「拒食の回復期は何を食べてもいいの?」
「同じカロリーを摂取するならお菓子じゃダメ?」
そんな質問も多く寄せられる中、私は口を酸っぱくして「適正エネルギー量3食×体の声を聞いて食べる」とお伝えしています。
それには理由があります。
止まらぬ過食で悩んでいる方、拒食からの回復期で何を食べたらいいかわからない方、ぜひ下記を読み進めてください。
3食バランスよく食べた方がいい理由
飢餓や栄養不足によって過食欲求が生まれる
私が「栄養バランスを整えて食べた方がいいよ」と言っているのは、過食欲求を予防するために他なりません。
体は栄養不足になると、飢餓状態から脳が省エネモードの指令を出します。その結果、食欲が増したり、省エネ体質になります。
1、拒食や栄養不足による飢餓状態
頭の中は常に「食べたい」でいっぱい
↓
2、しかし、栄養が入ってこない・食べても嘔吐する
↓
3、脳が省エネモードを出す
限られた少ない栄養で生き延びようとする
↓
4、過食欲求がわく
脳が栄養を取り込もうと食欲を増進させる
※上記を繰り返すと、省エネ体質になる
少し食べただけで太りやすくなる
つまり、定期的に栄養を与え、脳の「省エネモード」を解除するしかありません。
▶︎ポイント1:三大栄養素+ビタミンミネラル
栄養というのは、三大栄養素+ビタミンミネラルです。
カロリーではなく、「炭水化物」「タンパク質」「脂質」「ビタミンミネラル」を摂ることを意識しましょう。
「お菓子」や「ジャンクフード」は「エンプティーフード」と言われるだけあって、体が必要とする栄養は含まれていません。
ですので、これらでカロリーを取っていても体は栄養で満たされないので、過食欲求は治りません。
ただ、省エネモードを解除するには、摂取カロリーが満たされて初めて正常に脳や体が機能します。相対的にカロリーが足りていないのであれば、まずは総カロリー量を見直してください。(目安は1600kcal〜2400kcalくらいは食べても大丈夫です。)
これは私の経験談なのですが、会社員時代、カロリーは1500kcalほど摂取できていましたが、内容はカロリーメイトやチョコレートなどお菓子中心。そんな生活を2年間送り、43kgから52kgまで増えました。(過食嘔吐も週1〜2回していました。)
恐ろしいことに、これが週5日のスタンダード。
土日は友達とご飯に行くことが多かったので栄養のあるものを食べていましたが、2年間で約9kg増量。とほほ〜
しかし、食事を改善したタイミングで過食嘔吐は月に1回程度になり、体重も半年で2kgほど減り、さらに3年経った現在は48kgくらいで、ピークよりも5kgくらい自然と減りました。
▶︎ポイント3:自然なものを食べる
まず、満腹や空腹を感じられるようになるまでは食事トレーニング期間と考えて、「3食三大栄養素とビタミンミネラル」を意識した食事をしましょう。
その上で、私はオーガニック信者でもビーガンでもありませんが、「なるべく自然なものを食べる」ことをおすすめします。
なぜなら、スイーツやジャンクフードは中毒性があり
そればっかり食べると食欲が安定しない摂食障害さんは依存しやすくなるからです。
しかし、極端に避けると食べたい欲求が増す可能性を否定できません。
人は我慢すればするほど欲求が強くなるものなので、
適度に食事に取り入れることをお勧めします。
私自身も、3食質素な野菜中心の生活をしすぎたせいで
ジャンクフードの過食欲が出ては過食嘔吐をしていました。
しかし、適度に食事に取り入れるようになると
嘔吐前提の過食が減りました。
だから、3食のうち、1食はラーメンにしたり、ピザにしたり、おやつにスイーツ食べたりしてもOK!
ジャンクフードだからと言って、1食くらい食べたからって太りませんよ!
あくまでも「ばっかり食べ」が体に良くない&太りやすくなる&依存しやすくなるだけです。
カロリーのない「人工甘味料」は過食欲求を生む原因になるのでやめましょう。
なぜなら、
1、甘いものが食べたくなり、人工甘味料のものを食べる
↓
2、舌で甘さを感じるけど、実際はエネルギーゼロ
↓
3、脳が混乱する エネルギーゼロで生き延びようとする
↓
4、脳がさらに糖を取り込もうと食欲を増進させ過食欲求がわく
カロリーゼロの人工甘味料を食べた結果、
脳が混乱してさらに甘いものが欲しくなります。
だから、カロリーゼロの食べ物を食べても
満足しないからどんどん食べてしまいます。
身に覚えある方もいるのではないでしょうか。
▶︎まとめ:適正エネルギー量×三大栄養素を意識した3食×体の声を聞いて食べる
まずは食欲を安定させるためにも
「適正エネルギー量3食×体の声を聞いて食べる」を心がけましょう。
1.摂取する総カロリーが足りている
2.栄養のないジャンクフードでカロリーを満たさない
3.許可食など、マイルールに縛られて、好き嫌いで食べ物を選ばない
(〜は太る、〜は太らないで選んでいると、本当の食欲がわからなくなります)
※体の声を聞くについて
拒食回復期の方の食事について
しかし、低体重で拒食だった方、いわゆる拒食回復期の方へのアドバイスは少々異なります。
下記記事でポイントをまとめました。
満腹を感じ、過食衝動を乗り越えるトレーニング
食事がとれない状態からある程度食べられるようになると、今度は「もっと食べたい」という過食欲求を感じることがあります。
特に摂食障害の方は「空腹・満腹」に鈍感です。
その際に、「体の声を聞いて食べる」というトレーニングをしてみましょう。
過食衝動がなくなった後の食事は?
過食衝動も落ち着き、ある程度の体重まで落ち着いてきているのであれば、1食抜いたり、1食スイーツで済ましても全然構わないと思います。
私も人のこと言えないくらい栄養バランス偏った生活してますし。
ただ、それが可能なのは、栄養バランスを考えた食生活で習慣づくりをし、体重が標準近くまで回復し、過食衝動がほぼなくなったからできるのです。つまり、普通の食欲で自分の食事をコントロールできるようになったから可能なのです。
「過食衝動がまだあるな」と感じるようであれば、栄養バランスを考えた3食のトレーニングが結果的に過食を減らす近道になると思います。
ただ、栄養バランスといっても、だいたい一汁三菜を用意すればいいと思うので、ガチガチに考える必要もないと思います。
初めのうちはなれない食事でストレスになることもあるかと思いますが、過食をなくすトレーニングだと思って、まずは1週間続けてみてください。