人間関係がこじれた時に過食したり。
いつものように夕食後に過食したり。
みなさんは、毎日過食したくないのに、なぜか食べ過ぎてしまうを繰り返すことに悩んでいますよね。
今日は過食の原因のひとつ「疲労」について解説したいと思います。
過食の治療法
まず、前提として過食は摂食障害の一つの症状です。
つまり、心に何かしらの傷があり、それを解決することが回復につながります。
だから、過食の治療の基本は「考え方の癖や心の苦しみを緩和する」ことにあります。
カウンセリングでは、自分自身の心に向き合い、過食に依存しなければならないほどの心の苦しみを紐解きます。また、自分自身の考え方の癖を知り、適切なラインに戻していくことが大切です。
しかし、これだけでは不十分です。
過食は体と心、両方の問題が合わさって症状としてあらわれます。
過食の引き金
まず、過食を引き起こす「引き金」は、人それぞれ違います。
依存症の引き金と言われる、HALTに分けて考え、自分の引き金になるものを知ることが大切です。
「H(hungry; 空腹感/happy; 幸福感/hurt; 傷ついた)」
「A(angry; 怒り/anxiety; 心配や気がかり)」
「L(lonely; 何もすることがない/孤独感)」
「T(tired; 気疲れ/疲労感)」
みなさんにも過食の引き金を聞いてみて、それぞれHALTに分けてみました。
この中の、HALについては心の問題に向き合ったり、考え方の癖を捉えてそれを緩和していくカウンセリングをすることで、症状緩和が見込めます。
しかし最後の「疲労」は、心の問題はいったんおいておいて、「疲労との付き合い方」を習得することで過食を回避できます。
ということで、今回はこの中の「T(疲労)」に焦点をあてて、過食の対処方法を解消したいと思います。
疲れると食べたくなるわけ
まず、人間は誰でも疲れると甘いものが食べたくなります。
なぜなら、体や脳が消費して失ったエネルギーを取り戻そうとするからです。
体や脳がエネルギーを大量に消費すると、内臓に貯蔵されているグリコーゲンと呼ばれる糖分がなくなり、血液中の糖分が減り、血糖値が下がります。
過食の効果「脳の麻痺」
過食欲求がわくのは、ブドウ糖を補給するためと、もう一つ理由があるように思います。
それは、「脳を麻痺させるため」です。
摂食障害の方に多いのが、「少しでも休んだら怠惰になる」と思い込み、無意味な時間を過ごすと罪悪感を感じているケースです。そのため、常に頭をフル回転させ、時間の空白を埋めるように行動します。つまり、「思考しすぎ」という状態です。
過食は、脳を麻痺させる作業です。だから、脳が休みたいと感じている時に過食衝動が起き、過食している時だけ頭を空っぽにできるのです。つまり、体は「考えたくない」「行動したくない」という悲鳴を、過食という形で表現しています。
疲労からの過食の対処方法
これらの原因を考えると、1日の疲れが出る夜に過食したくなるのは納得ですよね。
夕方から夜にかけてソワソワするのは自然な流れなような気がします。
対処法としては、2つ。行動面と、思考面の見直しです。
日中の食事量と行動量を見直す
一つ目は、単純に疲労をうまない生活を心がけましょう。
例えば、「どうせ夜に過食するから、日中は少なめに食べておこう」としていませんか?
また、日中に予定を詰め込み過ぎて頭と心が疲労困憊になっていませんか?
夜にエネルギー切れになってしまう原因を見直してみましょう。
中には仕事が忙しい人もいると思います。
その方は、毎日は無理でも、週に3日は頑張り過ぎない日を作るなどを工夫できるといいですね。
休息に対する考え方の癖を知る
2つ目は自分の休息に対する考え方の癖を知りましょう。
たとえば、
・暇は悪
・時間は有意義に使うべき
・休むことは怠惰など
・夜以外ベッドに横になってはダメ
・隙間時間もつねにスマホいじり
冷静に考えると、暇な時間が嫌と言う考えて過食するということは、過食の方が価値ある時間かといわれるとそうでもないですよね。
過食する時間も本当の意味では「無意味な時間」、むしろマイナスな時間です。
過食を予防するためには、強制的に寝る時間を作ったり、意識的に何も考えないぼーっとする状態や、忙しすぎるスケジュールを見直しましょう。