病気を克服することも怖い。病気じゃない自分ってどんな自分?

【質問】病気じゃない自分になることに不安があります

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今回の質問は「病気じゃない自分になることに不安があります」という相談です。

特に、摂食障害を患って3年以上経つ方や、自宅療養が長引いている方に多い悩みだと思います。

きっと、「病気じゃない自分になることも不安がある」ということは、病気が治ることも怖いという状態ですよね。

私自身もずっとそうだったので気持ちはすごくわかるし、摂食障害さんの大半は「治したい、でも治ることも怖い」という矛盾した気持ちを常に抱えながら生活しています。

今回は「病気が治った状態」とはどんな自分なのかについて私なりの回答をしてみたいと思います。

克服後の自分は「症状がないだけの自分」

では、まずこの質問に端的に答えると、

病気じゃない自分は、今の自分から「症状がなくなっただけ」と考えてください。

つまり、ものすごく大きな変化があるかというと、そうでもありません。

自分自身の顔が大きく変わることも、性格が大きく変わることも、家族関係がガラッと変わるわけでもありません。

だから、
家族に対するモヤモヤした感情が完璧に解消されるわけでも
理想の体型がかなうわけでも
自分の性格が大きく変わるわけでもありません。

ただ、病的な考え方の偏りや、
家族に対するトラウマは緩和しています。

それによって、食事や運動のこだわりが緩和され、本来好きなことややりたいことに集中できるようになり、生活や交友関係が充実してきます。

【病気が治る過程の一例】

病気の考えが緩和
(トラウマ・認知の歪み・食事や運動のこだわり・痩せ願望)


食事や運動に費やす時間が減る

やりたいことを優先させられるようになる

痩せ体型への執着が小さくなっていく

本来やりたいことへさける時間が増え、結果が出るようになる

病気が邪魔になる、手放したくなる

このような好循環が生まれます。

以前も紹介しましたが、哲学者「ウィリアム・ジェームス」の言葉

心が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。

にもあるように、摂食障害の心や習慣が変われば、自分の生活も、それにともなって性格も運命も変わってきます。

だから、摂食障害克服者の中には「自分が大きく変わった」という実感があります。

ただ、その運命とはドラマチックなものではなく、ごく普通の人生のなかで出会うものが変わっていく感覚です。

だから、一番大切なのは、克服の過程で

「症状のない自分/痩せていない自分/病気ではない自分」

「何かの分野で一番ではない自分」

「誰かに憧れをもたれる存在ではない自分」

など、「ごくごく普通の、平凡な自分を受け入れていくこと」が大切です。その結果、その自分に見合った小さな幸せを見つけられるようになり、自分の特性を活かした生活が送れるようになり、それらが自信になります。

私も仕事柄、本やYouTubeなどで情報発信をしていますが、私生活ではごく普通の32歳です。それでも、何か個性を感じていただけているのであれば、克服の過程で「パン作りが好き→制作が好き→デザインが好き→美術館が好き→作家の心情について考えるのが好き」ということから、最終的に「相手の悩みを整理することが得意」ということに気づき、大学では心理学科に進学。しかし、やっぱりクリエイティブに憧れて広告制作の仕事に携わり、人の感情をうごかすコピーライターを目指してきました。それが私らしさ、私らしい病気の症状がいらない生き方になっていきました。

つまり、食事や運動以外で自分を喜ばせるような時間を優先させた結果、それが小さなきっかけになって、どんどん人生の扉がひらいていきました。そして、人生が好転し、病気のおかげで運命まで変わったと実感します。

 

しかし、そんな私もまだ自分の親との問題、今の家族と子育ての問題、キャリア、友人関係など、いつも悩みを抱えています。でも、食事や運動のこだわりがないだけで、それらに正面から向き合えるようになりました。

苦しいこともあるけど、その向き合った分だけ幸せを感じる瞬間もあります。

きっと、みんなそれぞれ人生の山あり谷ありを味わいながら生きています。

だから、摂食障害は自分から逃げているんだ!と言いたいのではありません。

今は、心の傷が深過ぎて、抱えているものが大き過ぎて、本当の問題に向き合うほど、心のキャパシティがない状態です。

だから、治療が必要であり、周りに頼りながら自分に向き合っていくことが大切になります。

まとめると、病気じゃない自分を受け入れていくために必要なことは

【1】意味ある病気の治療を継続する
(体調改善・考え方改善・トラウマ改善など)

【2】理想を見直し、平凡な自分を許していく

【3】食事と運動以外で、今の自分に見合った小さな幸せを見つけていく

この3点が大切になります。

あまり「病気の自分、病気じゃない自分」を意識しすぎるのではなく、「本来の自分の好きだったことで生活を楽しむ、その延長線上に症状が待っている」という感覚で克服の道のりを歩んでみてもいいのではないかと思います。

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