アダルトチルドレン〜親子関係のトラウマ〜

さて、アダルトチルドレンという言葉をご存知でしょうか。

アダルトチルドレンとは、「子ども時代に、親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったまま、大人になった人」のことを指します。(医学的な診断名ではありません)

摂食障害の方の中には、アダルトチルドレンの方も多く見受けられます。今回はアダルトチルドレンによって摂食障害になった場合を想定して話を進めていきます。

アダルトチルドレンの特徴

さて、親との関係の中でのトラウマ体験を経験した方は、どのようなことに苦しんでいるのでしょうか。根底にあるのは「親の期待=よい子でいること」に縛られることにより、自分の感情を感じられなくなってしまいます。具体的な症状で言うと、

・周囲が期待しているように振る舞おうとする
・自分の意見が言えない(自信が持てない)
・嘘をつく
・過剰に他人に承認されようとする
・「NO」が言えない
・被害妄想におちいりやすい
・環境の変化を嫌う
・心から遊べない
・いい子にできない自分を処罰する
・自分の判断に自信が持てない
・他人の言動に強く左右され気持ちや行動が落ち着かない
・孤独感が強く感じられ、人と一緒にいても一人でいても疎外感を感じる
・感情の起伏が激しい
・罪悪感を持ちやい、自罰的、自虐的、自己犠牲的
・強く依存的だったり支配的だったりする

このように、心の問題からおこる様々な症状がありますが、共通して言えるのは自尊心の低さです。また、自己評価の低さからの二次障害で「アルコール依存症、うつ病、不安障害、強迫性障害、ひきこもり、PTSD、摂食障害」を発症するケースもあります。

アダルトチルドレンになりうる家庭環境の特徴

では、アダルトチルドレンになりうる家庭の親御さんには、どのような問題があったのでしょうか。例えば、

両親の離婚・不仲
アルコールや薬物依存症
セックス依存症
ギャンブル依存症
ワーカホリック

摂食障害の親子に見られる「共依存」

アダルトチルドレンになった子供は、親と共依存の関係にあることがあります。ここでの共依存とは、依存する側(子ども)、と自分への依存を必要とする側(親)の関係性のことを言い、お互いが自立できないようにしている状態。つまり、親は「自分なしでは生きられないような無力な人物」の世話をすることに充実感を覚え、一方の子供は親に認めてもらう行動をすることで満たされています。

共依存状態の親は、過干渉であったり、門限が厳しかったりと、ついつい自分の子供との距離が近づき過ぎてしまう傾向があります。

治療の目標=本来の自分を取り戻すこと

では、アダルトチルドレンを克服するための流れの一部を紹介します。

1、「自分は悪くなかったと思う」と同時に、「自分は子供として不適切な状況で育ったと認識すること」

ここでは過去を振り返り、事実を認め、そのときの自分の感情を探ることが大切。ここで、埋もれていた怒りが出てくる場合もあります。また、蒸し返す意味は、過去の対人関係が、その人の他人を見るときのフィルターになっているから、克服には避けて通れぬ道なのです。

2、怒り、混乱を受け入れる

自分は悪くないと認識すると、自然と親への怒りが湧くのは自然なことだと受け入れましょう。

3、親にも事情があったと認める

親の事情を正しく理解すれば、「自分が悪かったわけではない」と思えるようになります。親の事情を認めると、許してあげるということになりそうですが、これは許しとは違うもので、ただ事実を事実として受け入れるイメージです。

4、現実的な付き合い方を考える

・相手にやって欲しいこと、やらないで欲しいことを明確にし、伝える。
・何を諦めて、何を頼むかを決める。
・第三者に介入してもらう など

実は私はアダルトチルドレンと自覚したことはなかったのですが、思い返してみれば自分もそうでした。いい子でいるために、自分の気持ちを押し殺して生きてきました。しかし、徐々にぶつかりあいながらも今では離れて住んで入るものの、本音で話せるし、毎日のように娘の写真を見せびらかしています。

生きづらさの根っこには、幼少期の影響が少なからずあるはず。そこをケアせずには前に進めません。昔の嫌だったことを掘り返し、向き合うことは苦しみを伴い、症状の波が激しくなることがあります。必ず第三者と一緒に行うことをおすすめします。

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