためにも、まずは「なぜ太ることが怖いのか・痩せを維持したいのか」に向き合うことが大切です。

 

許せる以上に体重が増えても、治したいですか?

摂食障害を治したいということは、つまり体重が増えてでも治したいということ。回復期であれば「●kgまでなら許せる」という自分の中での基準となる体重があると思いますが、摂食障害は●kgで治るとは誰にもわからないもの。なぜその許せる体重以上に増えることが怖いのか、向き合って考えてみましょう。

痩せ以外のアイデンティティを育てる

摂食障害の治療は、「体の食欲に素直に食べられるようになること+心の問題に向き合うこと」を中心に行います。その心の問題に向き合う中で大切なのが、痩せ以外のアイデンティティを育てることです。この記事を参考にしてみてください。

 

正直、体重の上げ止まり地点の確証はありません。人それぞれ、体重の止まる地点は違います。だからこそ、過食が怖いのだと思います。

そらさんに必要なのは「心の問題解決」と「3食食べるトレーニング」だと思います。カウンセリングではその内容を優先的に話していけたらと思います。

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