劣等感は捨てなくていい、自分の不完全さを認める

摂食障害になる方のほとんどが、劣等感を感じています。

では、なぜ人は劣等感を持つのでしょうか?

今回はアドラー心理学を元に、劣等感の克服方法を考えて行きたいと思います。

「劣等感」とは

劣等感とは、「自分は劣っている」と感じること。

今回は、心理学者アドラーの考え方から、劣等感の克服を探って行きます。ちなみにアドラーは、「嫌われる勇気」が有名になって読んだことがある方も多いのではないでしょうか?

1、優越性の追求は自然なこと

アドラーによると、人には向上を求める「優越性の追求」という欲求があるが故、「人間であるとは劣等感を持つことである」と断言しています。ですので、劣等感を感じることは自然なことなのです。

2、劣等感は思い込みである

劣等感は、「客観的な事実」ではなく、「主観的な事実」によるもの。つまり、「劣等感」は「思い込み」でどうにでもなるものなのです。

 

なぜ人は劣等感を持つのか

劣等感を持つ理由は、大きく分けて3つあります。

  1. 性格的な理由
  2. 幼少期の環境
  3. 誰もが現状より高い目標を掲げる為

 

劣等感を持ちやすい性格

●性格1:物事をネガティブに考えやすい

物事を悪い方向に考えがちな人は、自分のこともネガティブに考えてしまいます。また、自己肯定感の低い方も、自分よりできる人を見たときに、比較して落ち込む傾向があります。

●性格2:完璧主義

なんでも完璧にしないと気が済まない人も、劣等感を持ちやすいです。そもそも人間に、完璧ということはありません。ですが完璧主義の人は、少しの間違いや少しのキズも許せません。そのため、何をやっても完璧でない自分に気づいたとき、劣等感を感じてしまいます。

●性格3:理想が高い

完璧主義に近いのですが、理想が高い人も、劣等感に悩まされやすいです。

理想を持つこと自体は、悪いことではありません。しかし、その理想とかけ離れた状態の自分を前向きに考えられないと、劣等感ばかり感じてしまいます。

 

劣等感を持ちやすい幼少期の環境

●家庭環境の影響

例えば、両親が会社で優秀な社員だった場合。兄弟がスポーツや学習面で優れている場合。周囲の人たちに比較され、劣等感を感じるようになります。

●親や先生からの言葉かけ

また、子供の頃の親や学校の先生から受けた言葉が劣等感の元になります。例えば「先生が大勢の前でダメなところを指摘する」「親がテストで満点以外を認めない」など。

小さい頃は、親の世界観が子どもの世界観となります。このような世界観のまま大人になると、自分に自信が持てず、他人といつも比較して、劣等感に苦しむことになります。

 

劣等感を持つ人の特徴

では、劣等感を持つと、どんな悪いことがあるのでしょうか。

実は、劣等感を克服することは、自分のためだけではなく、周りの人のためにもなります。

その理由を「劣等感を持つ人の特徴」から見ていきましょう。

 

まず、劣等感を持つ人は、劣等感を隠すために、自分をごまかそうとします。

そのため、他者に対して3つの行動がよく見られます。

特徴1:人を攻撃する

劣等感の強い人は「恐怖心・不安感・支配欲が強い」と言われています。

恐怖や不安を抱えているが故、自分より優れている人に妬みを持ちやすく、そのような人に対して攻撃的になります。悪口を言う、批判する、相手を陥れようとする、転落した有名人などを見て喜ぶ、支配しようとする、などの行動が見られます。

特徴2:自慢する

自分の劣等感を隠すために、また人から褒められて自己重要感を満たしたいという気持ちが根底にあります。そのため、無意識的に自慢できるところをひけらかします。例えば、「会社に評価されない人が学歴を自慢する」「知識をひけらかす」などの行いが見られます。

特徴3:不幸をアピールする

自分がどれだけ不幸かをアピールして、他人からの注目や慰めを得ようとします。また、自分の劣等感をわざわざ口にして、気にしていないという素振りをして「そんなことないよ」と言われるのを期待したりします。

 

劣等感を持つことは健全であり、完全に捨てなくていい

私たちは、向上心を持って目標達成をすることを小さい頃から教え込まれます。そのうち、私たちには何らかの理想とする姿や叶えたい目的が出てきます。

しかし、何らかの目標がある限り、劣等感を持つことは当たり前なのです。

嫌われる勇気でも、「優越性の追求も劣等感も病気ではなく、健康で正常な努力と成長への刺激である。」「劣等感があなたが自己成長するための心の原動力になるなら、劣等感はむしろ持っていたほうがいい」と書かれているように、「優越性の追求」や「劣等感」ということは悪いことではなく、成長するためには必要なことなのです。

つまり、劣等感は多少は持っていた方が、健全なのです。

しかし、その劣等感を自分の成長への原動力として使うためには、「自分の劣等感を直視すること」が大切です。

また、「健全な劣等感とは他者との比較で生まれるものではなく、理想の自分との比較で生まれるもの」と書かれています。つまり、自分の劣等感を受け入れ、自己否定で自分を攻撃するのをやめることが鍵になります。

まとめ:自分の不完全さを認める

「自分の不完全さを認める」というのは、アドラー自身の言葉です。

劣等感が強い人は、攻撃的になったり、自慢したり、不幸をアピールしたりという方向に行きがちですが、これは劣等感をごまかしている状態。

劣等感を克服するには、自分の劣等感を真正面から見つめなければなりません。その時、大事なことが「自分の不完全さを認める」こと。

そうすると、あなたの劣等感はあなたの自己成長のために働きます。

 

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