チューイングという言葉に馴染みがない方もいるかもしれませんが、チューイングとは「食べ物を噛んで、飲み込まずに吐き出す行為」をさし、摂食障害の一種です。
チューイングに悩んでいる方は、「嘔吐ができないから」という理由でチューイングの方法をとる方が多い気がしています。
そして、「チューングは太らない」と考えている方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
正しい知識を取り入れることで、克服するきっかけになると嬉しいです。
チューングとは
チューイングは摂食障害ですが、周りの人に気づかれない傾向があります。
なぜなら、誰にも見られていない自室で、大量の食べ物を噛んではビニール袋やバケツなどに吐き出します。過食嘔吐のようにトイレに籠もる時間もないため、一緒に住んでいる家族でも気づかない場合がが多いようです。
チューイングは摂食障害の一つといえますが、隠すことができたり、体力的な負担が少ないため重要視されづらい側面があり、受診が遅れがちな印象です。
しかし、チューイングから過食嘔吐につながることもあります。
チューイングも根本は過食嘔吐と同じく依存症であり、「たくさん食べたいけど、太りたくない」という気持ちが根っこにあります。
チューイングによる体への影響
チューイングは、「食べたものを噛んでも飲まなければカロリーをとらずに済む」と思い、ダイエット法として行う人が増えているようです。
しかし、実際には体のさまざまな悪影響を及ぼします。
1、血糖値が上がる
食べ物を口に入れて咀嚼を繰り返すと、唾液や胃液がしっかりと分泌され、血糖値が上がりやすくなります。そして、消化のために胃酸を出したり、血糖値を下げるためにインシュリンを分泌したりします。
2、食事コントロールができなくなる
咀嚼する事で脳は「今食事をしている」って認識をしますが、胃に何も入ってこないことから「食べたのに栄養が入らない」と脳が混乱します。そして、食欲のコンントロールが効かなくなります。
そうなると、常に過食欲求に悩んだり、チューイング以外では食べ物を口にできなくなる場合もあり、摂食障害の重症化を招きます。
3、太りやすい体になる
「食べたはずのものが胃に入ってこない」ことで脳が異常を感じ、代謝機能を低下させ、食べなくても太りやすい体になってしまいます。
4、鬱症状の悪化
チューイングがやめられなくなると、自律神経が乱れ、精神的にイライラや不安、うつ症状が出ることもあります。
5、顔が大きくなる
顎に負担がかかり顎関節症になったり、唾液の分泌が盛んになることで、唾液腺が腫れ、えらがはったり、フェイスラインが変わります。
「食べてそのまま口に出すだけ」と思って始めると、思わぬ罠が待っています。
まずはこの事実を受け止めましょう。
チューイングの克服方法
基本的に、過食嘔吐の治療と同じです。
認知行動療法を基本とし、心の問題に向き合いながら、行動を変えていきます。
(1)チューイングを引き起こす引き金をチェックする
(2)正しい食事の知識を学ぶ
(3)チューイング以外で自分を満たすものを探す
チューイングも立派な摂食障害です。
治療をおろそかにせず、きちんと自分に向き合う時間をつくることから始めましょう。