カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで25回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。(アイさんには了承を得ています)
今回はアイさんの26回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許しながら、なんと自力では生理が来ました。
現在、気持ちの波がありながらも、復職に向けて自分自身と向き合っておられます。
今までの歩み
- 休職中なのに体重を増やせない
- 病気と共存するのではなく、完治させる
- 先取り不安をやめ、いいイメージをして一歩ふみだす
- 嘔吐をするために過食をしない
- 一人でお酒を飲むのを辞める
- 自分のことを大切に思わない人とは会わない
- 凸凹を繰り返して克服へ向かう
- 何年かぶりに生理が来た
- 見栄をすて、甘え・頼ることができた
- 30kgを超えたから復職したい
- 復職を許可しない主治医
- スイーツしか食べたくない
- 栄養バランスのいいものしか選べない
- 総カロリーが足りない
- 食事と運動は切り離して考える
- 体の回復の次に、心の回復がある
- 過去の傷に向き合う
- 相手を許せなくても自分を否定しない
- 白米を食べたくない
- 過食嘔吐をする裏には理由がある
- 過食嘔吐に溺れた2週間
- 友人に甘えるのも治療の一つ
- 人を信じるということを実感
- 生理不順から自律神経の乱れ
- 体重計に乗らなくなった
今週の様子
毎週カウンセリング前に、アイさんからこの一週間の報告をいただきます。
【前回立てた目標について】
・「病院での測定まで体重計に乗らない」
⇒体重計を目に映らない場所に移動させ、量らない事を継続中。
・「体重を維持したがる本心と向き合う」
⇒まだ自分の中で、低体重の身である事が「自分の姿」「自分が仕事に熱を注いできた努力の証」だと認識しているのだと思う。
体重を増やす事は復職して元気に働き続ける為に必要な事で、より自分が幸せになれる、家族や友人もそれを望んでいる、と理解している一方で「これを手放すと今までの努力が何も残らない、自分は何もして来なかった事になる」「築いてきた自分を崩す」という気持ちとの葛藤が有り、まだ体重増加を恐れている所があるのだと思う。
・「食生活の改善」
⇒取り組めておらず、朝はコーヒーのみで昼食も以前から変わっておらず、食事量は夕飯に偏ったまま。
【現状経過について】
・低体重を手放す恐怖は歪んだ願望であると理解しているので、一気に全て無くせるとは思っていないが、投げ出したり諦めたくはない。
健康になる事で得られる幸せをイメージして、体重増加を受け入れながら心の状態を整える事、低体重や痩せ体型への依存を手放す努力を続けようという気持ちは強い。
・体重計に乗らない事は、思ったよりも抵抗なく継続出来ている。
もっと不安になったり葛藤するかと思っていたが「体重が分からない不安」よりも「体重を気にしない解放感」を覚え、自分でも驚いてる。
体重を維持しようする気持ちも消えていないので、買い物に躊躇したり食事への影響も心配していたが、体重は維持じゃなくて増やす必要があると自分に言い聞かせると同時に「分からない体重を気にしたって仕方ない」と思えて、食事~デザートまで今までより減る事もなく(むしろ食べ過ぎなのでは思う日もある)食べたい物を食べる、自然な食事の継続も出来ている。
逆に、体重を量る事に「急激に増えていたら怖い」という気持ちもあり、次の病院での測定に少し不安を感じている。(次の病院は9日です)
・規則正しい食生活にしなければという意識はあるが、朝は食べたいと思わず、昼食も変える事が出来ていない。
夕飯は一日の終わり、寝る前に食べるのが自分のルーティンなので、夕飯に食べたい食事~好きなデザートを食べる事を、自分の中で一日の「最後のお楽しみ」にしているのだと思う。
夕飯時にはお腹を空かせたいという気持ちで、朝食を摂ったり昼食を増やす事をしたくないと考えているのでは、と思っている。
今回のカウンセリング内容
・3食摂る事に挑戦しようと考えても、今まで朝食の習慣も無かったので朝から何か食べたいと思えない。
また、朝食に何を食べれば良いのか分からない。
・体重を量っていないので言い切れないが、食事量も減らさず食べ過ぎる日もあるので増えているとは思う。
何となく、日に日に体に脂肪が付いてきている様にも感じていて(メジャーで体型を確認する事もしていないのでこれも言い切れないです)順調に体重が増えているのであれば、欲しくない所に無理に朝食を食べなくても良いか、食欲がなくても朝食を摂った方が良いのか。
私からの回答
朝食について
「今後仕事に復帰した際に、朝食や昼食を食べずに仕事ができるか」ということを聞いた。復職前に朝食や昼食を食べる練習をした方が良いのではないかと提案したが、職場は食事を楽しめる環境にないとのこと。
いろいろな理由があるにせよ「仕事>>>>体調」に意識がいかないよう注意するようにつたえ、一旦復職までは今までの食事内容を変えずに取り組むことになりました。
痩せを維持したい気持ちについて
「痩せている」ということに安心感を長年持ってきたので、すぐに手放すことは難しい。それがこの病気でもあります。しかし、ここで「痩せ」という安心感から、他の「友人」や「趣味」など、自分の支えとなるものを増やし、安心感を痩せ以外に置く意識を持つように伝えました。「痩せていなくても、私は幸せ」と思える状態を目指して欲しいです。
体重増加が怖くなったら、増量後の可能性をイメージする
増量ってとっても怖いことだけど、実は体重が増えることによってできることが何倍も増えます。
仕事ができるようになればお金が入ってくる。お金があれば、罪悪感なく好きな友人にも気軽に会え、好きな洋服を買い、趣味に投資ができるようになる。
仕事復帰だけでなく、その先もイメージできるようになると、より克服が楽しみになるのだと思います。
・仕事と痩せることを切り離して考えよう
できないことは「できない」と主張する