【当事者リアル】「痩せていたい気持ち」を聞いてみた

なぜ、みなさんは痩せていたい?

Instagramで週1回、当事者の声を集めています。
第一回目は「みなさんの痩せたい気持ちを教えて!」という質問。

数々の回答をお寄せいただきました。みなさんありがとう。

※質問の趣旨に沿った回答だけ拾わせていただきます

痩せたい気持ちに隠された、本当の願い

なぜ、みなさんは痩せたいですか?と聞くと、「洋服を綺麗に着こなしたい」「可愛いと褒められたい」「スマートで仕事ができる人と思われたい」と答える方が大半な印象です。

では、みなさんは痩せることに託して、本当は何を望んでいるのでしょうか?きっと多くの方は体型をスリムにすることが目的ではなく、痩せることで得られる「何か」を求めているはずです。

今回は、その裏にある気持ちを分析したいと思います

1、努力の成果=自信

一番多かったのは、「承認されて、自信を持ちたい」という理由な印象。

きっと、多くの方が「痩せて賞賛を得られることによって、自分の価値を感じたい」と願っているのではないでしょうか。

そんな承認欲求の裏には、「平凡だと認めてもらえない」「普通体型は美しくない」「普通ランクの大学では意味がない」など、過度に「平凡」や「普通」を怖がる気持ちがあるように思います。

このように「普通より優れていたい」という平凡恐怖の状態は「不健全な優越性」と呼ばれます。

▼平凡恐怖についてはこちらで解説

2、免罪符

このような摂食障害さんの考えは、病気を罪や責めをまぬがれるための「免罪符」として、心の盾にしているとも言えます。(免罪符:カトリックが発行した罪の償いを軽減する証明書)

つまり、「摂食障害だから、普通のことができなくても許してね」
という気持ちが、痩せていたい気持ちの根源なのではないかとつくづく思います。

 

だから「できないことを免除してもらいたい」という願いを叶えるために、誰にでも納得してもらいやすい理由が欲しいがために、病的な体型を目指してしまったのです。

例えば、「テストで高得点がとれない」「親の期待に応えられない」「進路を決められない」「集団生活から解放されたい」「やりたくない仕事を避けたい」などの問題を抱えきれなくなり摂食障害を心の杖にしたんですよね。

でもね、本当はできないなら「できない」と言ってもいいのです。その「普通のことができない自分」を認められないから、病気に助けを求めてしまうんでしょうね。

ただ、このような考えになる背景には、周りから過度に期待をもたれた経験があったはずです。その結果、「素晴らしい人を演じる仮面やプライド」が育ってしまい、「周りに弱い自分を見せられない」「弱さを見せたら、自分の存在価値がなくなる」という恐れを抱くようになったのだと分析します。

この気持ちの克服のヒントは、プライドとの付き合い方にあります。これについては、またどこかで解説します。

3、心配されたい

「元気になったと思われたら、もう甘えられなくなる」という恐怖心があるパターンですよね。本当は人に頼っていいし、甘えながら生きてもいい。

それなのに、おそらく幼少期に「無条件の愛」を感じられなかった場合、この理由から痩せ体型を手放せなくなったのではないかと思います。

4、思考の癖

思考の癖と自覚できているのは素晴らしいですね。

考え方の克服方法ですが、地道に考え方の習慣を変える以外に方法はありません。しかし、人間は本能的に現状維持を好むので、そう簡単に今までの習慣は変わりません。だからこそ、意識的に「いつものパターンを壊す」ことが重要になります。もちろん、本能的に頭は拒否しますが、「試しに行動する」ことが大切です。「大丈夫かわからない状態を受け入れる練習」を繰り返しながら、徐々に新しい思考に慣れていきましょう。

5、過食への不安

食べ始めたら急に脂肪になると思っている方もいますよね。でも安心してください。

入院中のご老人でさえ、1日1800kcalの病院食を食べても太りません。私も普段は2000〜2500kcal食べて、ほとんど家で暮らす生活をしているけれど、体重は増えません。

普通の人でも1kg増やすのに7000kcal必要と言われているの。だから基礎代謝+7000kcalとなると、相当量、苦しくても限界でも食べる期間をつくらないと体重って増えていかないんだよね。

だから、まずは普通量の食事を目指せば、ぷくぷく太ることはないよ〜

6、美意識

これは単純な美意識ですよね。痩せていたいのは個人の自由です。ただ、痩せることによって犠牲になっていることがあり、そこに感じているのであれば、美の基準を変えてもいいのかなと思います。

きっとあなたは痩せ体型以外の美しいと思える基準が乏しいので、痩せ体型以外に美しいと思えるもの、美の世界を広げることも大切だと思います。

痩せたい気持ちの裏にある、本当の問題に向き合う

摂食障害が比較的早く治る方は、単純に「痩せたかった、キレイになりたかった」という理由から、ダイエットの延長で摂食障害になった方が多いように感じます。

一方、5年10年と長引いている方は、摂食障害になった原因をさぐると、「自尊心が不安定なところに、やっと痩せ体型で自信が持てた」という経緯があり、その結果アイデンティティを補完してしまって痩せ体型を手放せなくなっているように思います。

いずれにせよ、痩せたい気持ちの裏にある心の問題に向き合うことが、痩せたい気持ちを手放すためには必須です。

そして、「不安定な自尊心」になった原因を特定し、その認識を癒し、丸ごと自分を認めてあげられるようになることが大切だと考えます。

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