自傷としての過食〜摂食障害と自傷行為〜

今回は自傷行為についてお話しします。

自傷行為とは

摂食障害の方々のSNSを眺めていると、リストカットをしたり、アムカをしたり、ODをしたりする方を見かけます。このような自らの身体を意識的・無意識的に傷つけることは一般的に「自傷行為(Self harm)」と呼ばれています。

自傷をするのは10-20代の女性に多く、現在、約10 人に1人の若者が自傷行為をすると言われていますが、若者に限らずどの年齢でも起こります。

※自傷行為の例 :リストカット、アルコールや薬物の乱用、異物を飲み込む

計画的に自傷行為をする人もいますし、突発的にしてしまう人もいます。中には日常的に自傷行為を繰り返している人もいて、その場合には自傷行為をやめることは難しくなります。

また、リストカットはPTSD、境界性人格障害、摂食障害などの精神的な病気とともに生じることもあります。

自傷の原因

自傷行為をする人の多くは、耐えきれないほどの苦悩や困難な状況に悩んでいることが多いです。

それらによる悲しみや怒り、孤独感や劣等感などの感情がたかぶり、その気持ちを抑えるために自らを傷つけると言われていますが、直接的な自傷をする理由は人によってことなります。

自傷をする直接的な動機

現実感を味わうため、現実から離れるため、周囲の目や気を引くため、儀式として、助けを求めるため

自傷をしやすい環境

自傷をする動機を後押しするのが、その人を取り巻く環境です。

周囲の人が話をきいてくれない、孤独感・孤立感を感じやすい、家族が精神疾患・虐待をする

動機や環境の共通点は一概には言えませんが、共通して言えるのは、日常的に相談したり頼れる相手がいないことで、ひとりで悩みを抱えてしまい、その行き場の無さから自傷に走ってしまいます。

自傷と摂食障害

さて、自傷行為と摂食障害は非常に近い関係にあると思います。というのも、摂食障害の「食べない」「必要以上に食べすぎる」「嘔吐」という行為は、自分を苦しめることに他なりません。

こうした自分を傷つけてしまう行為の根っこには、そうしなければならないほどの「生きづらさ」があるでしょう。そういう意味でも、摂食障害の治療をすることで、自傷行為が落ち着く人は多くいます。

自傷を克服するためのヒント

自傷行為に対し、どの治療法が一番効果があるかはまだ十分な科学的根拠がありません。しかし、認知行動療法は効果が期待できるとされています。

認知行動療法を取り入れたカウンセリング

また、自身でケアをすることもできます。そのヒントをまとめてみました。

人に話を聞いてもらう

おそらく普段から人に頼ることを遠慮してしまうのでなかなか人に話しづらいと思います。その場合は匿名の相談できる機関を利用したり、カウンセリングを利用してみましょう。

苦手な人から離れる

周囲にいる苦手な人が原因で自傷を行いやすいのであれば、その人から離れましょう

リラックスできる方法を探す

自分が一番居心地がいいと感じる環境を整えましょう。たとえば、リラックスできる音楽をかけたり、好きなアロマをたいたり。五感をつかって気持ちよくなれる方法を試してみましょう。

他の発散方法を見つける

自傷に変わるストレス発散方法を探してみましょう。例えば、冷たいシャワーを浴びるなど。

整理する

自分のことを客観的に把握するために、日記を書いたり、気持ちを紙に書き出してみましょう。それを誰かに見せる必要はありません。

 

周囲の人ができること

受け止める・話を聞く

とにかく、自傷をしている本人を「受け入れる・受け止める」ことが大切です。肯定も否定もせず、あなたの考えを加えず、ただただ本人の言いたくても言えなかった話を聞いてあげてください。

自傷行為は死に至らない程度に自ら抑えられるとも言われていますが、15 年以上自傷行為を続けた人の約 100 人に 3 人が実際に自殺に至ります。この危険性は年齢が上がるにつれ増し、男性でより高いと言われています。

ひとりで悩まず、匿名で相談できる場所を頼ったり、専門家を頼ったり、私でよければ話を聞かせてください。

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