依存症として摂食障害を考える

摂食障害、特に過食症状を克服する上で、依存症としての回復アプローチを考えることも有効ですので、ここで一度紹介させてください。

依存症とは

依存症とは、簡単に言えばコントロールできない悪い習慣です。例えば、過食、リストカット、アルコール、性依存、買い物依存症などがみなさんにも馴染みのあるものだと思います。

依存症の状態になると、身体的・精神的・社会的に、自分の不利益になっているのにもかかわらず、それなしにはいられない状態になります。

「趣味・好み」と「依存症」の境目

難しいのは、依存症と趣味嗜好の境目だと思います。

一般的な人でもお酒を楽しむ習慣もあるし、気晴らしぐいをすることもあります。

ただ、趣味や好みと、依存症の境目は「自分で抑制できるかどうか」が大きな分かれ目だと思います。

趣味嗜好は社会生活に悪い影響を与えるものではなく、生活をリフレッシュさせるもの。

依存症は、時間やお金を浪費し、社会生活に支障が出るもの。っして、一日中対象にとらわれてやめられず自分で抑制できないものと考えるとわかりやすいと思います。

依存の仕組み

一般的に依存症と呼ばれる症状は、脳内の神経伝達物質である「ドーパミン」と大きく関係しています。

人は、特定の依存物質、過食の方は「多量の食べ物」を摂取すると、脳内にドーパミンという物質が分泌され、中枢神経が興奮して「快感・喜び」を感じます。

しかし、過食を繰り返し続けると、次第に「快感」を感じにくくなります。そのため、以前と同じ快感を得ようとして、過食の量や頻度が増えていきます。過食を増やせば一時的には「快感」を感じられますが、さらに快感を求めて量や頻度が増えます。

このように、過食・過食嘔吐などは快楽的な快感です。

一方の、拒食の禁欲的な快感もドーパミンを放出させていると言われています。

 

こうした悪循環に陥ると、脳が「刺激)」を求めてエスカレートし、結果、自分の意志でコントロールすることは非常に困難となります

まとめると、刺激(過食)→ドーパミン放出→脳の中枢神経が興奮して快感になる→ドーパミンが薄れると、さらなる刺激を求めるという流れです。

 

このような、拒食や過食は通常では得られない精神的満足感を得ることができ、意思でコントロールができなくなります。

 

だから、みなさんも「意思では過食をやめたい/普通量の食事を食べたいと思っている」のにも関わらず、「体が勝手に過食を求めてしまう」という状態になっているのです。

依存症の三つの特徴

ここで、依存症の3つの特徴についてもまとめておきましょう。

・進行性:脳が刺激に慣れ、より多くの刺激を求めエスカレートし、コントロール不能になります。つまり、過食は放置しておくと悪化する一方です。

・性格の変化:依存対象が最優先になり、嘘つき、乱暴、自分勝手、衝動的になります。だから、過食が悪化すると、過食以外がどうでも良くなり、交友関係なども破綻していきます。

たじゅうしへき、クロスアディクション:つまり、依存対象が食べ物だけではなく、他のものへと移行しやすい特徴があります。

 

摂食障害の方の中にはアルコール、性依存、買い物依存を併発している方もめずらしくありません。

 依存症になりやすい3つのタイプ

であ、どんな人が依存症になりやすいのでしょうか。

多くの人に共通する傾向をまとめてみました。

1、アダルトチルドレン

子どものころに、家庭内が緊張感ある環境だった方や、傷ついた経験がある方は、常に何かに追われている感覚があり、安心してリラックスすることが苦手です。

そのため、暇が苦手な傾向があり、時間を埋めるために、依存対象にのめり込みやすくなります。

2、対人緊張タイプ

人と関わることが苦手な人は、直接人に関わらずにすむ方法で自分を満たそうとする傾向があります。

3、自尊心は低いが、プライドが高い

自己肯定感が低いので、それを補うために様々な努力ができるタイプです。

ただ、「優秀でないと見捨てられてしまう」という気持ちから努力するので、一度手に入れた評価を失うことを非常に恐れています。そのため、結果的にプライドが高くなる傾向にあります。

 

このように、意思の弱さや性格の問題から依存症に陥るわけではありません。様々な要因が重なり、心が限界になったからこそ、依存対象にのめりこんで癒されたかった側面もあると思います。

つまり、みなさん、何かしら傷ついた経験があったんですよね。

だからこそ心のケアとともに依存症としての行動療法が必要です。依存症は医学的に認められた病気であり、治療が必要とされています。そして、適切な治療と周囲のサポートがあれば必ず回復します。

しかし、治療をしなければいつまでたっても治らないことを覚えておいてください。

 

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