「コンプレックスをひっくり返す」を読んで、コンプレックスをひっくり返せるのか?

以前からSNSで仲良くさせていただいているプラスサイズモデルの吉野なおさんがこのたび初の著書を出版されました!

コンプレックスをひっっくり返す

私もお言葉に甘えて献本をいただいたので、さっそくみなさんに感想をシェアしたいと思います。

まず、一言感想、めっちゃすいすい読める。

私の本を読んだことある人はわかると思いますが、めっちゃ専門用語が多くて読みづらいんですよねw

でも、なおさんの本は「見た目にコンプレックスがある」と感じている、10代前半の女の子も共感できる内容です。もうね、本当に文章が優しいし、わかりやすい。

ということで、この本は

・見た目にコンプレックスがある人

・拒食と過食に悩んでいる人

・同年代の人と比べて落ち込みやすい人

にとって、宝物になる本だと思います。ぜひ気になる方は私のYouTubeもさんこうにしてもらって、本も手に取ってみてほしいです。

吉野なおさんとは

吉野なおさんはプラスサイズ女性向けファッション誌『la farfa』(ラ ファーファ)専属モデルとして活動中。

このラ ファーファは、「日本初の“ぽっちゃり女子”のための本格ファッション誌」というコンセプトで発光されているプラスサイズさん向けのファッション誌です。

このラファーファは、2013年から発行されているんですが、私は失礼ながら摂食障害を克服して、カウンセラーになってから出会いました。

というのも、私は2006年から拒食症になって、ピークが2010年くらいだったんですけど、その頃には「プラスサイズ」という名前で活躍するモデルさんもほとんどいなくて、「モデル=細い」がまだまだ当たり前の世の中だったんですよね。そう思うと、当時よりも今の方が「容姿に対する多様な価値観」が認められ始めているなと実感します。いや〜私が摂食障害ピークだった頃に出会いたかった!笑

なおさんは、自身の摂食障害の経験、回復を元に、ありのままの自分を愛そうというボディ・ポジティブ等の多様性の訴え、モデルだけでなく自己イメージの回復に繋がるようなコラム執筆、YouTubeでの動画発信、ワークショップなど幅広く活躍されています。

なおさん自身の経験もこの本では赤裸々に書かれているのですが、食べないダイエットで30kg痩せて、痩せた体をアイデンティティにしてしまったばっかりに、少しでも体重が増えると「こんな自分は自分じゃない」と自己否定感が強くなり、生きることが辛くなったそうです。ただ、当時のなおさんに必要だったのは「自分の体と心を守るための正しい知識」で、変えるべきは体型ではなくて、社会や人との関わり方だったと気づいたそうです。あ〜〜〜わかる〜〜〜〜と何度も頷きながら読んでしまいました。

印象に残った三つの話題

さてさて、この本を読んでまず印象に残ったお話から、私の考えをいくつかシェアしていきたいと思います。本当は本の内容をシェアしたいんだけど、あんまり話しすぎると著作権に引っかかりそうなのでw

1、モラハラ彼氏注意

ほんの序盤で、「お前は痩せれば可愛い」「あと3kgやせてよ」「お前は太ってる、だからダメなんだ」的な発言ばかりするモラハラ彼氏が登場します。

その人の影響で、もともと体型にはコンプレックスがあったものの、よりいっそう「痩せていないとダメだ、太っている私はダメ人間だ」という意識が強化されてしまったんですよね。きっとこのように、周りの人の影響で痩せ体型に執着しちゃった人も多いと思います。

私も摂食障害になった原因は、高校の頃に好きだった人が「あの子は顔が可愛いけど、足が太いからダメ」と、クラスの女の子を評価しているのを聞いて、「顔がダメな私は、せめて体だけはスリムでいないと人に好かれない」と思い込んで、ダイエットを始めてしまったんですよね。

つまり、摂食障害になるきっかけって、本当に心無い誰かの一言だったりします。

でも、今思うのは、その考えはその人の考えであって、みんながみんなその価値観で生きているわけではないってこと。また、容姿についてあれこれ発言する人は、自分自身が容姿にコンプレックスを持っている場合が大半です。だって、その人の生活が満ち足りていたら、他人の容姿は正直どうだっていいですもんね。

とか、似たような話をもっとわかりやすくなおさんの本では書かれています。

2、コンプレックスは社会がつくる

ほんの序盤、そして中盤以降話題に上がるのが「コンプレックスは社会が作る」というお話です。

例えば、「痩せ=美しい」という価値観があなたの中にあるとしましょう。その価値観はどこからきたものでしょうか?

きっと、何かしら社会にあふれる情報の中から、その価値観を自分の価値観として内在化させたんですよね。

だから、痩せている=美しいという情報が出回れば出回るほど、痩せていることがいいことだという価値観を持ってしまう人が増えるということです。

そんなSNSや広告によって私たちの価値観は強化されてるんだよ〜ってお話もわかりやすく書かれています。そう考えると、摂食障害って社会的な病気だなって思いますよね。

3、自分なんてどうせ、という考え方

最近読んだ別の本の中に、人は「ありのまま愛されたい/人と繋がっているという安心感が欲しい」と生まれた時から願っているというお話がありました。

そして、このなおさんの本の中にも、「自分なんてどうせ愛されない」と思っていた考えから、「私が気づかなかっただけで、愛されていたのかもしれない」と考えを改める場面が出てきます。

そこから、なおさんは「自分なんてどうせ」というめがねを上手にはずせるようになっていったようです。

きっと、摂食障害に悩むみなさんも、幼少期に親に褒められなかったとか、できる人と比較されたとか、何かしらの傷があるから「自分なんてどうせ」と、自己否定的な考えに陥りやすくなっていると思います。

自分の心の傷になっていること、痛みになっていることを多角的に見ると、実は自分自身は悪くなく、運が悪いことにその言葉を強く受け取ってしまっただけと気付けることもあります。

 

なおさんもこの本の中で話してるんですけど、心許せる友人や、カウンセリングの場で、一度自分の気持ちを自由に話せる体験をしてみてほしいなって思います。自分では気づかなくても、第三者に話すことで第三者は「それって、一つの考え方に過ぎないよね」ということを教えてくれることが大いにあります。

 

この本は、本当に言語化しづらい、心のモヤモヤ、過去の傷、コンプレックスを、とてもわかりやすい言葉で説明してくれる本です。きっと、救われる方が多いと思います。

ぜひ、気になる方は手に取ってみてほしいと思います。

そして、なおさん、あらためて出版おめでとうございます!

勝手に志は同じだと信じているのでwこれからも同志として応援してます!

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