醜形恐怖症は、摂食障害より強迫性障害に近い?

これを読んでいる摂食障害の方の中には、「醜形恐怖症」という障害名をご存知の方も多いかもしれません(私が摂食障害だった10年前は、なかなか聞かない言葉でした)。カウンセリングをしていると、摂食障害と同時に醜形恐怖症に悩む方も多くいます。

醜形恐怖症とは

醜形恐怖症身体醜形障害)とは、極度の低い自己価値感に関連して、自分の身体や美醜に極度にこだわる症状である。実際よりも低い自己の身体的なイメージが原因である。俗に醜形恐怖また醜貌恐怖とも呼ばれる。自殺率は非整形経験者の45倍と非常に高い(Wikipediaより)

醜形恐怖症の特徴

症状の特徴をみると、摂食障害に近しい病気であることがうかがえます。ただ、その外見へのこだわりは、摂食障害の方が感じている肥満恐怖とはまた違うものです。

症状の特徴の例

・他人から見れば問題ない容姿なのに、主観的に自分の姿を「醜い」「人より劣っている」という強迫観念にとらわれ、日常生活に支障をきたす

・鏡で顔や容姿を何度も確認する

・人前ではマスクやサングラスを着用する

・美容整形手術を何度もうける(美容皮膚科の患者の10%前後が身体醜形障害の可能性)

また、醜形恐怖の背景にあるタイプもさまざまです。

強迫性障害タイプ:確認行為などの強迫行為を伴い完全を求める不安が根っこにある

境界性パーソナリティ障害タイプ:自傷や自殺企図がみられ、人格が不安定で衝動的

対人恐怖症タイプ:人前で強く症状が現れる(社交場面で失敗するのではないかという不安・周りから迷惑がられるのではないかという不安)

身体醜形障害の8,9割の人がうつ病の症状があると言われ、「自分を醜く思う根っこにあるもの」をきちんと見つけて、それに対するアプローチが大切でしょう。

摂食障害と醜形恐怖

摂食障害とが似ているなと思うのは、発症する方の性格。たとえば「負けず嫌い、頑張り屋、完全主義」的な様子を見受けられます。

また、発症の原因も「育児放棄や虐待を受けたことのある人など、幼少期の親との関係」という点は摂食障害と近しいものがあるでしょう。

ただ、摂食障害というよりも、強迫性障害の原因と近いものがあると思います。

醜形恐怖の治療について

醜形恐怖症の治療については「特定の抗うつ薬」と「認知行動療法」が効果的と言われています。摂食障害というより、強迫症に近いものがあるので、私のカウンセリングに来られた方には心療内科の受診を進めています。(私が薬の処方ができないため)

摂食障害の傾向が強かったり、根にあるものが「痩せたい」気持ちであるのであれば、摂食障害のカウンセリングで治られる方もいます。

いずれにせよ、醜形恐怖症も摂食障害も「心の病気」であるので、きちんと治療をしなければ治らない病気です。

醜形恐怖については、下記の美容精神科のサイトにたくさん情報が載っていますよ。ただ、摂食障害の専門ではないので、その点はあしからず。

身体醜形障害‐傍目には醜くはないのに、醜いと思い込んで悩む

ーーーーーーーー
▼摂食障害のブログ一覧(1日1ポチが励みになります)
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へ
にほんブログ村

▼無料メルマガ/特典プレゼント
メルマガ登録

▼個別相談/カウンセリング
カウンセリング詳細

▼卒業生の1年後
インタビュー記事

関連記事

  1. 同じ状態は長くは続かないという真理

  2. 拒食回復期。増量を決めたが、過食症が怖い

  3. vol.13:栄養バランスのいいものしか選べない

  4. 幸福感が過食につながる?

  5. 回復には時間がかかる理由

  6. 「相手のために」ではなく「自分がしたいからする」