克服を決めたら、頑張る前にまずやること

摂食障害さんが陥りがちな克服の罠

摂食障害さんは、誰かに評価されやすい目標に向かって、努力することが得意です。

しかし、頑張りすぎてしまう限界がきて、摂食障害になってしまった方が大半です。

 

そして、摂食障害さんは、もともと努力家なので「自分の努力が足りないから、病気が治らないんだ」「人よりも何か上手くできれば自信がつく」「努力して自信をつければ克服できる」と思い込み、何かしらを常に頑張らなければならないと焦ります。

でも、心の病気は脳の疲労でもあります。
頑張りたくても、頑張れるほどの心の体力がありません。

だから、何も頑張る気力がないから、何も手につきません。そりゃそうですよね。

心の病気の回復のためには、心と体の休息がマストです。

効果的なカウンセリングのためにも、まずは休養が大切とされています。

しかし、そんな頑張れない自分を受け入れることができず、常に「何かしなければ」と思うので、いつまでたっても心が休まりません。

だから、とりあえず摂食障害の声に任せて、コントロールしやすい食事や体重管理を頑張ろうとしてしまうんですよね。

そう考えると、「何かを頑張ろうと思うから、病気が悪化してしまう」のです。

克服の鍵は、無理な努力を止めること

では、摂食障害を治すためには何を頑張ればいいのでしょうか。

私の一つの考えとしては、自然治癒力を働かせるための努力が大切だと考えます。

人間にもともと備わっている能力の一つが「自然治癒力」です。自然治癒力は人間が本来もつ生命力であり、人は生まれながらに自分自身の体や心を癒し、前進していく力を持っています。

心の病は、自然治癒力が過度なストレスを癒すことができなくなり、処理不能になっている状態です。そのため、自然治癒力を働かせるためには、何かを「プラス」して努力するのではなく、ストレスを「マイナス」にすることを先に行うことが鍵になります。

1st step:無理な努力を止める

1.高い理想を見直す

摂食障害さんは自分自身で自分の価値を評価できない代わりに、まわりからの評価を求める傾向があります。

そのため、高すぎる理想を目指す方が大変多いです。

 

しかし、その理想は健康な人でも辿り着くのが難しいほど高い場合が大半です。

 

回復のためには、高すぎる理想を見直すことが鍵です。

 

2.無理なものは無理と受け入れる

摂食障害の方は努力家なので、大抵のことは努力すれば叶えることができました。
そのため、あきらめることや、何かを終わらせることが苦手です。

しかし、世の中には叶えられないこともあります。

まずは、現時点の自分には叶えることが難しい現実を受け入れていく必要があります。

3.自分を幸せにしない「管理すべきこと」を手放す

高い理想や、無理難題な目標を自分にかしがちな摂食障害さんは、自分自身をコントロールしようと、あらゆることを管理しようとします。

しかし、評価を得るために努力することは、必ずしも自分を幸せにするわけではありません。

まずは、今自分自身を苦しめている「管理しなければ」と思い込んでいるルールを手放していく必要があります。

2nd step:環境を整える

人は環境に依存する生き物と言われています。つまり、自分に合わない環境に身を置けば、ストレスが溜まって当然です。

例えば、アルコール依存症の父親がいる家庭、不良ばかりの学校、パワハラする上司のいる会社。

これらの環境に身を置けば、どんな人でも安心して過ごすことができず、鈍感力を鍛えない限り、ストレスを溜めてしまいます。

これと同じように、今自分の置かれている環境の中で、自分にとっては何がストレスになっているかを把握しましょう。

ポイントは「自分にとって」です。

誰かにとってとか、社会的には恵まれていることだから、と思い込んでストレスをストレスと思ってはいけないと決めつけていることってあると思います。

「自分にとって、どんなことが負担になっているか」という視点であげてみましょう。少しでもそれをやろうとする前に「なんかイヤだな」と思うのであれば、それは本当はやりたくないことです。

そして、自分のストレスになりすぎない生活ができるように、何かを手放したり、環境を選んでみましょう。 

(もちろん、ストレスをゼロにすることは難しいです。例えば、離婚や転職はすぐに決断できないこともあると思います。しかし、あきらかに悩みの種となっていることや考え方は、できるだけ早く手放すことをおすすめします)

3rd step:頑張る定義を変える

摂食障害さんの多くは、病気の声に従った「〜であるべき」とか、「〜でなければならない」という偏った考え方があります。

おそらく、みなさんそれぞれ考え方の偏りはいくつかあると思うのですが、まずは「自分の中の頑張った定義」を変えることが大切です。

自分の中の頑張った定義といわれてピンとこない方も多いと思いますが、きっとこんな定義、あるのではないでしょうか。

 

・ご飯は我慢すればするほど頑張れている
(ご飯を昨日より食べると負けだ)

・運動はすればするほど頑張れている
運動をサボると怠けている

・運動をするほど頑張れている
勉強をサボると怠けている

 

でも、これは摂食障害のお化けの声に従った「歪んだ」定義です。

 

回復するためには、

賢い人間としての頑張った定義に変えていく必要があります。

 

例えば、

・食事はきちんと食べた方がパフォーマンスが上がる
・空腹を感じたらきちんと食べてあげる
・体力回復のためには、運動はひかえる
・マイルールではなく、体調に合わせて行動を変える
・勉強は嫌いなものまで完璧にする必要はない

 

摂食障害を治したいのであれば、摂食障害が治るための「頑張る定義」に変えていく必要があります。
この内容は人それぞれだと思いますが、自分自身の「頑張った定義」を見直すことが回復のためには必要不可欠です。

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