二分割思考とは
「テストで99点は0点と一緒」
「うまくできなかったことが一つあると、全部どうでも良くなる」
「許可食以外を一口食べると、過食に走る」
こういう「0か100か」の思考に陥ることはありませんか?私が摂食障害のカウンセリングをしていると、ほとんどの方がこの完璧主義的な考え方を抱えていることにより苦しんでいます。
これは「二分割思考」と言われ、ものごとを白か黒か、そのどちらかに分けてしまう思考法であり、「良いor悪い」「完全or不完全」など、極端な視点でとらえる思考パターンです。
この二分割思考が強すぎると、何事も完璧を目指そうとして焦ってしまって疲れたり、自分を過小評価して自信を無くしてしまったり、他者を過小評価してコミュニケーションがうまくいかなくなったりします。つまり、二分割思考によって生きづらさを感じることが増えてしまいます。
二分割思考の和らげかた
8割達成で満足する
人間は完璧には生きられません。そして、完璧に生きなくていいんです。誰かの決めたルールや指標は、相対的なものでしかありません。ひとそれぞれ完璧に生きられないからこそ個性があり、それが魅力になるのです。
だからこそ、8割り達成で満足する癖をつけてみましょう。努力して100点の結果が出れば、それは嬉しいですよね。ただ、「8割成功していたら、それはそれで頑張ったな」と、まずは8割りできたことを認め、残りの2割を責めないようにしてみましょう。
そして、8割達成すれば、残りの2割をカバーできていることが多いです。(パレートの法則)
失敗から学ぶ
8割達成すると、残りの2割に、これからあなたが成長するためのヒントが隠れています。それは欠点が浮き彫りになるということではなく、うまくいかなかったことを克服すれば、もっとあなたの可能性が広がるということです。「結局、失敗してしまったけれど、学ぶことはあった」と思えるといいですよね。
「失敗したくない」「後悔したくない」って思う人も多いかもしれませんが、失敗するということは挑戦したということ。挑戦していない人は、失敗もしません。失敗って悪いものじゃないよ、私は好き。
相手を「敵or味方」で判断しない
この2分割思考は、他者に対してもこの考え方をしてしまいます。例えば、「あの人は一度、私に注意したから敵」「あの人は私を褒めてくれるから味方」など、たった一つの出来事で相手を「敵or味方」で考えてしまうこと。すると、過度に相手を軽蔑してしまったり、逆に期待してしまったりすることで、コミュニケーションがうまくいかなくなることがあります。
相手も完璧ではない人間です。人間は多面的なもの。たった一つの部分を切り取って相手の全てを判断することをやめていきたいですよね。
もし、相手に何か嫌な思いをさせられることがあったら「あの人は私のことが嫌いというわけれはない。みんなそれぞれ何かしらの事情を抱えながら生きているんだもんね。」と思えるようになると、少しずつ他者の過ちなども許せるようになってきます。
ただ、この考え方は一度でもいじめを受けたことがある方、他者に傷つけられた経験がある方は自然としてしまってしかたない、と思うこともあります。
いじめを受けたことがある人、他者から傷つけられた経験がある方の多くは、周りの人を「あの人は気が合うから味方 or あの人は私に共感してくれなかったから敵」というように、2分割思考で考えてしまう。自分を守るための防衛反応だと思うんだ。だからこの考え方をしてしまうあなたが悪いわけではない
— あかね🍓摂食障害相談室 (@ed_counseling) May 13, 2021
私は摂食障害が治りましたが、いまだに2分割思考をしてしまい、自分自身が苦しいなと感じることが多々あります。この思考は完璧主義にもつながるものであり、努力を加速させる意味では良い面もあります。ただ、全てにおいて完璧に生きることは難しいので、緩急つけてこの特性とつきあっていきたいものですよね。