食べたいvs痩せたい…
休みたいvs休んだらダメ…
治りたいvs治すのも面倒….
摂食障害さんの多くは
矛盾する気持ちが葛藤して
苦しんでいますよね。
実は、回復のためには
この「葛藤」の扱い方がポイントになります。
今日はその理由をお話しします。
葛藤は回復している証
まず、前提として
葛藤は、決して悪いことではありません。
誰でも、感情は一つではなく、
相反する気持ちがいくつもある状態が普通です。
ただ、その相反する気持ちが
ぶつかりあうと、葛藤になって苦しいんですよね。
葛藤を簡単に説明すると、
今ある気持ちに新しい価値観がぶつかって、
心が揺れ動くことです。
そして、その揺れ動く過程で
新しい価値観を受け入れながら
自分自身が成長するんですよね。
だから、葛藤する時ほど
成長するチャンスなんですよね。
ただ、摂食障害さんは
葛藤が激しくなると症状が悪化します。
マイルールが厳しくなったり、
過食が激しくなります。
でも、実はそういう時ほど治るチャンスなんですよね。
なぜなら、葛藤を感じる時ほど、治したいという気持ちが強い証拠です。
だって、「今のままでいい」と思っていたら、葛藤は起こりませんからね。
ただ、葛藤は脳疲労につながる
ただ、葛藤のデメリットは「脳が疲れることです」。
よく、私はうつや過食は「脳が疲れている証だよ〜」という話をしますが、
心の病気の原因は脳疲労です。
例えば、脳が疲れると….
【脳疲労のサイン】
- 考えがまとまらない
- ボーっとする
- 集中できない
- ミスが多い
- イライラする
- 怒りっぽい
- 眠気が強い
という症状が現れます。
みなさんも、スーパーで買うものを決められなかったり、
勉強に集中できなかったり
いつもイライラしてしまうのは、脳が疲れているからなんですよね。
思考力とか判断力は体力と同じです。
人間が一日に使える意思決定の量は限られています。
そのため、何も決められないときは、
「意思決定する体力がない=心と時間に余裕がない」ととらえ
脳疲労を解消することに努めましょう。
とりあえず自分が楽な過ごし方を心がけ、リラックスする時間をつくっていいですからね。
回復するために必要なこと
ここまでの内容を整理すると、
回復のためには、葛藤は必要である。
ただ、葛藤しすぎると、脳が疲れて、回復するためにエネルギーを使えなくなる。
ということがわかりましたね。
そう考えると、回復するためには
葛藤する時間を短くすることがポイントです。
つまり、葛藤しても、すぐに一方を選択することです。
葛藤しても、回復する選択をすぐにできるようになることが大切です。
そのために必要なのは、
治る選択をすると決めること
です。
ただ、この「克服すると決める」ということがなかなか難しいですよね。
ということで、治す決断をするための3ステップを紹介します。
1|葛藤を明確にする
何に悩んでいるのか、具体的な状況を書き出してみましょう。
- 具体的にどのようなことで悩んでいますか?
- どんな状況で葛藤を感じていますか?
ただ、複雑な気持ちが絡み合って、
なかなか言語化できないから、今現在苦しんでいるのだと思います。
だからこそ、このときに誰かに相談できるとベストです。
私のカウンセリングでも、まずはここからスタートします。
2|選択肢を整理する
次に、各選択肢のメリットとデメリットを比較検討します。
長期的な視点と短期的な視点の両方を考慮するとベターですね!
3|決断をする
最後に、回復すると決めましょう。
ただ、この時に「治したいのに、治すと決められない」という場合は
カウンセリングなどを通して「なぜ自分は、治す決断ができないのか」を考えていく必要があります。
そこには、過去に傷ついた経験がかかわっていたり、未来に不安があることがほとんどです。
(または、残念ながら「今は治さない」という決断でもいいでしょう。ただ、摂食障害は長引くほど治しづらくなったり、代謝低下から太りやすい体質になることはおわすなく!)
一番楽で、一番早く回復する方法
最後に裏技として、
一番簡単で、一番早く回復する方法もお話ししておきますね。
その方法は、
信頼できる治療者に、具体的な行動アドバイスをもらい、従ってみることです。
よくみなさん「具体的に何をしたら良いかわからない」って思う瞬間ありませんか?
どんな食事を選んで、どんな運動をすれば良いのかわからない。
だから、とりあえず毎日同じマイルールをしているという人も多いと思います。
摂食障害の方は
①考えることに疲れている
②偏ったダイエット情報を信じすぎている
③理想が高く、高い目標を立てやすい
という傾向があり、
適切な行動目標を決めることが苦手です。
だからこそ、あなたにあった行動目標を決めてもらう、もしくは一緒に決めていくことが大切です。
そして、ちょっと怖くても、自分のこだわりを一旦捨てて、素直に行動目標にしたがってみてください。
前にもYouTubeで紹介しましたが、
私のクライアントさんで
壮絶な過程環境、下剤70錠を常用、毎晩の過食嘔吐がやめられなかった40代の女性が3ヶ月で回復できたのは、
自分流で回復することを諦めて
私を信じて、私の言いなりになって行動できたからです。
こんなことを言うと宗教チックで嫌なんですが、
宗教にハマる人というのも、
ある意味、思考停止して
それを信じて、その通りに行動していれば「安心できる」とか、「楽」だからというのもありますよね。
そういう意味で
摂食障害さんは信頼できる治療者に出会うことが、一番楽に、一番早く回復する方法だと思います。
葛藤を乗り越えるための心得
1|完璧な答えはない
葛藤には、必ずしも完璧な答えはありません。
どの選択にも、メリットデメリットがあります。
そして、最善の選択をしても、うまくいかないこともあります。
その時は、その結果を受け入れることも大切です。
2|時間が解決することもある
葛藤する時間を短くしよう!
と言いましたが、時間をかけてじっくり考えることで、解決策が見えてくることもあります。
焦らず、自分のペースで取り組んでいきましょう。
3|症状以外で現実逃避する方法を見つける
どうしても、摂食障害さんは
葛藤から離れるために、マイルールや過食に没頭することで現実逃避しようとしてしまいます。
だからこそ、症状以外で現実逃避する方法をいくつも見つけておくことが大切です。
例えば、ドラマ鑑賞、ゲーム、読書、などいろいろありますよね。
初めは物足りなさも感じるかもしれませんが、慣れるまで続けてみる努力も必要です。
さて、参考になるヒントはあったでしょうか。
葛藤している気持ちを整理するためだけに、私の体験カウンセリングを受けるのもありです。(毎月25日に数名限定で募集します)
みなさんが、自分にとって最適な解決策を見つけられますように。