今回は「カロリー計算をやめたら、過食しそうで怖いです」という相談に答えていきます。

きっと多くの摂食障害さんがカロリー計算を止める際にぶち当たる問題だと思うのでお話ししますね。

そもそもカロリー計算をする理由

クライアントのみなさんにカロリー計算をする理由を聞いてみると
「自分の許せる範囲内で食事がしたいから」
「過食になるのが怖いから」
「食事に罪悪感を感じたくないから」という声が返ってきます。

多くの場合、その気持ちの根っこには「コントロールすることによって、安心したい」という欲求があるように感じます。

しかし、カロリー重視で食事をしていると「空腹と満腹に従って食べることができなくなる」という弊害が出てきます。

私がよく「頭で食事を摂る」という言葉を使いますが、この状態が長く続くと、本物の食欲がわからなくなるので、何を基準に食事を選んだらいいかわからなくなります。だから、「安心するため」に、よけいにカロリー計算に執着します。

人間には本来「セルフコントロールがしたい」という欲求がありますが、空腹と満腹がわからないコントロール不能感を、カロリー計算をすることによって補完しているとも言えますよね。

 

カロリー計算をやめると太る?

結論、分かりません!

カロリー計算を止めることによって、

・拒食傾向に転じる
・過食傾向に転じる

かは、人それぞれです。

私の場合、カロリー計算をやめたことで過食に転じたこともあるし、
どれくらいカロリーをとっているかわからなくなり拒食傾向になったこともありました。

だから、同じ人によっても、その時の心の状態によって変わってくると思います。

 

カロリー計算をやめたほうがいい?

そもそもですが、カロリー計算を止めるかやめないかはさほど重要ではありません。

もちろん「摂食障害が治ること=体の食欲に従って食べられるようになること」だとすると、いつかカロリー計算をやめるときが来るでしょう。

だから、「直感で食事を選んでいく」という練習は、回復の過程でしたほうがいいです。もちろん、カロリー計算をそろそろやめたいと思っているのであれば、それを早くやるに越したことはないでしょう。

しかし、「今すぐにカロリー計算をやめなくてもいい場合の人」がいます。

例えば、低体重で基礎代謝以下の食事しかできない方は、カロリー計算をすることによって、安心して食事を摂取でき、適切なエネルギー量まで増やしていけるのであればしてもいいと思います。

最優先事項は「食事を食べること」であり、カロリー計算すれば食事を摂取でき、必要量まで増やすことができるのであれば、納得するまで計算して良いと思います。しかし、本来カロリー計算は目安でしかないので、徐々に適当な気持ちで計算できるようになるといいですね。

摂食障害完治後のカロリー計算との付き合い方

私も摂食障害だった10年間は毎日のようにカロリー計算をしていたため、今でも食品を見ただけで、大体のカロリーはわかってしまいます。しかし、自動で計算できる頭もありつつ、計算する脳みそと実際の食行動は切り分けることができています。つまり、「カツ丼は1000kcalでカロリーが高いけど、食べたいから食べる」という感じです。

一般的に考えれば、見ただけでカロリーがわかってしまうのはむしろ「特技」なので、完全に無くす必要はありません。

「カロリー計算」と「本当に食べたいもの」を切り分けて考えられるようになることを目標に、体の声を聞いて、それを尊重しながら食事ができるように習慣づけていきましょう。


摂食障害専門カウンセラー 渡邉茜
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