入院の基準。退院後が本当の勝負?

体がしんどくて入院を考えている方、お子さんが低体重で入院させようか悩んでいる親御さんに、参考になる記事だと思います。

今回は、入院の基準についてと、退院後の治療について書いています。

入院の基準

私の経験はこちら。行動制限の内容も書いています。

まず、入院の判断は医師によってされるので、私は明確なことが言えませんが、基準としては命の危険性があること。

こちらのサイトによると、低体重による症状として、脈拍数の減少、低体温、低血圧、骨量減少や骨粗鬆症、貧血などの造血機能低下、ナトリウムやカリウムといった電解質異常、肝機能障害、低血糖、歩行困難や起き上がれないなどの運動障害、意識障害が挙げられます。(死亡率は6~20%)

・標準体重の75%以下では成長期では成長障害を生じ、成人では骨粗鬆症が悪化。

・標準体重の55%以下のやせでは、重篤な身体合併症である意識障害や運動障害の発生頻度が40%にまで高まる。

・標準体重の50%未満では約60%に低血糖による意識障害が認められます。

その他、体重以外の点で、検査で健康に異常が見られる場合、家族の協力がえられない場合、自傷や自殺行為の危険がある場合は入院が必要になる場合があります。

入院中は前向きだったのに、退院後に悪化してしまう

「入院中は順調に体重が増えることを許せたのに、退院後にまた食べる量を減らしてしまったり、体重を気にしてしまう」というお悩みがあとを絶ちません。

このような悩みが出たからといって、入院治療が失敗だったわけではありません。その理由を下に書きます。

入院はまずは体の治療をする場所

退院後に、症状がぶり返すかのように、拒食が再発してしまう。私も3度入院しましたが、初めの2回は、退院後の1週間で体重は元どおりになってしまいました。

入院中は、「●kgまで増えなきゃ退院できない」という目標を課されることが多いです。それを達成できなければ退院できなかったので、前向きになれたのでしょう。

だから、病院では病院食に加え、自分で買ってきたお菓子も食べれたし、体重増加を素直に受け入れることができました。

それは病院という場所が、心の治療よりも「体の治療を優先させる場所」、または「心の治療には時間がかかる」から。

たとえ半年入院しても、そう簡単に「歪んだやせ願望」まで価値観を治すことって難しいんですよね。

私は、「入院した倍の期間は葛藤が続くよ」とカウンセラーさんに言われたこともあるくらい、心の治療には時間がかかるものとされています。

しかし、低体重からの摂食障害の治療は、まずは命を救うことが第一。また、自分と向き合うほどの体力がなく、心の治療=カウンセリングをしてもあまり効果がないからです。

退院後は現実に向き合う必要がある

入院生活は、いわば守られた世界での生活。外界からシャットダウンされ、現実世界と向き合う状況から離れ、休養に専念できます。

しかし退院すると、急に現実の世界が待っているんですよね。

「学校に行かなければならない」「友達と食事をしなければならない」「周りの子がダイエットしている」「復職を考えなければならない」などといった刺激がわんわん入ってくる。

そして、退院後に体重をまた気にするようになったり、減らそうとしてしまうのは、現実の問題から目を背けたいから。

壁にぶつかったり、自分の思い通りにいかないことに出会うと、唯一コントロールできる体重に執着し始めるのがこの病気。

痩せているということに安心感を覚えたり、体重をコントロールできているという達成感を得ようとしたり。

現実にうまくいかないことを痩せをコントロールすることで、満足しようとしているのではないでしょうか?

 

そこで大切な考え方は、「現実の問題」と「食べる食べないの問題を切り離して考える」ということ。

そこがクリアできないと、壁にぶつかるたびに痩せに執着してしまいます。

私はここでつまずいて3回も再入院してしまいましたが、3回目の退院でこの現実にやっと向き合うことができました。

退院できたということは、ある程度自分と向き合う体力があると認められた証拠。体重増加を頑張れた次は、自分自身に向き合って考えてみましょう。

参考

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