【当事者リアル】治したいのに治したくない気持ち

instagramで週1回、当事者の声を集めています。
第5回目は「治したいけど、治せない理由」を聞いてみました。

数々の回答をお寄せいただきました。みなさんありがとう。
回答を8つに分けてコメントしたいと思います!

■健康な声に抵抗する病気の声

まず、摂食障害を考えるにあたって「当事者の中には2つの姿がある」と見ると、さまざまな状態を理解しやすくなります。
その二つの顔とは、「本来の姿」と「摂食障害という症状をひきおこす、オバケの姿」です。
摂食障害さんは、つねに「健康になりたい本来の声」と「痩せていたい病気の声」の矛盾と闘っています。例えば、「治したいけど、痩せ体型でいたい」「食べたいけど、太りそうで怖い」「社会復帰したいけど、働きたくない」などの葛藤があります。
これは、本来の自分が発する「健康な声」と、オバケが発する「病気の声」がせめぎあっている状態です。

回復にあたっては、病気の声を癒して、健康な声を育てていくイメージですが、今回は「病気の声」をみなさんにお聞きし、その病気の声をどうとらえたら、癒していけるか、解消していけるか、を考えてみたいと思います。

【1】食べたら、運動をやめたら太りそう

今回も数々の回答をいただいたのですが、この「食べたら太りそう」という声が圧倒的に多かったです。
そうですよね、摂食障害は「痩せたい病気」と言われるほど、みなさん一番怖いのは「太ることなんですよね」。

では、カウンセリングで「食べたら太りますよね」と聞かれたら、私は何て答えるでしょうか。

そりゃ、1日に3人前を毎日食べていたら太るかもしれません。でも、健康体重で代謝が整った状態で、一般的な1人前を食べていたら、体重は増えもしなければ減りもしません。

で、よく例に出すのが入院中のご老人です。彼らは1日1800kcalの病院食を食べても太りません。つまり、一般的な食事を食べていれば、たくさん動かなくても太りはしません。

私も普段は2000〜2500kcal食べて、ほとんど家で暮らす生活をしているけれど、体重は増えません。(154cm 48kgくらい)

カロリーベースで考えれば、一日に必要な摂取カロリーは、基礎代謝量に、日常生活における身体活動によるエネルギー消費量をプラスしたものになります。(だいたい、15歳~17歳は2,300kcalと言われています。)

今、低体重の方がその食事を食べたら、確かに体重は増えるでしょう。ただ1800kcalくらいの食事を食べて1ヶ月で10kg太った人を私はみたことがありません。つまり、一般的な量を食べたところで、そう簡単に増えませんよ。

きっと、みなさんが恐れているのは、「少しでも食べたら、過食してしまいそうで怖い」ということだと思います。
ただ、それは生理的な欲求と、食事面の影響があります。「一口でも許可食以外を食べたら、もう全てどうでもいい」という極端な考え方が、そのような考えにつながるんですよね。

だから、まずは白黒思考に気づき、極端な考え方ではなく、3食+食事のトレーニングをすれば、過食症を防ぐことができます。ただ、これはなかなか一人でやることはしんどい面もあります。また、回復には必ず心のケアが必要なので、専門家のもとで食事のトレーニングをしたほうが、安心だな〜とは思います。

【2】過食が癖になりそう

回復期の食欲に従ってたべているんですね。それはとても素晴らしいことです。
ただ、回復期だからって、なんでもかんでもダラダラ食べていたら、本物の食欲を取り戻すことができず、健康体重になっても、適量がわからなくなってしまいます。

拒食から健康体重まで戻すためには、「3食のリズム+α」を基本に、体の声を聞きながら食欲に従うことが大切です。

そして、一番大切なのは、心のケアです。健康体重になった時に、自分の健康になった姿を受け入れるためにも、痩せに執着しない心を育てることが大切です。つまり、体型や食事以外で、幸せを感じられるようになることが大切です。また、今までの無理する生き方を改め、自分の特性を活かした生き方を模索することが大切だと思います。

