私自身、診断は受けていませんが、
おそらく発達障害だろうなと感じる節々があり
それらが摂食障害にも関連していたんだろうな。
と、今更ながらに思うことがあります。
以前、カウンセリングで発達障害の疑いのあるクライアントさんに
「今までに発達障害など、摂食障害以外の診断をうけたことがありますか?」
とうかがうと「そんなことあるわけないじゃない!」
と怒られたことがありましたが(この様子からもそうかもしれないと思うのですが)
発達障害は脳の特性なので、恥ずかしいものではありません。
今回は発達障害の2次障害とされる摂食障害の関係について解説します。
発達障害とは
発達障害は、生まれつきの脳機能の働き方の違いにより、行動面や情緒面に特徴がある状態です。
脳の病気ではなく、特性と考えましょう。
発達障害の方は得意・不得意の特性があり、その特性が環境にマッチすればものすごい才能を発揮する一方で、一般的な社会の中に馴染めない側面もあります。
発達障害の中でも「自閉スペクトラム症(ASD)」と「注意欠陥多動症(ADHD)」はみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。この2つは合併することが多く、私の夫もこのタイプです。
自閉スペクトラム症は大きく分けて「知的障害を伴う自閉症」と「知的障害を伴わない自閉症(アスペルガー症候群)」があります。
例えば
- 相手の気持ちを察するのは苦手
- 空気を読むことが苦手
- 急な予定変更があるとパニックになる
- あいまいな指示をされると困る
- 自分のペースを大切にし協調性がない などの特徴があります。
一方の注意欠如多動症のADHDはその名の通り、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくまま行動する)という症状です。
- ものをなくす
- 集中力が続かない
- 衝動的に思いつくまま行動する
などの特徴があります。
発達障害の摂食障害につながる特性
発達障害の特性のうち、摂食障害に関連する3つの特性を解説します。
1、衝動性
発達障害のADHD(注意欠如・多動性障害)の特性の一つに「衝動性」があります。
その特性から、衝動をコントロールできずに過食してしまうケースがあります。
そういう意味では、過食嘔吐がどうしてもやめられない場合、発達障害を疑ってみると回復のヒントが見えてきます。
2、こだわり
発達障害のASD(自閉症スペクトラム障害)の特性のひとつに、「こだわり」があります。
それらが起因して、偏食やオルトレキシア、過活動につながるケースがあります。
3、セルフモニタリングが苦手
発達障害の特性の一つに、「セルフモニタリングが苦手」という点があります。
セルフモニタリングとは、自分の行動や考え、感情を自分で観察し客観的に評価することですが、
発達障害の方はこれが苦手です。
つまり、自己の認識と現実の自分にズレが生じやすいです。
その特性から、空腹や満腹の感覚に鈍感だったり、ボディイメージの歪みが生じたりします。
発達障害×摂食障害の改善方法
治療のポイントは3つあります。
1、医療×カウンセリング
発達障害の診断は「医師」でなければできません。つまり、心理カウンセラーである私は診断できません。
少しでも疑いのある方は、まずは精神科または心療内科を受診しましょう。
また、発達障害の特性によっては、薬物療法が有効です。
例えば、衝動性や感覚過敏に対してはよく薬での治療効果が高いと聞きます。
まずは医療機関に相談することをおすすめします。
しかし、摂食障害の側面に関しては
心の問題に向き合う必要があります。
ですので、通院と併用してカウンセリングを受けることをおすすめします。
私のクライアントさんの7割は通院とカウンセリングを併用しています。
2、現状を把握・整理する
まず、現状を把握することが大切です。
なぜなら、原因がわからなければ
治療法を決められないからです。シンプルにね。
一人では客観的に判断できないので、
必ず第三者、できれば医師やカウンセラーなどの専門家と行いましょう。
発達障害の疑いがあれば、迷わず病院をお勧めします。
3、セルフケアを習慣づける
発達障害も摂食障害も
薬を飲めば治るほど単純な病気ではありません。
だからこそ、日々の生活習慣の工夫が大切になります。
・規則正しい生活
・空腹と満腹を感じるための食事トレーニング
・ストレスを溜め込まない
この3つを心がけて生活しましょう。