「食べたい」欲求は、心の栄養不足からきてませんか
過食の原因は、飢餓、過活動、厳しいマイルール、睡眠不足と、今まで私のサイトの中で伝えてきました。
しかし、最近のカウンセリングや自分の経験から「心の栄養不足」が過食の原因の一つになるという結論が出ました。
つまり、「体が栄養で満たされていても、心が栄養不足であれば過食につながってしまう」ということ。
本来であれば心の栄養不足であるならば心に栄養を与えればいいのに、摂食障害の方は手っ取り早く脳が満足感を得られる「過食」をすることで、心の栄養不足をうやむやにしています。
過食を克服するには、まず体の飢餓状態をなくし、栄養で満たしてあげることが先決。それでも過食が治らない場合は、心の栄養不足が原因の一つかもしれません。
心の栄養不足。つまり、体を動かすために食事をしてエネルギーを補給するように、健やかに心を動かすためにも、栄養が必要なのです。
「本当は心が栄養不足なのに、体の栄養不足(=口が寂しい、空腹感)と勘違いして過食をしている」という心当たりのある方、実は多いのではないでしょうか?
心の栄養不足は、食べることでは解決できません。心の栄養不足は、心を満たしてあげることでしか解決できません。
それでは、具体的に心に栄養を与える方法をお伝えします。
1.自分の心が元気になる方法を知り、定期的に投資する
a.自分の心が満たされる方法を知る
自分の心が元気になる方法、みなさんはいくつ思い浮かびますか?(もちろん、過活動や過食、拒食以外の方法です)
例えば、「お気に入りブランドのコスメを買った時」「スタバでフラペチーノを飲んでいる時」「無心で小説を読んでいる時」「恋人と食事をしている時」。
私の場合で言うと、美術館にいる時、好きな音楽を聴きながら昼寝をする時、コーヒー豆を挽いてコーヒーを入れて飲む時、玄関を掃除する時が、心地いいと感じる時間です。
こうした自分の心が満たされる方法を日常生活に取り入れるだけで、過食につながるような爆弾的なストレスを少しずつ発散することができます。
ですので、まずみなさんに行っていただきたいのは「自分の心の栄養源を知ること」です。
きっと、摂食障害の方はいつも頭の中は食べ物でいっぱいの方が多いはずなので、心の栄養源をすぐに思い浮かべられる人は少ないかと思います。そう言う人こそ、つまり「心の栄養源が思い浮かばない=心の栄養が足りてない」のです。
そう言う方はまず、摂食障害になる前の趣味や、好きだったことを思い出してみてください。そこにヒントがあるはずです。
b.心が満たされる方法を実行する
そして、一番重要なのは「実行する」ことです。いくら自分の心を満たす方法を知っていても、実行しなければ心は満たされません。
「時間がない」「お金がない」と言う理由で遠ざけていては、いつまでたっても心の栄養不足を過食で満たそうとしてしまいます。
「自分に投資する」と言う感覚で、お金と時間を自分のために使ってみてください。きっとその積み重ねから、過食を克服できたり、あなたを魅力的なものにさせます。
まとめ:心の栄養を満たす方法1
「自分の心が元気になる方法を知り、定期的に投資する」
(1)自分の心の栄養源を自覚する
(2)(1)を定期的に生活に取り入れ、自分に投資する
2.ネガティブに背を向け、ポジティブな言葉で心を満たす
心理学の交流分析の理論に「ストローク・ディスカウント理論」というものがあります。この理論によると、人との関わりは、大きく2つに分けられます。
ストローク・ディスカウント理論
■ストローク=いい人間関係を築く
相手の存在・価値・行動を「認めている」と伝える行動や言葉
■ディスカウント=人間関係を破壊する
相手の存在・価値・行動を値引く行動や言葉など
人の心を壺に例えると、人は心の壺が「ストローク」によって満たされていると、心が安定し、人にもやさしくなれます。
一方、「ディスカウント」という、人からの否定的な言葉や無視などを受けると、壺にヒビが入り、中に入っている液体が漏れます。(または過度なストレス)
ストロークが不足すると、心が不安定になり、人に攻撃的になったりします。
また、このストロークはディスカウントを受けなくても、時間が経つと抜けていってしまいます。ですので、ストロークは、定期的に入れつづけばければなりません。
まとめ:心の栄養を満たす方法2
「ネガティブに背を向け、ポジティブな言葉で心を満たす」
(1)ストロークを取り入れる
- 自分で自分を褒める
- ポジティブな言葉が書いてあるものを読む・見る
- 周りの人に褒めてもらう
- ポジティブな人と話す
(2)ディスカウントに背を向ける
- 摂食障害の悪い症状を報告し合うSNSを見ない
- 否定的な言葉や無視を受ける環境から逃げる
- 傷つける発言をする人と距離を置く
- 気が向かない誘いは断る
3.人に小さな親切をする
上記のストローク・ディスカウント理論は、自分へのポジティブな言葉がけなどで心の壺の8割は満たせても、あと2割は人とのつながりによってしか満たされないという考え方もあります。
つまり、残り2割は、あなたが周りの人に親切をしたことで「ありがとう」と言ってもらったり、相手の喜ぶ顔を見ることが、あなたの心を満たすのです。
この親切で注意しなければならないのは「無理のない親切」と言うこと。例えば、SNSで落ち込んでいる人を見たときに「大丈夫?無理しないでね」と声をかけてあげたり、電車でご年配の方に席を譲ってあげたりしたとき、「誰かに親切にしている自分」に、心が満たされている感覚を感じることはありませんか?
相手に親切にすることで、自分自身も満たされる。これは悪いことではなく、世の中の優しさは、案外「周りに親切にすることで、自分自身も幸せを感じる」と言うケースが多く溢れています。
まとめ:心の栄養を満たす方法3
「人に小さな親切をする」
(1)無理のない程度に、人に親切な言葉をかける・行動する