私が引きこもりから脱出できたのは、摂食の仲間がいたから。でも、完治できたのは、病気のことを知らない友達が人生の楽しみ方を教えてくれたから。
案外、病気と無縁そうな人たちも、それぞれが人生に悩み、色んな問題を抱えながら、それでも楽しく生きようとしていた。それを知れたことが良かった。
— あかね@摂食障害カウンセラー (@akane_edcare) September 26, 2019
以前、こんな投稿をしたことがありました。
摂食障害になり、SNSで同じような悩みをもつ人と繋がることで、「SNSの摂食仲間のおかげで毎日頑張れている」と感じている一方で、「摂食仲間の影響で、痩せ願望が悪化してしまう」と感じることもあると思います。
私自身も、克服する過程で摂食仲間にお世話になりました。しかし、最後の完治に至るには、摂食障害のことを知らない人の影響が大きかったです。
今日は私の経験をふまえ、摂食障害の仲間とどのようにつきあっていけばいいのかを考えてみましょう。
症状の段階別SNSとの付き合い方
まずは、私のSNSとの付き合い方をご紹介します。
※拒食になり始めた頃は15年くらい前になるので、
SNSよりブログや掲示板が主流でした
(1)摂食障害になる前
SNS(TwitterやFB、instagram、mixi)などはないインターネットや本で、カロリーを調べる
(2)摂食障害の初期〜SNS仲間がリア友に〜
・私の症状:拒食〜非嘔吐過食・過食嘔吐
高校を留年し引きこもりになり、家族以外に会えない
地元や高校の同級生とは一切連絡を取らない
(3)摂食障害の中期
・私の症状:過食嘔吐
- 摂食仲間の影響で、パンが好きになり、パン屋でバイトを始める
- 摂食仲間の影響で、学校に行きたいと思うようになる
- 1年間の浪人生の時に、SNSから離れる生活になる
(4)摂食障害の後期〜SNS仲間とは疎遠に〜
- 大学入学とともに、普通の友達ができる
- 摂食障害の友人と距離を置くようになる
-
大学入学後にできた友人の1人が摂食克服者で、彼女のようになりたいと思う
- SNS仲間とは一人を除き、全員と連絡をとらなくなる
- アメブロ閉鎖
(5)摂食障害の後期〜完治
広告会社に入社後は、週末だけ過食嘔吐をしながらも、普通の社員としてふるまうこれが私の克服までの10年間のSNSとの付き合い方。
ご覧の通り、摂食障害の初期は、「痩せたい。痩せる方法を知りたい。でも苦しいからどうやったらこの状況から抜け出せる?」という悩みの答えを見つけるために、SNSやインターネットにのめり込みました。
引きこもりだったため、リア友との接触はゼロ。その代わりに、アメブロ仲間と実際に会うようになったり、手紙を送りあいました。
一度も会ったことないブログ仲間なのに、不思議と会うことができました。これは、私を外の世界に出してくれるきっかけになったので、本当に彼女たちには感謝しています。
では、摂食障害の仲間と仲良くなってよかったことと、悪かったことをまとめてみましょう。
▼摂食仲間のメリット
- 症状の悩みを吐露し、共有できる
- お互い食事が苦手なので、外食で気を使わない
▼摂食仲間のデメリット
- 相手の痩せ願望に引っ張られる
- 相手が回復すると、置いていかれる気がして焦り、症状が悪化する
- 逆に、相手が症状が悪化すると安心し、自分の克服のモチベーションが下がる
あくまで上記は私の例ですが、何事も良し悪しがあるということを理解し、自分の症状の段階に合わせて付き合えるといいですね。
病気のことを知らない友達が、未来の扉を開いてくれる
ここからは、少し耳が痛い話かもしれないので、そのつもりで読んでいただきたいのですが、摂食障害を克服するには、「摂食障害ではない人」が克服の背中を押してくれることが多いです。
あなたのことを摂食障害だと知っている人は、あなたに負担をかけないようにと、無意識に大きなチャンスを与えることをためらうことがあります。
しかし、あなたが摂食障害であることを知らない人であれば、なんのフィルターもなくあなたを客観的に見てくれるので、大きなチャンスを与えてくれることがあります。
その大きなチャンスは、一時的には心の負担になりますが、それを乗り越えた時に自信に繋がったり、克服するきっかけになります。
摂食障害ではない人も、悩みを抱えている
摂食障害以外の友人を思い浮かべて欲しいのですが、きっとその人たちも仕事や恋愛で悩むことがあるんですよね。
案外、病気と無縁そうな人たちも、それぞれが人生に悩み、色んな問題を抱えています。
「悩んでも、摂食障害に頼らなくてもいい。他の方法で解決しようとしている人もいる」という事実が、逆に私を前向きにしてくれることもありました。
摂食障害じゃなくたって、人生に悩んでもいいし、弱くたっていい。病気の症状を使って逃避する必要も本来はないんですよね。
「そんなこと言ったって、リア友はいないし」と思う方もいるかもしれませんが、今からでも遅くありません。
何度だって人生はやり直せます。リア友が1人もいないのであれば、新しい環境に身を置いて、そこで一から友達をつくることだって可能です。
私は27で生活していた神奈川・東京を離れ、旦那しか知り合いがいない土地に移住しました。言って終えば、友達はゼロ。
しかし、今では心許せる友人が5名ほど、知り合いはもう少したくさんいます。
ただ、すべていきなりは難しいと思うので、「環境を変えるコツなどを知りたい」という方はお気軽にご相談くださいね。