拒食状態からの脱出方法を全解説

摂食障害といっても食べられない、食べすぎるなど、さまざま症状がありますが、

今回は「拒食症」と呼ばれる、食事量が著しく少なく低体重の状態からの脱出方法を解説しますが、拒食状態の方にも参考になる記事になっています。

拒食状態とは、体重に限定せず、下記の状態の方も含みます。

  • 基礎代謝以下の食事しかできない
  • 健康に良いと言われるものしか食べられない
  • 目標体重まで痩せても、満足できない
  • 体重計に毎日のり0.1kgの増減で一喜一憂する

拒食が回復するまでの流れ

拒食症の低体重の期間は摂食障害の初期段階で、その次のステージである回復期にうつるときこそ一番大切な期間です。

なぜならば、この拒食から回復期に移行する間にいかに心に向き合えるかで、克服のスピードや摂食障害の重症度が変わってくるからです。

例えば、

・摂食障害の原因を見つける
・無理してきたことの断捨離
・痩せたい気持ちの裏にある本当の望みを探す
・治りたい気持ちと痩せたい気持ちの葛藤に気づく
・治った先の自分の姿をイメージする

上記のことに向き合うことで、痩せ体型へのこだわりをてばなしていけます。この期間にいい治療者に出会い、心に向き合うことが大切です。

もし、この期間に良い治療者と出会えなかった場合、回復期過食の段階で、食事の罪悪感から、嘔吐に手を出してしまいかねません。
嘔吐などの排出行動を覚えてしまうと、「過食嘔吐」という依存症の治療が必須になります。そうなると数年単位で摂食障害が治りづらくなります。

拒食期から脱出するために必要な5つの要素

(1)治療方法:心と体の両輪でケアする

摂食障害完治を目指すのであれば、心の問題に向き合うことが不可欠です。なぜなら摂食障害は心の病であり、心に不調があるから、過食や拒食といった症状が出るからです。

しかし、拒食状態、特にBMI16.5未満の場合は、まずは体重を増やすことが大切です。なぜなら、低体重・低栄養状態では脳が機能せず、自分の感情を振り返る力が弱かったり、認知の歪み(考え方の偏り)が強いので、カウンセリングを行なっても効果が出るのに時間がかかるからです。しかし、これらは体重増加、栄養状態が整えば一般的には回復すると言われています。

当カウンセリングでは、心のケアをすることで食事量の増加を図るアプローチをおこなったり、治療を先に行うよう医療機関にかかることをお願いしています。

(2)回復の順番:体が先、心が後

心が一番大切!と言いましたが、治る順番としては「体が先、心が後」と言うことを心得ておいてください。

なぜなら、先ほどお伝えした低体重・低栄養状態を脱することで脳が機能し、やっと心の問題に向き合えるようになります。これが第一ステップだとすると、第二ステップは心の治療をしながら体重を増やします。そして、最終段階では「増えた体重を受け入れる」ことが求められます。つまり、体重が増えた後に、それを受け入れる心の葛藤がおこり、それをのりこえていくのです。こうして、理想体型や自分のボディイメージは体重増加とともに徐々に適切な考え方になっていきます。ポイントは、痩せたままでは歪んだボディイメージを変えられないということです。

 つまり、自分の体重が増え、徐々に健康体になる姿を受け入れられるようになるにつれ、「これ、案外普通の体型じゃない?」と考え方が変わってきます。そういう意味でも、痩せたまま克服することはできないのです。

(3)入院の検討

標準体重の65%を切る場合、まずは命を救うこと、体重を増やすことを優先に入院も視野に入れましょう。また、体重以外の点で、検査で健康に異常が見られる場合、家族の協力がえられない場合、自傷や自殺行為の危険がある場合は入院を視野に入れましょう。

しかし、大切なのは病院選びです。ただ単に体重を増やすことだけを目的としたプログラムはあまりおすすめしません。なぜなら、

大切なのは臨床心理士によるカウンセリングが受けられる体制の病院を選ぶことをおすすめします。

(4)拒食から回復期過食へのきっかけ

拒食の時期に大切なことは、心のケアとともに「回復期過食」に移行することです。
だから、拒食状態で大切なのは、「この状態を抜け出したい」と思うきっかけを多く感じることなんですよね。

