【質問】拒食回復期の体型の変化との向き合い方は?
Instagramでゲリラ的に当事者の質問を集めています。
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よかったらご覧ください。
今回の質問は「拒食回復期の体型との付き合い方」について。
きっと多くの摂食障害さんがぶち当たる問題だと思うので、健康体型の受け入れ方についてお話ししますね。
低体重から健康体型までの考え方
「体型の考え方」ですが、低体重から生理が来るくらいの健康体重になるまでの期間、「体重増えて嬉しい!!!」と思える人はほぼゼロだと思います。
また、すでに健康体型の人でも「今の体型は太っている、嫌だ」と思うのが普通だと思います。
ほとんどの摂食障害さんが「痩せたい気持ち」と戦いながら、健康になっていく体を「しぶしぶ」受け入れていると思います。それが普通だし、それでいいと思います。
だから、周りは気安く「健康的になったね」とか、食べることを涙ながらに喜ぶとかは絶対にしない方がいいです。当事者本人からしたら「興醒め」な反応です(笑)
特に母親がそうだと「もっと心配してもらいたい」とか、反抗心に火がつくので、まわりは体型について何も言わない・反応しないことが望ましいです。
では、当事者本人は「痩せ体型でいたい」気持ちと、どう折り合いをつけて健康体重を受け入れていけばいいのでしょうか。
私は、7つのことを自分に言い聞かせながら過ごすことをお勧めしています。
・自分の体型にみんな興味ない
・BMI22以下であれば、自分はまだ痩せている
・体型で自分を評価する人・環境・情報と離れる
・痩せ体型でいたデメリットを自覚する
・体型が健康になるほど得られるものを認識する
・心配より、信頼される心地よさを感じていく
・生理が復活したらボディメイクすればいいか〜くらいの気持ちでいる
一つずつ解説しますね。
1、自分の体型にみんな興味ない
私も回復期の時に、家族に「あんたが太ろうが痩せようが、誰も何も思わないよ」と言われたことが信じられませんでした。
でも、自分が回復してみると、本当にそうなんですよね。
あの頃は自意識過剰だったな、と思います。
まわりのひとは一瞬「あれ、太った?」と思うこともあるし、それを声に出してくるデリカシーのない人もいます。
でも、ただその一瞬だけです。その一瞬はすごく傷つきますが相手はほとんどの場合は悪意はなく、流していい反応です。
その人の体型が痩せていようが、太ろうが、その人自体の印象や付き合い方は大きく変わりません。
むしろ、体型変化して離れていく人は、あなたを本当に大切に思う人ではないので、遅かれ早かれ別れが来るものと思ってサヨナラしていいと思います。
2、BMI22以下であれば、自分はまだ痩せている
よくみなさん「標準体重は嫌だ、太っている」と言います。
めっちゃわかります。私も過食で体重が増えても標準体重+2kg以上に行くことはありませんでした。徹底的に阻止したい気持ちがありました。
たしかにダイエット界隈ではBMI17とか18とかが美容体重とされていますよね。
それで食欲が安定していたり、子供が産める体であればそれでいいでしょう。
しかし、過食があったり整理がないのであれば、あなたにとって心地いい体重はもう少し上のラインでしょう。
そのような自分の体型や体質を受け入れ、付き合っていくことがこれから大切になると思います。
3、体型で自分を評価する人・環境・情報と離れる
体型で人を評価する人や、厳しい体型維持を求める環境(例えば、モデルや芸能関係)は離れた方が、摂食障害回復のためにはいいでしょう。
また、ダイエット情報や痩せていることの方が素晴らしいと思わせるような情報とは距離をおいた方が心が乱されずに済みます。
そういう情報や環境がなくても幸せに生きる方法はたくさんあります。
自分が無理しなくても済む、心が乱されなくても済む生き方を見つけて行くことをおすすめします。
4、痩せ体型でいたデメリットを自覚する
痩せたい気持ちもわかります。
ただ、痩せを最優先にした結果、犠牲になったものもたくさんあるはずです。
例えば、勉強に集中できない、友人との食事をあきらめる、満足に働けないなど、きっと悔しい思いをしたことがたくさんあるはずです。
まずはそれを自覚してみましょう。
5、体型が健康になるほど得られるものを認識する
逆に、体型が健康になるにつれて苦しくなることも増える一方で、幸せを感じられることも増えてきたはずです。
例えば、冷えが和らいだとか、好きなものを食べられるようになったとか、ショッピングに行っても楽しめるようになったとか。
そういう「体が健康だからこそ感じられるしあわせってありますよね。そんな普通の人にとっては当たり前のことでも、「幸せに感じられる」というのは一種の幸せに生きるスキルです。そして、小さな幸せを感じられる天才になる程、生活は豊かなものになっていき、それは一生の財産になるはずです。
6、心配より、信頼される心地よさを感じていく
摂食障害さんの中には「心配されたいから・かまってほしいから」という感情が、痩せたい気持ちに現れる方がいます。
言って仕舞えば、言葉で伝えることが苦手だから、痩せ体型を使って表現するという手段を使ってしまうんですよね。
だからこそ、回復の過程で「言葉で自分の感情を伝えること」を鍛えていくことが大切になります。
そして、心配されることよりも、信頼されることの方が自由を手にしやすく、自分の思うままに生きていけるという感覚を得られるようになると、心配されたいがために痩せ体型でいようと思わなくなるでしょう。
7、生理が復活したらボディメイクすればいいか〜くらいの気持ちでいる
まず、摂食障害が治るとは、太ることではありません。
体と心が健康になることです。
そして、健康を維持するためには肥満にならないことも大切です。
だから、健康体になったら適度な運動をすることは悪いことではなく、むしろ健康維持のために大切になります。
ただ摂食障害の方は運動が過食欲求につながりやすくなったり、強迫観念的な運動になりやすい傾向があります。
そのため、私は低体重の方や、摂食障害の症状の波が激しい時は、あまり運動することをお勧めしません。
ただ、摂食障害が治れば、運動もいいストレス発散方法になります。
だから、摂食障害が回復してから、いくらでもボディメイクをしたければすればいいと思う派です。
中にはジムに行くことが回復につながる方もいますが、摂食障害の症状がまだ多く残っているのに、ボディメイクを目指して症状が悪化したり長引く方を数多く見てきました。
摂食障害を根本的に回復させるためには、痩せ願望の緩和が大切です。
だから、順番としては、摂食障害を回復させた後に、理想の体型を目指すほうがいいと思います。
ということで、今日は摂食障害と体型の受け入れ方についてお話ししました。
少しでも参考になれば幸いです。