【3】心配されなくなる

「心配されたい」と思う心の裏には、「完璧に生きれない自分を許して欲しい」という気持ちがあったりします。もっと厳しい言い方をすれば、「普通のことができない自分を許して欲しい」という意味もあると思います。

でも、元気になったからと言って、完璧に生きなくていいし、欠点があっていいんです。「痩せ」という表現手段を使って、SOSを出さなくていいんです。だから、回復の過程で、できないことができない、嫌いなものは嫌いと伝える練習をすることも大切です。

そして、摂食障害当事者の周りの方は、見た目が元気になっても、今までと違う態度を取らないことが大切です。

そういう意味でも、痩せているからと言って、特別扱いしないことが大切だったりもします。ついつい痩せてしまうと心配の声をかけたくなりますが、体のこと以上に、心のサポートをする意識が大切です。

本来の当事者さんをまるごと認めて、「どんな姿でも、病気でも、病気じゃなくても、あなたは大切な人だよ」というメッセージを言葉や態度で示すことが大切です。

【4】楽な環境でいたい

これは、(3)にも通じますが、摂食障害になって「特別扱い」され過ぎてしまった場合、こういう気持ちになることが多いです。これは、本人というより、周りの環境がそうさせてしまったのかもしれません。

でも、一つ言えるのは、摂食障害が治ったからって、休んでもいいし、甘えたっていいんです。楽な環境を選んで生きていくことだっていいんです。

「元気になったら厳しい環境で頑張り続けなければならない」と思っているのであれば、そういう世界線もあるけど、自分が楽に生きる世界もあるよ〜ってことは伝えておきますね。

【5】努力の証を失いたくない

痩せた姿って、努力の証でしかありませんよね。すごくわかります。でも、その努力の証が、あなたにとって心地よくないものであれば、社会的に、ある一部では価値のあることであっても、あなたにとっては、価値あることではないかもしれません。

もし、その努力の証を維持するために苦しんでいるのであれば、もう、

【6】太ると価値がなくなる

結論から言うと、痩せても太っても、あなたの価値は変わりません。ただ、痩せていることで、なんとなく優越感を感じて、自信をもてて、価値が上がるような感覚になってしまいますよね。

もし、周りにご友人がいれば想像してみて欲しいのですが、あなたのことを見た目で選んでないはずです。

世の中、痩せていることに価値を感じる人もいれば、それ以外に価値を感じている人もいるので、それ以外に価値を感じている人を選んで、その人たちと生きていく人生もありですよ^^

【7】食べること以外の楽しみを見つけられるか不安

このコメントの意味するところは、「食べる楽しさを失ったら、生きる楽しさを失いそう」という不安なのかな〜と思ったけどどうでしょう。

摂食障害が治るということは、食事以外のことで楽しさを感じられるようになるから、食事のことがどうでも良くなるという反面、食事も心から楽しめるようにもなります。

そう考えると、克服の過程は、「食事以外の、満たされるもの」を見つけていくことが大切です。そして、回復後、それらが人生の楽しみになっていくから、克服後は、食事も楽しいし、それ以外も楽しみがあるというイメージを持てたらいいですね。

【8】病気でも頑張っている自分

きっと、こういう方は「病気じゃなくても頑張れる人」だと思います。つまり、病気じゃなくなったら、もっと高いパフォーマンスを発揮できるから、いい結果を残せたりします。

そして何より、あなたは病気じゃなくても、周りからは十分頑張っている人という認識をされているはずだから、もう病気を手放して、本当にやりたいことだけをがんばっていいんですよ〜って言いたいですね^^

そして、こういう頑張り屋さんは、8割達成で満足する癖をつけたり、一定期間休むと決めて休むことが大切です。人は休まないとパフォーマンスがあがりません。損して徳を取るではないですけど、元気になるために休む期間も大切ですよ〜!

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