ですので、自分はおかしいのではないか、、と思わなくて大丈夫ですからね。
摂食障害さんは、どちらかというと「自分の本音に従って、意思決定することが苦手」な傾向があります。
例えば、進路を「親に言われたから/偏差値が高いから/周りの子より良い学校に行きたいから」という理由で選びがちです。
摂食障害の子は「社会的に評価されること」を優先させた結果、自分がどんなことが好きで、どんな環境で生きたいかの感覚が鈍感になります。
その結果、自分の本音で選択することが苦手になり、自分の人生の舵を自分でとる感覚がなくなり、自分軸で生きている感覚が乏しくなります。
そう考えると、摂食障害回復のためには、「自分の本音に気づくこと」に加え、「自己決定する練習」が大切になります。
今日は自己決定するために必要なことについて一緒に知識を深めていきましょう。
判断することが苦手な理由
では、まず判断する状況の際、私たちの気持ちはどのように揺れ動くのかを分析してみました。
①正解や経験がわからないことに対し、失敗を恐れる気持ちが強い
人は誰でも失敗を恐れる気持ちがあって当然です。
ただ、失敗してもそれを許されなかったり、過度に怒られた経験がある方は、失敗することに過剰に敏感になります。
また、完璧主義的な考えが強いと、正解にこだわりすぎて、答えがわからないことに対して判断できなくなってしまいます。
②状況を整理することが苦手
目の前の状況を整理し、要点を理解することが苦手だと、頭の中がごちゃごちゃになってしまいますよね。
だから、あれもこれもと様々な思考が錯綜して混乱してしまいます。プチパニックの状態です。
どちらかというと、発達障害の傾向がある方は、状況整理が苦手な傾向があります。
③こだわりが強い
「これはこうしなければならない」「これはこうあるべきだ」「これはこう考えるのが普通」といったように、自分自身の考えに強いこだわりがあると、他の考え方を受け入れることができずに、柔軟に考えて最適な答えを出すことが苦手になります。
判断することが苦手な人がしてしまう行動
では、判断することが苦手な人が取りやすい行動パターンを4つ解説します。
①自分の意見を言えない
自己決定が苦手と自覚されている方は、自分の意見があってもそれを発言することが苦手です。
そのため、「自分は意志や考えがない」「他人にすぐ流されてしまう」と、自分自身の特性を認めている方も多いと思います。
自分の意見を言えない方は、自分の本音に沿って行動ができないので、非常にストレスを溜めているはずです。
②人間関係を避ける
コミュニケーションは判断することの連続です。
そのため、判断することに苦手意識のある方は、自然と人間関係を避けてしまう傾向があります。
そのため、「報告・連絡・相談」が苦手な傾向があり、対人関係だけでなく、仕事でもトラブルにつながることもあります。
③やるべきことを先送りする
例えば、自分自身でも「摂食障害は早く治したほうがいい」と思っていながらも「後で落ち着いて考えよう」などと、今やったほうがいいと分かっていながらも、問題を先延ばしにする傾向があります。
④脳内シミュレーションを永遠にしてしまう
自己決定が苦手な人は失敗することを恐れているので、「もしこうなったら」「もしああなったら」と様々な状況を仮定して対策を立てようとし、準備にキリがなくなってしまいます。
逆にいうと、準備ができる方なので、そのぶんテスト勉強がきちんとできたりするなど、いい面もあります。しかし、すべてにおいて行動が遅くなったり、挑戦することを恐れる傾向があります。
自己決定の苦手意識を克服するための心得
①自分自身の特性を知る
まずは、自分自身がどういう状況になると判断が苦手になるのか、なぜ判断するのが怖いのか、判断することを恐れることで失っているものは何かを整理し、自分の特性を知りましょう。
②問題を整理する方法を学ぶ
単純に、スキルとして問題整理・解決の方法を知らないという方も多くいます。
世の中には、様々な問題整理術や解決方法のヒントが書かれた本や情報が出回っているので、それらを読んで自分にしっくりくるものを取り入れてみましょう。
③不安な気持ちを抱えながらも、妥協しながら折り合いをつけていく
だれでも不安はあっていいんです。
ただ、その不安を感じながらも、妥協できるラインで折り合いをつけながら、おそるおそる、手探りで、道を切り開いていくことが人生には求められます。
なかなか妥協したり折り合いをつけることって慣れないと許し難いことでもあると思いますが、妥協したほうが結果的に自分が楽になるという経験をしてみると、意外と悪くないものだなって感じると思います。
少しずつ、自分の本音を優先しながら、自己決定する練習をしていけることを応援しています。