摂食障害が少しずつ快方に向かうと、「完璧に症状をなくしたい」「すぐ完治させたい」と、極端にすべてを治したくなる考えになる時があります。
それは、摂食障害になる方が比較的「白黒思考」で、0か100で物事を判断してしまう傾向があるからです。
しかし、みなさんも実感されているように、摂食障害は治そうと思ってもすぐには治りません。それでは、どのようなステップを踏んで治していけばいいのかを、今回ご紹介します。
摂食障害を治すステップ
1.問題を整理する
摂食障害に限らず、何か大きな問題を一度に解決することって至難の技。克服した私でもできません。
まず大きな問題を解決するには、「問題を横に並べて一度に解決するのではなく、問題を縦に整列させて順番に解決する」。つまり、問題をまず整理し、その中から解決できそうなことを一つずつ手を出すことです。
治療の手順
1、問題を整理する
(カウンセラーや専門医にしてもらうと確実)
2、心の問題の解決
(主に症状の原因である心の問題に向き合います)
3、症状の解決
(心の問題と並行して、症状に対する生活の工夫を試行錯誤します)
2.心の問題の解決
「過食をやめたい」「散財をやめたい」「運動をやめたい」と言うのは、摂食障害の症状です。
過食や嘔吐、拒食の症状の裏には「解決したいけど目を背けたい問題」があります。
その「解決したいけど、目を背けたい問題=心の病のもと」を解決しない限り、完璧には症状は無くなりません。
ですので、心の問題に向き合わず、「とにかく過食を我慢する」「運動を減らす」「買い物をやめる」といった症状にだけ対処しても、症状は一時的にしかよくなりません。
また、問題の整理や、心の問題への向き合い方は、自分一人で向き合ってもいいのですが、できれば専門医やカウンセラーに相談することをオススメします。というのも、摂食障害のような「体型に対するゆがんだ考え方」を抱えている場合、かたよった考え方で物事を判断し、客観的に自分を捉えることが難しくなっている場合が多いです。
3.症状の解決
心の問題と並行して、症状に対する生活の工夫を試行錯誤します。症状の解決については、こちらに様々な症状に対する記事が載っているので、自分に当てはまるものを読んでみてください。
ハードルが低い問題から解決する
問題を整理した後に、心の問題と、症状の対処を行うのですが、ここで大切なのが「ハードルの低い問題から取り組むこと」。
摂食障害になる原因は、一つではなく、いくつもの問題が折り重なって症状が進行します。
心の問題の原因にも、いろんな問題があるでしょう。例えば、「両親が不仲」「学校に苦手な人がいる」「成績が伸びずプレッシャー」など。
この中で、一番解決しやすい順番は
- 「成績が伸びずプレッシャー」
- 「学校に苦手な人がいる」
- 「両親が不仲」
他人のことをコントロールすることは難しいので、自分一人の考え方を変えるだけで解決できるものから取り組むといいでしょう。
症状に対しても同じで、実現可能そうなものから取り組んでいきましょう。例えば、「過食をゼロにする」はハードルが高くても、過食を予防するために「夕飯に過食防止するためにバランスよく食べる」はできますよね。
そうやって、自分のできそうな範囲のことから行動し、成功体験を増やしていくことが、自分の自信につながります。
完治は後から振り返ってわかるもの
例えば、過食嘔吐の治る過程って、どんどん症状が出る頻度が少なくなっていって、「あれ、そういえば1ヶ月吐いてない」と振り返ったら治っていたケースが多いです。
人それぞれありますが私はそうでした。
私の治っていく順番を考えてみたところ
- 心のモヤモヤを言語化し整理する
- 嘔吐以外のストレス発散方法を見つける
- 痩せ願望がうすれて行く
(私の場合、この1〜3の間に過食嘔吐がストレス発散から習慣化に変わりました。習慣化されたものは、生活の工夫によって解決します)
1〜3が解決しないうちは、治ったと実感することはなかなか難しいかもしれません。
だから、摂食障害を克服するには「心の問題」と、「症状の対処」のワンセットで向き合う必要がります。
当カウンセリングでは、その両輪で克服を目指していきます。