カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで4回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。（アイさんには了承を得ています）
今回はアイさんの5回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許せてきている最中。
現在、復職を早めたい自分と、認めない主治医の間で、悶々とする日々を送っていらっしゃいます
今までの歩み
先週の約束した経過報告
約束１：嘔吐を前提に過食をしない
→この1週間で過食嘔吐を１回行なってしまった。
昼間に久々に友人と会って話せた事が嬉しく「気分が良いから今夜は飲んじゃおうかな」「嫌な事から逃げる酒じゃなかったら、ひとりで飲んでも暴飲暴食しないかも」と思い立ち、飲んでいるうちに物足りなさを感じ、過食衝動にタクシーまで使ってコンビニへ買い出しに行ってしまった。結果、吐くつもりは無かったが食べすぎて嘔吐してしまった。
約束２：昼食に固形物を摂る
⇒今まで昼食は何も食べていなかった。しかし、先々週から豆乳やヨーグルト、フルーツを取り入れるようになった。そして、先週からはさらにプラスしてヨーグルトに大豆グラノーラをプラスして食べるようにした。食べる前は少し躊躇したり、食べた後は昼間にお腹の中に物がある感覚に違和感を覚えたが、食べている時は普通に「おいしい」と思って食べる事ができ、それが嬉しいと思う気持ちの方が大きかった。
また、昼食を食べるようになってから、過食衝動はないようです。やはり今まで1日1食しか栄養を取らないことが、飢餓状態を生み、過食衝動を誘発していたように思います。1日2食にしただけで、過食の衝動がゆるまったのはよかった。
【その他にできるようになったこと】
・1ヶ月前は28kg。現在29kg。体重は順調に増加傾向に有り、体重増加が以前より早い事に多少の嫌悪感や戸惑いを感じている。しかし、それ以上に「それだけ復職も近付くのだ」と良い方へ考えを置き換えるよう努めている。
・母親との晩酌は嘔吐する事もなく、翌日は朝昼兼用の食事を摂り、コーヒーブレイクまでできた。母親との食事に対しては嫌悪感等を感じたり葛藤する事も少なく「食事は楽しいこと」とも感じるようになってきた。
今回の相談内容と次回までの約束
約束１：一人で飲むのはやめる
嘔吐するつもりは無くても、お酒に調子づいて暴飲暴食してしまう癖があるように感じます。「禁酒はせず、飲んだ日は8分目、ちょっと物足りないぐらいで飲むのやめて、お茶をいっぱい飲んで終わらせよう」と私は提案。しかし、よくよくお酒を飲む理由を考えたら、一人で飲む場合は逃げ酒に近い側面が大きかったので、「お酒は気持ちよく飲みたいね」と言う結論に至った。そこで、思い切って「一人でお酒を飲むのは禁止」と決断。何かを禁止することで、それがストレスとなって過食衝動が出てしまうことがあるので、なるべく禁止事項は作りたくありませんでしたが、本人が頑張ると言うので、頑張ってもらうことにしました。
約束２：間食は楽しめる量で楽しむ
・飴やチョコを昼間にに３～４個程つまんだり、コーヒーをよく飲んでいる。（ブラック、ミルク入り、砂糖入りにしたりはまちまち）これくらいゆるく間食を楽しめているのはいいことだと思うので、このまま継続してもらうことにしました。
約束３：35kgまでは運動をしない
「休職してからは最低限の家事や買い物くらいでしか動く事が無く運動不足が気になり、悪い太り方（お腹周りばかりに脂肪がつきやすいのではないか等）にならないか心配。」と相談を受けました。しかし、復職が目的であり、今は体重を増やすことが一番の近道なので、今は運動は我慢してもらい、お医者様のOKが出てから(35kgくらいかな？)体力づくりをしてもらうことにしました。
約束４：イラストの趣味を復活させる
「食事にばかり囚われて過ごすのは本当に勿体無い」「もっと違う事にも目を向けよう、自分の趣味を楽しむようにしよう」と思い、家では読書や音楽を聴いて過ごしている。それに加え、「イラストを描くことが好き」とのことだったので、これからはもっと積極的に気が向くままにイラストを描いてもらうことにしました。
私自身、回復の過程でアートを始め、それが自分の特技として自信になり、痩せに代わり「熱中できるもの」として、克服の過程で支えになった。創作活動のような「何かを作りたい」と言うエネルギーは、「生きたい」と思うエネルギーと似ている思うので、私は克服の過程で創作活動はバンバンして欲しいと思っています。読者の皆さんにもね！
あいさんは、早速イラストを描く機材を押入れから引っ張り出したと、先ほど連絡がありました。来週またお話しするのが楽しみです。