その回復期へのきっかけはさまざまなものがありますが、大きく2つに分けると「疲れ」と「本来やりたいことができない悔しさ」です。

つまり、「拒食状態でいることのデメリット」と「本来やりたいこと」を感じる必要があります。

これは特に周囲の方の行動が大切になります。

デメリットで言うと、拒食期間中に家族が当事者の言いなりになって、居心地の良い生活を援助することはあまり良いとは言えません。
例えば、低カロリーの野菜料理をつくってあげたり、毎日学校の送り迎えをしたり、金銭の援助をしたり。家族は子供が心配なのもわかります。ただ、当事者本人が「困る」経験も必要なので、行きすぎた援助はやめましょう。

「本来やりたいこと」を感じるためには、「回復するきっかけ=チャンス」を与えることが大切です。

ちなみに、私が拒食から脱出できた理由は3つ。

1、我慢やカロリー計算をする生活に疲れ
2、拒食の期間が長いほど、反動が大きくなると知った
3、拒食と過食嘔吐を繰り返すと太りやすい体になると知った

動画で説明しているのでよかったら参考にしてください。

(5)本人が覚悟を決める

拒食は「痩せたい心」の病気ですが、心が治るためには、体が治すことが大前提です。 食事を食べ、体重を増やし、それを受け入れられる心を育てることが大切です。

拒食を脱出するには、まずは「体重が今より少し増えても良いから治したい」と覚悟を決めることが大切です。

ポイントは本人が納得して「食べる」と決めることです。なぜなら、家族が無理やり食べさせたり、入院させたりするほど、食後の罪悪感が強くなり排出行動を覚えたり、過活動が加速するからです。

カウンセリング編

私がカウンセリングで行っている心編と食事編の一部をお伝えします。

・心編(7step)

1step|デメリット

拒食によって犠牲になっていることを洗い出します。

2step|心の不安

痩せたい気持ちの裏にある、心の不安に向き合います。

3step|食事の正しい知識を学ぶ

間違ったダイエット情報をアップデートします。

4step|空腹依存、満腹恐怖など

空腹依存や満腹恐怖など、食事に対する認知の歪みを改善します。

5step|回復期過食を受け入れるケア

太ることが怖い気持ちと、治りたい気持ちの葛藤をケアし、標準体重を受け入れられる心を育てます。

6step|心を満たす方法を探す

痩せ以外の心の支えを発掘します

7step|痩せ中心ではない生き方を見つける

痩せ以外の人生目標を決めます

・食事編(2step)

1step|適正エネルギー量を食べ始めるまでの段階

まずは「食べられそうなものを基礎代謝分食べる」ことを目標にします。基本的には「3食三大栄養素+ビタミンミネラル×体の声を聞くトレーニングをしましょう」と伝えています。

その理由は「空腹と満腹を取り戻すため」と「過食衝動を抑えるため」です。

ただ、あまり厳密ならなくて良いと思います。少しグルメになるくらいの気持ちで、食事を味わって幸せを感じることを目標にしましょう。正解はないので、私はこうしなさいと一般化してアドバイスすることは避けたいので、個別にカウンセリングさせていただいてます。

下記の記事に3食食べた方がいい理由をまとめてあるので、読んでみてください。

2step|回復期過食に移行した段階

「3食三大栄養素+ビタミンミネラル×体の声を聞くトレーニング」を基本に、標準体重までは食欲を我慢せず、過食を受け入れる期間と考えましょう。

ちなみに、私が拒食から回復期の過食に移行した時の食事は、病院で3食(1600kcal)+15時のおやつ+夕食後のケーキとプリンで3000kcalは取っていました。

その後、非嘔吐過食に移行し、その時は4000kcalくらいをバランス適当に無心で食べ、気づけば標準体重以上になり、過食嘔吐に移行しました。今思えば、この頃にバランスの良い食事と心のケアを心がけていたら、非嘔吐過食が悪化せず、過食嘔吐にもならず、早く摂食障害をやめられていたかもしれないとも思います。

 

よく拒食から回復期の過食に移行すると、それだけで自分を否定してしまう人もいますが、間違ってないんですよ。

食べることでしか体の治療はでいないので、克服するためには必ず通らなければいけない道なのです。

ただ、その状況を受け入れることは簡単にはできないので、心のケアと並行しながら過食を受け入れる練習をすることをおすすめします。

 

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