主治医がアドバイスをしないことはいいこと?

行動を指示しない医者が良い医者?

私は10年間心療内科に通っていました。初めは3件くらい転々とし、やっと出会えた先生のところで入院。3回入退院を繰り返し、その後8年は1~2週間おきの通院でした。

 

私の先生は診察のたびに「〜しなさい」と、私の自習の通院までにしたほうがいい行動に関して、まったく指示しませんでした。つまり、自分で考えて行動することを余儀なくされました。いつも現場報告ばかりで、それがとっても物足りなくて、「何で先生は治すための道筋を教えてくれないんだ」と思いました。

でも、今思うと、それがひとつの治療法なんだとも思うんだよね。

つまりそれは、自分が摂食障害を克服した時に「自分の力で治った」と実感できたから。先生がもし「高校に復帰しなさい」「バイトをやめなさい」「ご飯を100kcal増やしなさい」などと指示をし、その通りに私が実行していたら、完治した時に「克服できたのは先生のおかげだ」と先生に感謝するでしょう。つまり「自分が頑張って治した」という達成感や納得感を感じにくくなる。

ある実験では、幸福感を感じるためには、「自己決定」が大切という結果が出ています。

確かに克服できたのは周りの力もありましたが、「自分の意思で治った」と思えたことで、「自分の意思決定が間違ってなかった」と、自分を信じるということの意味を実感できました。

治らないことを先生のせいにしていませんか?

逆に先生が具体的に指示してくれる場合、もしその行動の通りに行ったら「先生のおかげ!」とポジティブに考えることができるかもしれませんが、もしその行動をしてみてもうまくいかなかった時に「先生のせいだ!」になってしまいます。つまり、成功しても失敗しても「先生の責任」になります。これではいつまでだっても自分の可能性を信じることができません。だから、何でもかんでも「こうしなさい」とアドバイスするお医者さんが良い医者とも限らなかったりします。もちろん、良いアドバイスをする先生も数多くいますが!

治すための行動の選択肢を提示し、一緒に行動決定をします

ただ、私のカウンセリングに関して言うと、ティーチング的な、摂食障害の知識を教えたり、具体的な目標を設定し、それに対してどのように行動していけば良いのかを一緒にい考えて決めます。

なぜなら、私が受けてきた治療に物足りなさを感じ、なんのために通院しているのかわからなくなることが多々あったからです。

私は何もアドバイスをしない先生に対しフラストレーションも溜まったし、「どうやって治したら良いのかがわからない」という不安がつねに付き纏い、自分の選択に自信を持てない時期はあまり行動に変化がおきませんでした。だから、結果的に治るまでに10年もの時間がかかりました。正直、もっと効果的なアドバイスをもらい、治療に励めていたら、もっと早く治ったのではないかとも思います。もちろん治らなかったのは先生のせいだけじゃないですけどね。

そのような自分の経験から、私のカウンセリングでは、様々な行動の選択肢を提示しながら、クライアントさんが自分自身で意思決定できるまでを導くことを大切にしています。つまり、一緒にこれからの行動を決めます。「あかねさんに言われたからやる」ではなくて「自分で決めたからやる」と思って行動し、何かできた時に「自分の力でできた」と達成感を感じて自分の可能性を信じられるようになって欲しい。

ちなみにどのような選択肢を提示するかと言うと….

▼食事
・ごはんを1食80gは少ないから、今週は100g、来週は150gにふやそう
・スーパーに行って、一番食べたいものをまず初めに選びましょう

▼運動
・60分のウォーキングを1週間10分ずつ減らそう
・60秒以上のストレッチは意味がないから、やるにしても30秒に短縮しよう

▼生活
・家の居心地が悪いなら、まずは自分の部屋のインテリアを変えてみることから始めよう
・お父さんに今まで言えなかったことを手紙で伝えてみる

こんな感じです。

一人一人、治り方は違います。
いろんな理論を学び、考慮した上で、それをどう応用するかが大切です。
あなたにあった方法で、カウンセリングを設計していきましょうね。

詳細は

 

※自己決定に関する参考記事

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