私はよく、摂食障害の克服には、「五感を満たして、日常を充足させることが必須だよ!」というお話をします。
しかし、ダイエット100パーセントの生活を送ってきた摂食障害さんの多くは「やりたいことなんてわからない!」って思ってしまうんですよね。
では、今回はやりたいことがわからない人にむけて、やりたいことを見つけるヒントをお話しします。
やりたいことがわからない原因
摂食障害さんが「やりたいことがわからない」という現象には3つの原因があります。
・潜在意識と健在意識のズレ
・低体重、低栄養
・圧倒的知識不足
一つ目は、以前お話しした「潜在意識と顕在意識のズレ」にあります。
簡単に言うと「やらなければならないこと」を優先するあまり、「やりたいこと」がわからなくなるというお話しです。
そして2つめの原因は「低体重、低栄養」の影響です。
現在、低体重または栄養状態が悪い方は体が飢餓状態になり、本能的に食べること以外に興味が湧かない状態です。まずは体の栄養状態を整えることが第一です。栄養状態を整えながら、食事以外へ興味を持つ工夫をしてみましょう。
(私も摂食障害真っ盛りの時は、やりたいことがないというより「食べること以外に興味がわかない」という状態でした。だから、暇さえあれば食ツイを見たり、パン屋さんを紹介しているブログばかりを読んでいました。)
▼体の栄養状態を整える方法
3つ目の原因は「圧倒的に知識が足りない」ということです。
今回は3つ目について詳しくお話しします。
知識不足に陥る人の特徴
知識不足に陥る人の特徴をまとめると、
- 何かに興味を持とうとして調べない
- 自分の知っている世界がすべてであり、正しいと思っている
- やりたいことはあるのに「初めからできない」と否定したり、思い込んでいる
やりたいことがわからない人のほとんどは、圧倒的に知識が足りない場合が多いです。
それなのに、自分の足りない知識の中だけで、やりたいことを見つけようとするので、いつまでたっても好奇心が刺激されないんですよね。
一つ補足しておくと、「知識がない」というのは勉強ができないということではなく、世の中にあるもののボキャブラリーが少ないということ。
つまり、情報が偏っているんですよね。(摂食障害の方のほとんどがダイエット情報ばかりに注目していたので無理もないでしょう。)
また、摂食障害さんの場合、認知の歪みによって自己否定的、悲観的にになりやすいので、気持ちが冷静な時にやりたいことを見つける練習をしましょう。
やりたいことを増やす5つのコツ
では、やりたいことを増やすコツ3つを紹介します。
Level1、「情報」を取りに行く
例えば、ニュースを見て、そこから少しでも興味を持ったものを深掘りして検索したり。
映画を見て、そこからその時代背景を調べたり、映画監督を調べたり。
憧れの人がフォローしているinstagramのアカウントを見て、自分がふだん見聞きしている世界とは違うものを見てみたり。
普段と違う情報を得るためには「意識的にアンテナを張ること」が大切。ここは努力が必要な領域です。
「自分が見ている世界は、世の中のごく一部なんだ」という事実を知ることは怖いことでもありますが、もっと世界は広いということを知るだけで、自由になれることもあります。
Level2、「やりたくない」ことを明確にする
やりたいことを見つける方法の中に「やりたくないことから考える」方法があります。
その方法はとっても簡単!
- 「これだけはやりたくないこと」を書き出す
- (1)のやりたくない理由を書く
- やりたくないことが明確になった上で、やりたいことを考える
「やりたくないことをやらないんだったら、これがやりたいな」というふうに、消去法で考えると、案外やりたいことが思い浮かんでくるものです。
Level3、コンプレックスを書き出す
「料理が苦手、英語が苦手、顔が嫌い…」など、自分がコンプレックスだと思っていることを書き出してみましょう。
コンプレックスを見つめ直すと、それが自分の本当に望むことの裏返しなものです。
つまり、コンプレックスを乗り越えたいという願望があるはずなんです。
だから、試しに専門家の元へ行ってみましょう。
例えば、料理教室に行ったり、英会話を習いに行ったり、メイクレッスンを習いに行ったり。
そこから、本来の自分や新しい自分を見つけられるものです。
トライアンドエラーで深める
やりたいことが何となく決まったら、まず「1回」または「一定期間」やってみましょう。
もしそれが失敗してもいいじゃないですか。それは自分には合ってなかったということが経験として学べます。
何事も、トライアンドエラーで、自分に合ったものが見つかっていきます。
そして、やりたいことをとりあえずやってみて、自分に合ってるかもしれないと思ったら、「深めていきましょう」。
やりたいことは行動することで解像度があがります。つまり、どんどん自分のものになっていきます。この解像度のあげかたについては、カウンセリングなどで教えますので、気になる方は、カウンセリングの際に聞いてくださいね。