拒食脱出後、集中力がなくなる理由

【質問】拒食脱出後、集中力がなくなりました

Instagramでゲリラ的に当事者の質問を集めています。
インスタのストーリーかYouTubeで抽選で解答していくので
よかったらご覧ください。

今回の質問は「摂食障害が回復し始めてから、集中力がかなり落ちた気がします。試験勉強が捗らず自己批判してしまいます。」という相談です。

【回答】無気力や疲れを感じるのは、回復している証です

まず、拒食から食べ始めると

・集中力が落ちた
・無気力になった
・眠気を感じる

そう訴える方が大半なので、あなたの意思の問題ではなく、体調の問題なので安心してください。

では、まずは拒食の頃、そして食べ始めた現在、どんなことが体で起こっているかを説明しますね。

【拒食期】
食事を制限し、体重が減り始めると、達成感や気分の高揚感があり、運動をしても疲れを感じにくくなります。また、自分をコンロトールしているという満足感も得られ、当事者には病気と言う認識は少しもありません。

これは「ダイエットハイ」と呼ばれる状態で、人は飢餓状態になると、苦痛をやわらげるホルモンが分泌され、それがますますダイエットを加速させます。

この頃はまだ、食事も運動量も意思でコントロールでき、それと同じように勉強に対してもハイ状態で、食べていない割りに集中力が高い状態でした。

【回復し始めると】
回復の過程で食事がとれるようになると、体と脳に栄養が渡り始めます。すると、拒食の頃のハイ状態が緩和し、今まで無視してきた「体の疲れ」を自覚できるようになります。特に頑張り屋の摂食障害さんは休むことを悪と考えていたために、人よりも疲れを溜めている場合が多いです。一度体の疲れを自覚すると、体が重たく感じ、人によっては無気力状態になります。

また、拒食の頃の「食事制限モード」が限界に達し、飢餓状態の防衛反応から食欲は暴走し始めます。
このように食欲をコントロールできなくなると、1日中食べたくて仕方がなくなります。

【回復のための心がけ】体の声に従って、休養につとめる

心の回復には体と脳の休養が必須です。

例えば、うつ病は、「脳の疲労」が原因と言われています。
そのため、治療のために「とにかく寝ること」を推奨され、回復の過程で1日中寝ている時期もあるそうです。

また、体調にトラブルを感じ、それを解決するためにはまず「休養」が第一にすべきこととされています。

休むことで心のエネルギーを回復させ、やっと自分の心の問題に向き合うことができます。

つまり、心のエネルギーが溜まっていない状態ではなにをやっても満足するパフォーマンスを発揮することができません。

摂食障害さんは、高い理想を掲げて頑張ろうとしますが、心のエネルギーが追いつかず、うまくいきません。そのため、いったん「理想に近づくために、理想を目指すことをあきらめる」と決めることが大切です。「やらなければ」ではなく「やりたい」と思うまで何もしないことを、ご家族から声に出して許しましょう。「治療のために何もしなくていい」と割り切ると、肩の荷がおり休むことができます。

※休養せず、集中力が欲しい場合

それでも
「定期テストが迫っている」
「仕事に集中したい」

など、休んでいられない人や、どうしてもやりたいことがある人もいるかもしれません。

その場合は、「標準体重までできるだけ早く回復させる」
「食事の時間を決め、食事を2000kcal以上しっかり摂る」という2点を心がけてみましょう。

低体重からの飢餓状態を解除でき、食事の時間でしっかり食べることができれば、体は満たされているので「もっと欲しい」という状態になりづらく、他の時間に食事のことを考えなくてすみます。

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