回復期の自殺願望。過食嘔吐の自殺率が一番高い

回復期の自殺願望

私の元には、「嘔吐が1ヶ月辞められています」という方が、翌日になって突然「死にたい」と連絡してくることもあります。

この質問の方も、拒食の回復期にもかかわらず、自殺願望が出てきたと書かれています。

「拒食で20kg台になった」「過食嘔吐の泥沼にはまった」など、そんな最悪の状況から抜け出すために、学校に通ってみたり、新しい習い事始めたり、仕事に復帰してみたり。

そうしているうちに、体重に乗らなくなったり、ちょっと食べすぎることを許せるようになったり。

一見、回復したように見えても、そういう時ほど落ち込むことが多くなるのも事実。摂食障害の回復期を経験したことがある人であれば、多くの方が通る道でもあります。

私も拒食・過食嘔吐からの回復期、引きこもりから受験生になる前が一番辛くて何度も死のうと思った。

私の友人はうつ病を克服中、治そうと外に出始めた矢先に自殺しました。どん底の状態ではなかったのに、むしろ良くなりたいエネルギーで満ち溢れていたのに、彼女は突然死を選んでしまった。

今回は、なぜ回復期ほど死にたくなるのかを私なりに考えてみました。

1.ランナーズハイ状態から抜け出し、冷静になる

これは拒食・低体重の方の話ですが、やせの影響でうつ気分や集中力低下、仕事の能力の低下が水面下でおきているのにも関わらず、本人は「痩せていることで気分がいい」ので、元気に動いてしまう。いわゆるランナーズハイの状態。

しかし、食べ始めることによって、栄養が体に行き渡ると、今まで気力と根性だけで動けてきたものが、「考える」体力もついてくることで冷静に物事を見れるようになったり、体が思うように動かないことに気づき始めます。

頭の中では「治りたい」とわかっているのに、「まだ痩せていたい」という気持ちも捨てきれずにいたり。

私も「せっかく努力して、20kg台の体を手にできたのだから手離したくない」と、今までの努力の証を手放すことができずにいました。

このように、体に栄養が渡り始めると、葛藤を感じるようになり、それによってうつ傾向が強まります。

2.周囲の安心を感じ始め、反抗したくなる

少しずつ食べれるようになり、回復してきたように見えると、親や周りの人が安心し始めます。

その時に、もう「心配してもらえない」という寂しさを覚える方もいるでしょう。

私は食べ始めたときに、母が涙ぐむ姿を見て、気持ちが冷めました。「食べたくらいで治ったと思うなよ」と、逆に反抗的になったこともありました。

これは、「周りに心配してもらいたい」「注目されたい」と思う気持ちが強い傾向の方によく見られる傾向にあります。

※しかし、心配してもらえることで、愛情を確認するのは、本当の愛情の確認の仕方ではありません。そこに安心感を覚えても、拒食体型がかりそめの自分なので、結局、満たされるのは一時的な安心感だけです。

3.理想と現実のギャップ

一番大きな要因はこれだと思います。体力もついてきて、食べ物以外のことにも興味を持てるようになり、新しいことに挑戦し始めます。

しかし、自分の理想にたどり着くまでには、かなり努力しなきゃいけないことを思い知ります。

そう、理想と現実のギャップです。

どちらかというと、摂食障害の方って完璧主義だから理想が一般よりも高い。だからこそ、目指す地点が高過ぎて現状に絶望し、自己肯定感を低く感じてしまうのです。

私はアート教室も大学受験も絶望しかけたけど、アートは上手くなることよりも教室に通うことだけを目標に、大学受験は志望校を家から通える範囲に絞り、あえて偏差値の高い学校は候補から外しました。

このように、目標や理想ってコントロールしやすいものです。

新しい世界に挑戦するのは大切。でも、その理想は高過ぎないか?ときどき見直してあげることも大切でしょう。

自分に厳しくしなくたっていいんです。甘やかしながらできることを、広げていけるといいですよね。

過食嘔吐の自殺率は18%

最後に、具体的な統計の数字をお見せしますね。

このサイトで知ったのですが、摂食障害の症状別の死亡率を見ると、

  • 拒食症10%
  • 過食症0.3%
  • 過食嘔吐18%

・・・・想像以上。
想像以上に、過食嘔吐の死亡率が一番高い。

拒食症は栄養失調が原因で死に至ることが多いのに対し、過食嘔吐は「吐く」という行為を続けることにより体はかなりの負担を抱え、気分が落ち込む・憂うつになるなどの精神的な抑うつ症状を追ってしまいます。

過食嘔吐は吐くという一時的な帳消し行為により、過食⇨嘔吐⇨飢餓からの過食欲求⇨嘔吐、という負の連鎖に陥り、病気が長引いてしまい、摂食障害が重症化したり、他の精神疾患を併発したりしやすいのです。

「死にたい」という心の声は、病気の声であり、あなたの本来の声ではありません。どうか、病気の声に負けても、死ぬことだけは避けて欲しいと願うばかりです。

 

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