愛着障害と摂食障害

カウンセリングを行う中で、摂食障害当事者さんの今までの生い立ちや、対人関係の様子を見ていると、摂食障害の根っこには「愛着」の問題が隠れているケースがあります。

愛着障害の特徴は、情緒面と対人関係によく現れやすいです。

・人との距離感の取り方が苦手
・論理的で建設的な議論ができず、感情的に発言してしまう
・意思決定が苦手

このような症状に心当たりある方もいるのではないでしょうか。

今日は愛着障害と摂食障害の関係についてお話しします。

愛着とは

愛着とは、主に乳幼児期の子供と母親をはじめとする養育者との間で築かれる、心理的な結びつきのことです。

愛着障害とは

愛着障害とは、養育者との心理的な結びつきが上手く作れないことが原因で、対人関係などのトラブルが生じる状態のことを表します。

【愛着障害の子の特徴】

▼情緒面「極端」「頑固」
傷つくことに敏感
失敗を恐れる
怒りを上手くコントロールできない
思考が100か0になりやすい
過去の失敗や恐怖をいつまでも引きずる

▼対人関係
人と親密になるのを避けてしまう
親の期待に応えられないときに必要以上に自分を責める
極端に人の顔色をうかがう
嫌われたらどうしようといつもビクビクor攻撃的になる
建設的な話し合いができない
気をひくための「試し行動」がある
(→愛情を確認するための行為といわれています。悪いと分かっていながら「どこまでなら許してもらえるのか?」「自分のことを本当に愛してくれているのか?」と、大人の反応を確認する行動)

▼アイデンティティ
自己評価が低く、自己否定的
意思決定が苦手

 

愛着障害は5歳以前に発症するものとされているので、大人になってから診断がつくことはありません。

しかし、大人で「愛着障害かもしれない」と悩んでいる方もいらっしゃいます。

愛着障害の背景には発達障害が隠れていることもあるため、心配な場合は医療機関での適切な診断を受けることも視野に入れてみてほしいです。

愛着障害によって、その二次的状態であるうつ病や適応障害、不安障害、そして摂食障害になるケースも多いです。

(愛着障害には2種類あり、ここではややこしくなるので説明を省きますが、「反応性の愛着障害」としてお話ししています。)

 

愛着障害の原因

愛着障害の原因は、当事者自身というよりも、養育者や周りの環境の影響が大きいです

・養育者による無視、無関心
・養育者による厳しいしつけ
・兄弟との差別、優劣をつけられた
・褒められることが極端に少ない

克服の仕方

愛着は克服することができます。
克服に欠かせないのが、「安全基地」の存在です。
「安全基地」とは、自分がつらいときや不安なとき、満たされたいときなどに、心理的に安心できる「人」や「場所」のことをいいます。
「安全基地」を得て、心が十分に満たされ、「そこに自分がいてもいいんだ」という自負が芽生えると、無意識のうちに心の奥に引っ込めていた自分自身を表に出せるようになっていきます。
愛着障害では、幼少時に満たされなかったことを成人しても引きずっていますので、その満たされなかった気持ちを補っていくのが理想的です。

摂食障害さんは安全基地が脆かったために、自立のタイミングで摂食障害を発症したとも考えられます。
つまり、愛着障害の子供は親に甘えたくても遠慮する選択を取り続けてしまいました。その結果、安全基地がないまま社会に放り出され、その不安を抱えきれなくなり発症したのでしょう。
だから、「自立は怖い、まだ将来を決めたくない、甘えていたい」という状態に陥り、その不安から目を背けるために痩せることを心の拠り所にしてしまったのです。

だからこそ、治療の過程でご家族が「安全基地」の存在になっていくことが、痩せを手放すためには大切です。

ご家族は、娘さんに対し、何か努力を求めるよりも
・「どんなあなたでもいいんだよ、愛しているよ」というメッセージを送り続ける
・試し行動をされても、その裏側にある欲求を察して答えてあげる
などのことが大切になります。

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