「夏は汗をいっぱいかいて痩せやすい」「冬は動きが鈍るから太りやすい」と思いこんでいませんか?
今回は「冬の痩せやすさ」についてお話ししますが、冬に痩せよう!と推奨しているのではなく、現在拒食などで低体重の方に対しての警鐘です。寒くて体力が消耗することに危機感を感じ、痩せすぎの状態から脱することができるといいな、という願いをこめて。
ということで、まずはなぜ冬の方が痩せやすいかというお話をします。
冬は基礎代謝が上がる
人は体温を36度前後に維持するために絶えずカロリーを消費しています。
みなさんもご存知の通り、生きているだけでカロリーを消費する基礎代謝というものです。
そして、夏よりも気温が下がる冬は、体温を上げようと基礎代謝が高くなります。
つまり、夏よりも冬のほうが基礎代謝が高く、脂肪が燃焼しやすいのです。つまり、理論上は冬の方が痩せやすいのです。
夏の方が痩せやすく感じる錯覚
しかし、みなさんはどこか夏の方が痩せやすい気がしていませんか?
その理由としてあげられるのは、汗として「水分」が体外に出ていくから。
だから、汗をかくたびに痩せる感覚を得られたり、実際に体の水分量が低下するから体重が落ちることもあります。
でも、みなさんが減らしたいのは「体脂肪」ですよね。
だから脂肪を燃焼させたいなら冬が絶好のチャンスなんですよね。
逆にいうと、現在低体重の方はさらに痩せやすくなるので、注意が必要です。
(拒食真っ只中の方はラッキーと思われるかもしれませんが)
冬が太りやすいと思われがちな理由
私も冬に拒食が悪化しましたが、クライアントさんをみていても冬にがくんと悪化する方が多い印象です。
その理由を考えてみと、「冬は太りやすい」というイメージがあり、ダイエット意識が働きやすいからではないでしょうか。
では、冬が太りやすいイメージを持たれる理由を3つ挙げてみますね。
1:イベントが重なる
クリスマス、お正月、冬休みでだらだら。イベントごとが重なる年末年始って必要以上にカロリーを摂取してしまいがちですよね。
だから太ると感じる人が多くなるんですよね。
2:寒くて運動しづらい
体を動かすのが好きな人でも寒い中の運動は億劫なもの。だから、冬は運動をサボりがちになるのは自然なことだと思います。
摂食障害さんの中には、散歩を趣味にされている方も多いですよね。ただ、寒いと外に出るのも億劫になるため、よけいに「太りやすいから、食べる量を調整しないと」という思考につながりやすくなります。
3:重ね着で体型が隠せる安心感
夏と違って厚着になるため、体型が崩れても周りにバレにくいもの。
だから油断してしまいがちで気づいたら服がきついってことは誰にでもあることです。
このように、世の中の流れ的に「冬は太っても仕方ない」という意識が少なからずあると思います。
でも、摂食障害さんはだからこそ「私はみんなと違って、太るもんか!」と頑張っちゃうんですよね。
しかし、冬の低体重が怖いというお話もさせてください。
低体重の方は冬に注意
入院の基準は諸説ありますが、ある病院では夏季は標準体重のマイナス40%以下、冬季はマイナス30%以下で、早期入院治療の必要性があります(標準体重はBMI22)。
つまり、夏よりも冬の方が基準が厳しいということです。
冬はダイエッターには嬉しいですが、命の危険がある低体重の方は本当に注意したいところです。
「太るくらいなら死にたい」と感じるかもしれませんが、それは病気の声であって、あなたの本来の声ではありません。本当に、命だけは、守って欲しいなと思います。