痩せたいわけではないのに、食事が増やせない

摂食障害は「痩せたい病気」と低体重で食事量が増やせないの方の中には、「痩せたいわけではないし、体重が増えても良いと思っている」と話す方もいます。

健康になりたい。でも食事を増やすことができない。そこに悩まれる方も意外と多いですよね。

5ヶ月ほど前、メッセージコースを卒業された50代の女性もまさにそうでした。

今回は彼女の例を紹介しながら、「体重は増えてもいいのに、食事量を増やすことができない」という症状についての回復のヒントをお話しします。

食事量が増えない原因

「体重は増えてもいいのに、食事量を増やすことができない」という方は、「食事をコントロールすることに安心したいから」という欲求が強い傾向にあります。

この50代の女性も、「いい歳して、美意識で痩せたいわけではないのに、食事量をどうしても増やすことができない」という症状に悩み、入院を勧められるまでに痩せてしまいました。

そこで、単に痩せたい気持ちではなく、「コントロールすることに安心したいから」という理由もあるのではないかと私は考えました。

つまり、単に体重増加を回避しているだけでなく、本来向き合わなければならない問題がコントロールできず、その問題から回避したい気持ちが隠れていると考えられました。

 

そして、本来向き合わなければならない問題のヒントは、摂食障害初期にあります。

例えば、このような状態に心当たりはありませんか。

(1)   摂食障害を発症する前に、生きていく上で何らかの苦痛、孤立感があった
(2)   それを解消するための現実的な方法を持てなかった
(3)   「痩せる」という回避的な手段をとることで、つらい現実から逃れようとした

つまり、摂食障害発症前に孤独や劣等感、自信のなさ、周囲の期待に応えられない罪悪感を抱えきれずいっぱいいっぱいになり、問題解決の手段として慣れ親しんだ方法に手を伸ばしたのです。

それが、「他者から評価されるためにやみくもに努力し、我慢する」という方法。

現代は痩せることによって周囲の関心を得やすいので、孤独感を紛らわせ、人によってはそれによって自己評価を高めているのです。
さらに、病的に痩せることによって、責任が軽減され、劣等感を感じづらい環境に身を置きやすくなります。
つまり、痩せることによって苦しみから解放され、欲しかったものが手に入るという錯覚を覚えるんですよね。

そう考えると、痩せるための行動は単に体重増加を回避しているだけでなく、人間関係、社会生活、自立など、本来向き合わなければならない問題から回避したい気持ちが隠れているように感じます。

摂食障害さんにとって回避行動をとることは、自分を傷つけないための手段であり、今はそれが必要とも思えます。
しかし、回避行動(痩せるための行動)をとることは、本当の問題から逃げていることを意味します。
回避行動をとる限り心の問題に向き合えず、摂食障害は長期化します。

 

では、みなさんの本来向き合わなければならない問題とはどんなものがあると思いますか?

実現させたい夢や目標はどんなものがありますか?

 

きっとすぐに思いつく方もいれば、なかなか出てこない方もいるでしょう。

ただ、実現させたい願望があるのに、それに向き合えない場合や、向き合っても思うように結果が出ない。
そんな時、実現したいことをコントロールできない代わりに、他をコントロールすることで達成感を補完しようとするのです。

つまり、「達成できない自分」という、今の自分の価値を認められない苦しみを、食事、体型、運動、生活習慣などのルールを達成することで、自分の存在価値を確認しようとします。

そして、「自分を自己管理できている」という感覚を得られることで、自己肯定感を補っている感覚を得ることができます。

まとめると、実現したいことが実現できないから、摂食障害の方は、すべてのものごとを「食事で解決しよう」としてしまいます。

特に、自分の思い通りにならないことに出会うと、唯一コントロールできる体重や食事に執着します。 つまり、物事をすべて食事と結びつけて考え、それらがコントロール不能になると、そのフラストレーションを摂食障害で補完しようとします。

きっとみなさんも思い通りにいかない時ほど症状が悪化するのではないでしょうか。

この解決方法の一つとして、「体重・体型・食事」と「本来の問題」を分けて考えるということです。

カウンセリングでは、どんなに嫌なことがあっても、食事は食事として挑戦し、それとは別軸で本来解決すべき問題に向き合うということを繰り返しました。

そして、彼女は機械のように毎日同じ食事を食べていましたが、本来好きだったものを思い出してもらい、食事の楽しさを思い返してもらうことで、バランスが取れすぎた餌のような食事から、楽しめるものに変化していきました。

そして卒業のさらに3ヶ月後、嬉しいメッセージも届きました。

彼女は「本来達成したい目標=ワインの勉強」にも向き合い始め、順調にレベルをあげています。

このように、本来達成したい目標や回避したい問題が食事とひっつくと、痩せたいわけではないのに、食事をコントロールしたいがために食事量が増えなくなるのです。

回復のためのヒントは、摂食障害初期に達成したかった目標や、解したかった問題に隠れています。

カウンセリングなどを通じて、自分自身の「壁」に向き合うことが回復のために必要でしょう。

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