「なぜ/どうして」で自分を追い詰めていませんか

カウンセリングを受ける苦しみのひとつに、

「なぜ/どうして」と聞かれることにありませんか?

 

そして、一人でいるときも

「どうして自分は過食しちゃうんだろう」

「なぜ私はご飯が食べられないんだろう」

と、自分に問いかけては、落ち込んでいませんか?

 

皆さんに聞いてみても、落ち込むと言う意見が大多数!

私もカウンセリングの中で、ここぞと言うときに使いますが、あまり使用しないようにしています。

なぜなら「なぜ/どうして」は、自分のあらさがしをする言葉でもあるからです。

 

今回は「なぜ/どうして」で自分を追い詰めがちな人に向けて、どうしたらその言葉を使わずに済むかをお話ししたいと思います。

 

「なぜ/どうして」が導くもの

1、過去の非

みなさんは、無意識のうちに「なぜ/どうして」を多用していると思います。

特に摂食障害の治療を本気で行なっている人ほど、この言葉を多く使っていると思います。

例えば

「どうしてお母さんと喧嘩しちゃったんだろう」

「どうして過食しちゃったんだろう」

「なんで痩せたいんだろう」

しかし、この言葉で問い詰めても答えが出ることってめったになく、決まって落ち込んでいませんか?

 

カウンセリングでこの問いを発することは、カウンセラー側がそのヒントを知っている場合があるので、答えが出て来なくてもある地点に着地をさせることはできます。

しかし、一人でこの問いを繰り返した場合、答えがないと、どんどん悪い方向に考えてしまいます。

なぜなら、「なぜ/どうして」は、人の過去に非を見いだす言葉です。

例えば、「なぜ過食をしてしまったんだろう」と問えば、過去の自分の粗探しをしてしまいますよね。

2、思い込み

自分一人で「なぜ/どうして」と自分に問いかけて出てくる言葉は、自分の中にしかありません。

つまり、出てきた答えは「思い込み」であることが大半です。

 

例えば「なぜあの人は私のことが嫌いなんだろう」

と自分に問いかけても、

「あのとき、私が失敗したからだ」などと、

相手の本心を確認しないまま、思い込みで理由を決めつけてしまいます。

 

これらの対話に相手がいる場合は、思い込みが偏っていた場合、指摘してもらえる可能性がありますが、一人ではなかなか難しいです。

 

もちろん、なぜと考えることも大切です。

自分を客観視できれば、それなりの答えを導き出すことができます。

 

しかし、なぜと考えても落ち込む一方の時は、この言葉をこれ以上使っても意味がありません。

では、この言葉をどうすればいいのでしょうか。

「なぜ/どうして⇨どうしたら」に置き換える

これ、実は簡単で

「なぜ/どうして」を「どうしたら」に置き換えるだけです。

 

例えば、

「なぜ過食をしちゃったんだろう」
⇨「どうしたら次は過食しなくて済むかな?」

「なぜドタキャンしちゃったんだろう」
⇨「どうしたら次はドタキャンしないので済むかな?」

こんな具合です。

 

なぜなら、「どうしたら」はポジティブに未来を想像させる言葉だからです。

つまり、「なぜ」は過去に答えがあることに対し、
「どうしたら」には、過去に答えがないから必死に答えを想像します。

そして、人はできるだけ「楽」をしたいと思っているので、
「どうしたら楽できるか、失敗しないか、成功できるか、楽しくできるか」を
前向きに物事を考えようとします。

 

そして、答えが出て来ない時は、いくら自分に問いかけても答えがありません。

だから、周りの人に聞いたり、自分で調べます。

そうやって世界は広がっていくのです。

 

先ほども言いましたが、「なぜ」も大切な問いです。
特に過去にトラウマや過去の経験から考え方の偏りがある方は、この「なぜ」を使ってその根っこを紐解いていくことも治療の一つです。

しかし、これは苦しい作業でもあるので、なるべく専門家のもとで行うほうがストレスが少ないでしょう。

 

一人で考える時は、必ず最後に「じゃあ、どうやったら?」と自分に問いかけ、ちょっと生活が楽しくなるようなアイディアを巡らせることをおすすめします。

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