かつて、誕生日がコンプレックスだった。
私は誕生日が苦手だ。誕生日コンプレックスなのだ。
私の誕生日は11月23日、祝日。毎年必ず祝日ゆえに、学校や仕事はいつも休み。
「今日誕生日なんだ〜」「おめでとう!」なんて、クラスメイトが祝ってもらっている姿がいつもうらやましかった。
私も、友達に「おめでとう」って言ってもらいたかった。サプライズでパーティーを開いてもらいたかった。
祝日に誕生日という理由だけなのに、私は誕生日を祝ってくれる友達がいないと思い込むようになっていた。
でも、それ以外にもコンプレックスを強化する理由があった。
私には、放課後一緒に遊ぶ友達がいなかった。友達は塾や習い事で一緒の子と過ごしていたのに、私は習い事をしていなかったので、放課後はいつも家で過ごした。
と言うよりも、家が過保護で厳しく、幼なじみ意外と会うことをよく思ってもらえず、友達と遊ぶことをいつの日か我慢する子どもに育っていた。
気づいたら、自然と誕生日パーティーは家族でやるものになっていた。
それがコンプレックスだった。
友達に祝ってもらえないことが、恥ずかしかった。
そのせいか、心のどこかで「家族と過ごすのは恥ずかしいこと」だと思っていた。「家族と過ごすことはダサいこと」だと思っていた。
今思えばとってもありがたいことなんだけど、とっても息が苦しかった。
そして忘れもしない16歳の誕生日。
私は拒食症に片足を突っ込んでいた私は、家族と食事をとることが嫌だったのでいつもの誕生日パーティーを断り、自室にこもった。
友達も祝ってくれない。家族のお祝いも拒否してしまう。
私はただただ、誕生日という日を恨んだ。それから6年、私は誕生日は一人で過ごした。
22歳、初めて誕生日にサプライズしてもらった
22歳、大学2年の秋の誕生日。
私は初めて友達にサプライズで祝ってもらった。
このころは、まだ定期的に過食嘔吐をしてしまうことがあったけれども、大学には毎日通っていて、サークル活動もしていたことで、仲間に祝ってもらえることができた。祝ってもらった瞬間、本当に泣きそうになったんだけど、みんななんで私が涙ぐんだのかは知らないと思う。言えなかったよ「家族以外に祝ってもらったのは初めてだ」なんて。
誕生日だからって、祝う必要はない
29歳。今年の誕生日は、いつもと変わらない日常を過ごしています。むしろ、土曜日だけど働いてます、勤労感謝の日なのに(笑)
私にとって、誕生日は特別な日ではありません。いつもの日常の中の一部です。特別な日にしようと思うほど、周りに期待して、消耗してしまうから。
静かに一人、自分の時間を大切にすることが、私にとっての贅沢みたいです。
きっと一人を贅沢と思えるようになったのは、育児のおかげかな?何はともあれ、自分、おめでとう。
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あんまりエッセイ的なものは書くつもりなかったのだけれども、書いちゃいました。「私も〜」とか、「ちょっと聞いてください〜」など、感想を送ってくださると嬉しいです。では、あんまり年齢を重ねるほど成長してないけど、29歳になった私もよろしくお願いします。