摂食障害の治療をするにあたって、医学モデルという考え方は有効だと私は思っています。医学モデルというのは、「摂食障害=病気」という概念を用いることで、病気であるために免除されることがあると同時に、病気から治るための義務が生じるという考え方。
水島広子先生の「拒食症・過食症を対人関係療法で治す」には下記のように書かれています。
ここでの治療は、「任せておけば治る」というようなものではありません。 あなた自身の問題なのですから、あなた自身が最も努力しなければなりません。努力すればするほど治療効果の上がる治療法だと考えて下さい。 ただし、「努力」と言っても、それは「過食をがまんする」とか「意思を強く持つ」というようなことではありません。 努力するのは、 ○自分のまわりの状況(特に、対人関係に関するもの)に変化を起こすよう試みる。 ○自分の気持ちをよくふり返り、言葉にしてみる。 という二点で十分でしょう。 私たちは、あなたの努力を手伝っていくということになります。 面接は、努力の仕方について検討したり、計画を立てたりする場所だと考えておいて下さい。
つまり、「病者の役割」が与えられることによって、通常の社会的義務である労働などがある程度免除されると同時に、患者として治療する義務が生じます。これにより、会社を休んで治療することへの罪悪感が減り、治療がスムーズに進みます。
詳しくは、下記の本をお読みください。この本は、ぜひご家族で読んでいただきたいです。