同じ状態は長くは続かないという真理

2022年も残りあとわずか。
 
あまり現実を直視したくないかもしれませんが、この機会にぜひこの一年を振り返ってみましょうか。
 

2022年、あなたは回復しましたか?

 
ということで、「この1年間、あなたは回復したと思いますか」という質問を、Instagramで当事者のみなさんに聞いてみました。
 
 
回復していると感じられる方は4割にとどまっていますね。
 
回復している人の意見を聞いてみました!
みなさん、自分の良い面に着目できていて素晴らしいですね!
 
 
 
一方で、あまり変化しない・悪化したと感じている人もいらっしゃいました。
 
 
 
うんうん、どうしても自分の悪い面ばかりがめについてしまいますよね。
 
でも、いつもいうことですが摂食障害は「認知の病気」と呼ばれるほど、悲観的で自己否定的な考え方に陥っています。
 
きっとここで「変わらない・悪化している」と回答した人はどうしても「自分の悪い面」をみてしまう考え方が強いのだと思います。
 
ただ、「変わらない人」はいません。
この「変わらない・悪化した」を回答している人に対して、今日は私から3つのことをお話しさせてください。
 

【1】結果ではなく「回復しよう」と試行錯誤する過程に価値がある

 

私の質問も悪かったかもしれませんが、「何をもって回復か」というのは、人それぞれであり、回復の定義は非常に曖昧なものです。

確かに、わかりやすい結果(例えば、食事の量が増えた、体重増加ができた、過食嘔吐が減った)が出ていなければ、回復と捉えられるでしょう。

でも、摂食障害は心の病気です。つまり、症状は「食べる・食べられない」ですが、本当の回復は「心」を見ていくべきだと私は考えます。

だから、いくら症状が悪化したとしても、心が変化していることってきっとあると思います。例えば、体重増加を許せるようになった、嫌なことは嫌と言えるようになった、家族に本音をぶつけられるようになったとか。

そういう、ちょっと「わがままになったかも」と思うようなことも、実は回復のために大切だったりします。

「食べられるようになる・体重を標準にする・過食嘔吐を減らす・脅迫行動を減らす」は、確かに素晴らしい回復の証です。

しかし、それだけが回復のではないということを覚えておいてください。

 

そして、一番大切なことは「回復したい」と思っていることです。

こうやって私のブログやYouTubeを見てくださっているということは、その気持ちがある証だと思います。
 
そう、すでに思えていることが価値あることです。
 
だから、その気持ちを育てていけるように、来年も一緒に頑張りましょう。
 

【2】症状は変わらなくても、内容は変化している

一括りに「拒食」「過食嘔吐」と言ってしまいがちですが、その中の内容って人それぞれであり、一人に焦点を当てても、その内容は数ヶ月単位で変わっているはずです。

思い返してみれば、拒食の時期も、吐けない過食の時期も、過食嘔吐の時期も、必ず1年ごとに色が変わりました。

例えば私の場合、過食嘔吐の時期は約8年ありましたがその中で1年目は引きこもりのどん底期。

過食嘔吐の時期って、食べたら吐き、そしてまた胃の空いたスペースを埋めるように食べて、また吐いてしまう。永遠にこの負のループに入ることはめずらしいことではないはず。

もうね、途中で吐いている時から、体ごとトイレに流されたかった。そして、人生の泥沼期は1日4回の過食嘔吐が日課になり、約1年くらい引きこもって、過食嘔吐で1日が終わってました。

2年目も過食嘔吐は続いていましたが、パン職人の修行をして過食嘔吐が少しマシになりました。

3年目は受験生で10kg痩せて、過食嘔吐の回数は週2日程度になりましたが、計画的に過食嘔吐をしていました。

4年目は大学生で社会復帰。さらに8年目はOLになり、それぞれ状況に合わせて過食嘔吐が良くなったり悪化したりを繰り返しました。

 

1日単位で見れば、何も変わらないような日常でも、1年前と比べてみれば、必ず内容も、そして、自分自身の置かれている状況は変わっているはずです。

劇的な変化というのは、1日で期待できるものではありません。みなさんも経験済みかもしれませんが、過食を治そうと思っても、次の日に症状がゼロになるものではないように。

私自身、「克服した」と感じたのは、症状ゼロが続いて1年ほど経った頃でした。そう考えると、回復とは「今」わかるものではなく、振り返ってからわかるものです。だから、変化のない自分に嫌気がさしても、1年後振り返ってみたら、その時も回復の過程にあったのだと気づくはずです。

【3】どん底だからこそ、プラスのエネルギーが湧く

最後に、「どん底だからこそ、変化するチャンスがる」という話をさせてください。

人生はジェットコースターのようで、いつまでも下がりきることはなく、降下したら必ず上昇するもの。

それは私の人生経験からいえば事実であり、一つの不変の真理だと思います。

変化のきっかけというのは、落ちて落ちて落ちまくったどん底のときに「もうこんな私キライ」と思い、「変わりたい」「頑張ってみたい」と、どん底だからこそ、前向きのエネルギーが湧いてくるものだと思います。

そうなってしまえば、こっちのもの。そのプラスの波に乗ってしまえばいいだけ。

もちろんその波乗りは失敗するかもしれない。自分に合ってないかもしれない。

でも、それでいいのだと思います。失敗するということは、挑戦した証。失敗する権利は、挑戦したひとにしか与えられません。

だから、挑戦するということは、それだけで素晴らしいことです。

 

そして、一番大切なことは失敗することで、自分のことを理解できます。

自分は何が好きで、何が苦手で、何が得意か。

それは、失敗を繰り返しながらわかっていくものです。

 

摂食障害になる方は完璧主義の方が多い。私たちは人一倍、失敗するのが怖いのです。私もそうだし、今でもそう。先取り不安をして、行動する前にあれこれ気に病んでしまいがち。

でも、その不安の殻を一緒に破っていきませんか?

人生「絶対」ということはないのだし、正解もありません。

選んだ道を正解にすればいいのです。

どん底まで落ちたらチャンスです。浮上する波を感じるまでずっと待ち、今だと思う瞬間に身を任せてみましょう。

 

1月は社会全体として、落ち込みやすい時期です。

あたたかくして、できるだけ自分の優しくして、心のエネルギーを貯める月にできたら良いなと思います。

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