生理がないままでいい?無月経がもたらす弊害

「生理がないのはダメなこと?」というような相談を数多くいただきます。今回は、生理についてまとめてみました。

無月経で起こるトラブル

「生理が止まる」というのは、低体重の一つの指標です。このようなイメージもあり、私は拒食の頃「生理がないこと=痩せている」と実感できることが嬉しかったです。非常に歪んだ考え方ですが、きっとそう捉えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まず、無月経の状態を解説します。

無月経は、閉経後と同じような状態が体に起こります。(ちなみに閉経の平均年齢は50才ですが、最近は30代で閉経を迎える早発閉経の人が増えているそうです)

閉経で起こるトラブルとしては、

  1. 妊娠・出産ができない
  2. 生活習慣病のリスクが高まる
  3. 骨粗鬆症のリスクが高い
  4. 代謝が落ちる
  5. 女性ホルモンが減ることでコレステロール値が上昇

3〜5は女性ホルモンの減少によっておこります。

特に私は「痩せていることがすべて」だったので、「閉経後は代謝が落ちて体重が増えやすい」という事実にショックを受けました。

事実、閉経すると女性ホルモンが減り、脂肪が分解されにくくなります。

そのため、無月経の間は代謝がいい状態とは言えず、省エネ体質を自らつくっていることになります。

 

また、生理が復活すると「びっくりするくらい過食欲求が減った」と話すクライアントさんが多いです。つまり、ホルモンバランスが整うと、食欲が安定する効果もあるのだと感じています。

無月経の治療

痩せて女性ホルモンが減少している状態なので、3ヵ月以上生理がとまると、ホルモン剤や注射でホルモンを補うことで、生理を起こさせる方法が取られます。

しかし、、単純に女性ホルモンを足せば良いわけではありません。

「生理がない=生命が危険な状態」と体は判断しているので、その状態でホルモン剤を投与すると、体に大きな負担をかけてしまいます。

そのため、体力が十分に回復してからホルモン治療を行うことが診療ガイドラインでは提唱されています。

産婦人科に行ったとしても、まずは「適正体重まで体重を増やしましょう」と言われることが多い印象です。

 

つまり、ある程度体重が回復してから月経の再開を目指すことになります。

したがって、本気で生理を戻したいと思うのであれば、まずは体重増加を許すことが第一歩になります。

生理が止まる体重の目安

低体重になると生理が止まると言われていますが、具体的に何キロかというのは体質にもよるので一概には言えません。

私の場合、今まで生理が止まったのは2回。16歳から17歳の拒食で入退院を繰り返していた時期と、20歳頃の拒食と過食嘔吐の時期。

どちらも154cm42kgを下回った頃から、ピタッとこなくなってしまいました。

私の場合、標準体重の8割を切ったら生理が止まったと分析しています。私は154cmなので41.6kgがちょうどそれに値するのでだいたい重なりますね。(医学的な根拠はなく、体質にもよります)

また、体脂肪が17%になると生理が始まると言われているので、それを下回ると無月経になる可能性が高いでしょう。(ちなみに女性は20-25%が望ましいとされています)

私は生理が止まった時、初めはやばいと思ったけど「生理がなくて楽ちん」「痩せている方が幸せ」という考えだったので、特別怖くなったりしませんでした。

今思うと、非常に安易な考えでした。

私は幸いにも産婦人科に通わなくても、42kgを超え始めた頃から自然と生理が復活しました。

しかし、SNSを見ていると、病気が完治した後も生理不順が続いたり、薬を飲まなければ生理を起こせない方もいるので、私はラッキーだったのだと思います。

子どもが欲しいと思った時に手遅れにならないために

確かに、生理がない方が生活する上で楽になることが増えます。

例えば、生理がくるとお腹は痛いし、ナプキン変えるの面倒だし、旅行に行くのが億劫ですよね。

だから、「生理が来なくてもいい」と思ってしまって当然だと思います。だから、「太ってまで生理を戻したくない」と思っている方がいるのであれば、それはそれでいいと思います。それぞれの価値観ですしね。

ただ、私は「生理はあったほうがいい」という立場をとります。

というのも、「将来、子供が欲しいと思った時に、妊娠できる体でいることは幸せ」だと考えるからです。

私は運がいいことに結婚し、夫との子供が欲しいと思うようになりました。そのとき、生理があったからこそ、子供が欲しいと願う選択肢を持つことができました。

幸いにも私は2人の子どもの母になることができました。

もし、今は「生理こなくてもいいや」と軽視したり、諦めている人もいるかもしれません。

でも、治って、大好きな人ができて、その人との間に子供が欲しいと思った時に、手遅れになって欲しくないな、というのが個人的な意見です。

「その時に産婦人科に通えばいい」と思っているかもしれませんが、不妊治療はものすごくお金がかかるものです。
私は現在31歳ですが、不妊治療を始めた友人や、卵子凍結をして今後の出産に備えている方が数多くいます。子供を持つことが幸福の象徴ではありませんが、もし好きな人と愛し愛される関係になったときに子供を持つ選択肢がなくなるような状態というのは、少し悲しいと思います。

低体重でいる安心感より生理がこない危機感を覚えて欲しい。

摂食障害という過去で、未来の幸せを諦めて欲しくない。

 

というのが本音ですが、みなさん、今すぐに「子供を欲しい」とは思えないはずなので、生理がないことに危機感を感じることは難しいですよね。

だから治療のアプローチとしては、

・生理がこないことによって太りやすくなる
・生理がくると過食が止まりやすくなる

ということを理解してもらい、それと同時に、今痩せていることで感じているデメリットをあげて、それを改善することをモチベーションに克服を促していけたらと私は考えています。

ーーーーーーーー
▼摂食障害のブログ一覧(1日1ポチが励みになります)
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へ
にほんブログ村
▼無料メルマガ/特典プレゼント
メルマガ登録
▼個別相談/カウンセリング
カウンセリング詳細
▼卒業生の1年後
インタビュー記事

関連記事

  1. 治療中の「転移」の活かし方

  2. 痩せているのにぽっこりお腹(写真あり)

  3. vol.2:病気と共存するのではなく、完治させる

  4. 自分で決断することを避けていませんか?自己決定が幸福をつくる

  5. 標準体重なのに、食事がうまくできない

  6. 【当事者リアル】SNSを見ていて、落ち込むとき