カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで10回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。(アイさんには了承を得ています)
今回はアイさんの11回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許しながら、なんと自力では生理が来ました。
現在、復職を早めたい自分と、認めない主治医の間で、悶々とする日々を送っていらっしゃいます
今までの歩み
今週のアイさんからの報告と私のアドバイス
食事について
・「スイーツは一個まで、代わりの食事を摂る」と先生に言われたが、食事は今の量で充分だと思うので追加して食べたいと思う「デザート1個分に代わる食事」が無く、ご飯や麺も食べたいと思わない。
しかし、スイーツ等の好きな物となると食べたい気持ちが強くなり、制限出来ずデザート2個は当たり前、最近はそれ以上に食べてしまう。
・代わる食事が選べないまま食べないよりは良いと思って好きな物を食べるが、先生に言われた事が出来ないのも良くないかと、食べたい気持ちを優先させる事に躊躇して買い物に時間がかかるようになった。
・先生に言われた食事内容の改善が出来ない。
どうすればデザートより食事を増やせる様になるのか分からない。
・食事の品数は増やせないのに、デザートはあれもこれもと食べたくなり量が増える。
「まだ食べたい?」と自分の声を聴く事を心掛けてはいるが、横になった時に嘔吐しそうなくらいに食べてしまう事がある。
さすがに体に悪すぎるのではと思う。
・体に良くないと分かりながらも、満腹感も自分の声も分からず好きな物ばかりを食べてしまう事に、過食傾向にあるのではとまた不安を感じている。
管理人より
あいさんの場合、普通の食事の際に炭水化物を食べていないので、体が糖分を自然と欲してしまうのでしょう。また、このくらいの量であれば過食ではなく、また味わって食べられているので、心配するような状態ではないと伝えました。今はまだ、低栄養状態で血液検査の結果も痩せが原因の数値なので、体の栄養状態が整うまでは、自分の自然な食欲を認め許し、味わって食べてあげて欲しいと伝えました。
また、スイーツ=体に悪い、と考えてられますが、低栄養状態の方がよっぽど体に悪いので、まずは目標である35kgになるまでは好きなものを優先して食べていいと思います。
・夕飯の内容は改善出来ていないが、昼食の量を見直した。
一度計量してみて、今まで食べていた大豆グラノーラの量が一食分より少なかった事が分かったので、今はちゃんと一食分のグラノーラ40gにヨーグルトを100g、はちみつを適量かけて食べている。
管理人より
今よりも増やそうと努力されているのはえらい!体重増加を怖がらず、体のために食べていることはとてもいい進歩だと思います。
仕事について
・復職について話をする為に、会社へ出向いた。
会社の方からは「医師からの就業可能との診断が復職の条件と規則だし、療養休暇もまだあるので体調を整える事を優先してほしい」と言われ、復職は繁忙期に臨んだ6月頃を目標としていたが「繁忙期は避けた方が復職後のあなたの状態も管理しやすい、急なハードワークに体調を崩さないかも心配」との事で、まずは体調を整えつつ復職時期は追々考えようと思っている。
また「皆が忙しくしてるとか休むのが申し訳無いとか会社の力にならなくてはとか、会社の為にとかではなく自分の為になる事を考えてほしい、中途半端な状態で復職されても会社は助からないし、お互いに良くない」とハッキリと言われた。
更に「あなたはやり出したらこっちの言う事も聞かずに本気でやり出すから、回復が中途半端だと余計に心配になる」とも言われ、改めて自分の考えが間違っていた事と、会社での自分の姿勢を反省した。
「この先もうちで働きたいと思っているなら尚更、今ここでしっかりと治して元気に働き続けてもらいたい、会社や復職の心配はせずに今は自分の体を心配して、自分の為に療養に専念してもらいたい」とも言って下さり、会社側の対応、心遣いに感謝した。
会社の方と話し合った事で、今まで感じていた罪悪感や不安や焦り等が少し緩まった様に感じている。
自分の中で、ある程度の意思が固まったのだと思っている。
自分の考えだけで行動せず、客観的に物事を捉えられるようになった証拠だと思います。自分の思いを伝え、相手の意見に耳を傾けることができると、自分の考えが全て正しいと思い過ぎたり、新しい視点を発見し、生きる選択肢も増えます。
・心身共に健康になる事に努め、趣味に費やす時間が増えた。
イラストを描く事に集中し、それによって一日の中に達成感を感じるようにった。
今のあいさんにとって、仕事や痩せ以外に熱中できること、自分らしさを感じれること、を見つけることが大切だと思います。もしこのまま仕事に復帰したら、また仕事だけが生きがいになりかねません。自分自身にはこんな能力があったんだ!こんなことも私できるんだ!という発見をして欲しいと思っています。