正直、頑張って努力して手に入れた痩せた体型を手放すのは勇気がいるもの。私も痩せていることにプライドを持っていたので、なかなか手放すのが大変でした。
今回は、私が痩せを手放せた理由を4つ考えてみました。
気持ちの変化としては、「食べられるようになりたい」という気持ちが生まれてから、「病気を治したい」と思うようになったこと。
きっと、病気を治したいとは思えなくても、「普通に食事が摂れるようになりたい」と思う方は多いはずです。それぞれについて書いてみました。参考になれば幸いです。
私が食べられるようになった理由4つ
1、一生このまま食べ物に振り回される人生は嫌だと思った
- 0.1kcalまでこだわったカロリー計算
- 決まった運動メニュー
- エレベーターより階段
- 体重の増減に対する一喜一憂
- 人と食事ができない
- カロリーが書いていない外食はできない
- 決まった時間にしか食事ができない
このようなマイルールすべてに、体力的にも精神的にも疲れてしまったから。
そして、これを一生続けるのかと思うと、続ける自信がないのと、そもそも馬鹿げてると感じたから。
いつかはやめなければいけないなら、早くやめて本物の幸せを手にしたい。もっと食べることや痩せること以外に、自分の人生の時間を使いたいと思いました。
2、食べないままでいると太りやすい体になると知った
10年ほど前にステップあやさんという方と摂食障害の掲示板で出会い、食べないままでいると代謝機能の異常で食べなくても太り始める。という話をされているのに衝撃を受け、食べないで太るなら食べて太りたいと思いました。
3、治った人が輝いて見えた
体験談11:私を傷つけた研修医と、希望をくれた研修医。にも書いたのですが、
3回目に入院した時に研修医の先生が元拒食の方でした。その方はすっかり治られて、とっても幸せそうな笑顔をみせてくれました。
初めて摂食障害を治された方に出会い、私も治るんだという希望が持てました。
痩せを手離しても幸せになれるんだと実感できたきっかけでした。
4、痩せた姿=自分の自信にしたくないと思った
この記事にも書きましたが、摂食障害が治るということは、今よりも太ってもいいと思えること。
だとすると、いつまでも痩せた姿を自分の自信にしていると、もし痩せをコントロールできなくなって太った時に、自信すら手放すことになる。
体型コントロールで自信を操るのではなく痩せても、太っても、体型とは関係のないところで、私は幸せを感じたいと思うようになりました。
私が病気を治そうと思った理由
食べられるようになっても、摂食障害はそう簡単には治りませんでした。
非嘔吐過食、チューイング、過食嘔吐。私はいつまでたっても痩せを手放せずにいました。
そして、摂食障害でいる自分に安心感を抱いていました。摂食障害でいることで、頑張れなくても、失敗しても、許される気がしていたのです。
でも、それでも治そうと思えた理由をここにまとめますね。
1、友だちと過ごす時間を大切にしたかった
大学に入り、私にも友達ができました。摂食障害は隠していたけれど、なんでも話せる友達ができました。
その子たちと一緒に過ごしたくて、お昼のお弁当は一緒に食べたし、ご飯に誘われても断らなくなった。
食事ってコミュニケーションの手段なんだと、あらためて感じて絶望したこともあったけど、苦しくても、怖くても、一緒にいたい気持ちが勝った。私は痩せを手離してもいいかな、とこの時から思えるようになりました。
2、仕事に集中したかった
OLになって、仕事が楽しくなりました。
でも、出勤する前日に過食嘔吐をすると仕事に集中できなくなり、それが嫌で過食嘔吐を辞めたくなりました。
初めは金曜と土曜の夜はだけ過食嘔吐を許しました。
しかし、だんだん過食嘔吐自体を辞められるようになりました。
3、お金を使いたい目標ができた
私は海外旅行に目覚め、働いたお金はすべて旅に使いました。そして、もっといろんな国に行きたくて貯金を始めました。
過食嘔吐のお金がもったいないと思えるようになり、過食嘔吐しても食材の買い込みは1000円以内におさめるようにしました。
結果、貯めたお金で海外に行きまくり、今まで30ヵ国まわり、その経験は、私の人生の財産となっています。
これは私の一例にすぎませんが、一番は「なぜ痩せていなきゃいけないのか」を考えてみると、痩せていることに執着するのが馬鹿らしく思える時がくると思います。
今は手放せなくても、治そうと思える気持ちさえあれば、必ず手放せる時がきます。