空腹と満腹を感じない段階なら、時間を決めたほうがいいと思うし、感じるならそれに合わせて食べていいんじゃないかな! pic.twitter.com/cOLKFVBk5b
— あかね@元摂食障害の心理士 (@ed_counseling) April 3, 2023
このツイートについて「もっと詳しく!」という声があったので、答えようと思います。
摂食障害=空腹と満腹がわからなくなる病気
摂食障害になった人が、食事がうまく食べられなくなるのは、「空腹と満腹がわからなくなる」ことが最大の原因だと考えています。
空腹と満腹がわからないから、
・お腹が空いているのに我慢できてしまう(拒食)
・満腹がわからないから、食べ過ぎてしまう(過食)
という症状が出てしまいます。
そのため、摂食障害克服のためには
「空腹と満腹を感じられるようになること」
が一つの大きな目標だと私は思います。
空腹と満腹がわからなくなる理由
摂食障害を長年していると、「お腹が空いたから食べる」という、自然な食欲に任せて食べることが苦手になります。
その原因は、「頭」で食べるようになってしまったから。
頭で食べるとは、
例えば
「これは炭水化物だから食べちゃダメ」
「お腹が減ったけど、18時以降は食べちゃダメ」
「1日1000kcalいないしか食べちゃダメ」
などといった、食事を「太るか太らないか」で選択することです。
頭で食欲をコントロールすることが習慣化されると、空腹と満腹がわからなくなります。
空腹と満腹を取り戻す方法
摂食障害を克服するとは、普通の食欲の感覚を取り戻すことです。
これには、「体の声に従う食事トレーニング」をしながら健康体重を目指し、飢餓状態を解くことが鍵になります。
基本の食事方法は、「三大栄養素+ビタミンミネラル」を1日3食+αです。
これは拒食や過食の症状の違いに関わらず、ベースとなる考え方です。
生理が回復し、空腹や満腹を感じるまでは食事のトレーニング期間として続けてみましょう。
3食に分けて食べた方がいい理由
私が食事を「1日3回に分けてリズム良く」と伝えているのは、生物的側面と社会的側面から考えて理にかなっていると考えるからです。
生物的側面
生物的側面から3食に分けて食べる利点は、消化と血糖値の関係です。
食べ物が胃にとどまって消化される時間は約3時間、脂肪が多い食べ物になると約5時間必要だと言われています。
このように、食べ物を消化する時間を考慮すると、食事の間隔は3〜5時間前後空けるのが適切です。
食事の間隔をあけすぎると、血糖値が下がり過食欲求が生まれてしまいます。
ただ、中には夕食の時間に食事を食べることが怖い方が多く、皆さん夕食をうまく食べることが本当に苦手です。
というのも、「就寝時の空腹はダイエット効果が期待できる」という情報に過敏になっているんですよね。
しかし、就寝時の空腹にもデメリットがあり、筋肉量の減少や睡眠不足も生じます(空腹の状態で寝てしまうと、体の代謝に必要なエネルギーが足りなくなり、筋肉を分解してエネルギーを補完しようとします)。
だから、夕食を特別視せず、他の食事と同じように3食食べて大丈夫だと私は考えますし、私自身も夕食は今は何も気にせず、むしろ1日の中で1番ボリュームのある食事を食べています。
社会的側面
社会的側面ですが、世界の国々それぞれで食文化は違います。
日本は1日3食ですが、インドは1日4食、フィンランドは1日5食が当たり前です。
日本は1日3食で習慣づいている方が多く、それに合わせて学校や会社でも昼ご飯のための休憩が設けられていますよね。
人間は社会的な生き物です。
自分の生活する文化に合った習慣を身につけることが、結果的にストレス軽減につながります。
本題:3食の時間は決めた方がいい?
では、本題の摂食障害克服のために、「3食の時間は決めて食べた方がいいか」というというについては、症状のステージ別に変わってくると思います。
一番初めに話しましたが、摂食障害のゴールは「空腹と満腹に従って食べられるようになること」です。
ですので、空腹と満腹がわかり、それに従って食べられるようになっている人は、1日2食でも、5食でも、空腹と満腹に従って食べるのが自然だと思います。
しかし、まだ正常な食欲がわからない人は「1日3回リズムよく」を心がけ、食事トレーニングを行いましょう。
しかし、時間は固定し過ぎなくていいと思います。
だいたい朝、だいたい昼、だいたい夜でいいです。
なぜなら、食事の時間を固定するほど、生活を食事に合わせる必要が出てきます。
これでは、急な予定に柔軟に対応できません。「1日3回の食事」は守りつつ、時間は厳密に決めないことをお勧めします。