カウンセリングをしていてよくいただく相談は
「趣味がないんです」
「勉強以外、どうすごしていいかわからない」
「何をしても長く続かない」
という声をよく聞きます。
摂食障害の方に多いのが、「少しでも社会的に価値のないことをしたら、怠惰になる」と思い込み、無意味な時間を過ごすと罪悪感を感じているというケース。みなさんは心当たりないかな?
そのため、常に頭をフル回転させ、時間の空白を埋めるように行動します。
そして、それらは我慢が必要になるので、非常にストレスを感じている方が多いんですよね。
今日は「無意味なことほど、実は価値があるんだよ」というお話をさせてください。
時間を有意義・無意味で分類してしまう原因
例えば、幼少期のころから
・習い事で予定がびっちり
・勉強をしなければいけない
・テレビやゲームはしてはいけない
という環境で育つと、
「好きなことに時間を使う=ダメ」
という考えになりやすいです。
たしかに、ゲーム、おしゃれ、手芸、カラオケ、ドラマ鑑賞 etc.
は、テストの点数にはなりませんよね。
でも、みなさんも経験があるかもしれませんが、
・テレビ番組の話をされてもわからない
・アイドルの話をされても誰が誰だかわからない
・スポーツの話をされても共感できない
など、友達の話の輪に入れなくて悔しい思いをしたことはありませんか?
私は小さい頃、家ではNHKしか見てはいけなかったので、友達との会話に入っていけず、とりあえず作り笑いでやり過ごし、時には自分も見た前提で嘘をつくこともありました。
それがすごく嫌だったんですよね。
そう思うと、
でもね、友だちと距離を近づけるためには
こういう無意味なものが大切だったりするんです。
人は、好みが一緒だと仲良くなりやすいですからね。
私も、ドラマや映画の話、旅行の話、美術館の話、デザイン、農業の話。今では仕事になっているものもありますが、そういう直接的に社会的な評価につながらない話が合う人のほうが仲良くなりやすいです。
これは大人になってから実感することの方が多いと思いますが、無意味だと思える心満たされる時間は、雑談力の宝庫です。
そして、そういう心満たされる時間を過ごす習慣って大人になってからいきなりやろうと思ってもできません。
好奇心にまかせてすごす時間は、幼少期の積み重ねでみについていくものです。
そして、それらはいつかあなたを救ってくれます。
好きの先には、あなたに合った人が待っている
きっとみなさん、「私はこれが好き」という感覚のもの、もうすでに出会っていたりします。
だから、その時が来たら「私はこれが好き」と主張してみて。
好きの感覚にしたがって進んだ先には、
あなたと同じものが好きな人が待っています。
そういう好きでつながる関係って、関係が長続きしやすいです。
そして、そもそもそ時間に「意味がある・意味がない」という定義はありません。
もちろん勉強も習い事も大切です。
でも、要はバランスですよね。
そればっかりは、やっぱり人間の感性を育てません。
人によって価値観は違うし、親御さんによって価値観は違うと思います。
でも、無意味な時間はないんだよ〜有意義に過ごさなければならないとってことは、ありません。
そして、摂食障害を克服する人は、この「心を満たす方法を数多く知っている人」です。
だから、今、勉強や運動、食事しか興味が持てないと感じている人がいるのであれば、少しずつそれ以外で過ごす自分も許していって欲しいなと思います。
そして、それでも食事や運動以外に興味が持てない人もいると思います。
それは摂食障害の症状でもあります。
やりたいことって、考えて見つけられる時期もあるけど、心のエネルギーがない状態ではやりたいことを探すと「やらなければ」に変わりやすいから、逆に負担になったりもします。
だから、「あれがやりたい!」と自然に思えるまでは、とにかく休養が大切。つまり、家で何も考えず寝ていることが一番回復力を高めます。そう言う意味で、今ほかのことに興味が湧きづらいのであれば、体の欲求に従っていることだから、あってるよ^^私は今はそれで良いと思ってる。
必ずやらなければならない予定以外は、できるだけ何も考えなくて良いと今は決めて、できるだけ頭の中を空っぽに、少しでも気持ちが穏やかに過ごせる方法に時間を使って良いと思います。
うつ病の治療もそうだけれども、とにかく寝てください。薬に頼っても良いので寝てください。そうしているうちに、心のエネルギーが溜まり、やりたいと思い浮かぶものが出てきます。