「痩せたい・太りたくない病気」です。
ただ、単純に痩せたいから減量にはげんだのではなく、
痩せることによって得られる「何か」を求めています。
つまり、痩せたい気持ちの裏には、別の望みが隠れています。
例えば、家族に愛されたい、挑戦に失敗しても味方でいてほしい、どんな自分でも応援してほしいなど。
そんな「不安・不満」や自分の本当の望み を知るためにも、
その第一歩である「自分の本当の気持ちに気づくこと」が大切になります。
むしろ、自分の気持ちを言葉にしていかないと、治りません。
カウンセリングは、自分のモヤモヤした気持ちを言葉にする場所です。
言葉にすることで、やっと回復の糸口が見えてくるんだよね。
気持ちがいくつもある
ただ、気持ちを言葉にしようとすると、いくつものぐちゃぐちゃした気持ちが入り乱れていることがほとんど。
例えば
「治したいけど、痩せていたい」
「食べたいけど、体重は増やしたくない」
「運動をやめたいけど、太りそうで怖い」
みなさんもこのような「矛盾」した気持ちの葛藤がありませんか。
これは、本来の自分が発する「健康になりたい声」と、病気が発する「摂食障害の声」がせめぎあっている状態です。
克服のために自分と向き合い始めると、
このような「感情があふれ、ぶつかり合う」という場面に出くわすはずです。
しかし、葛藤が激しくなると、つい「症状が悪化した」と感じますが、克服には必要な過程です。
むしろ、葛藤を感じる時ほど、治したい心が育っている証拠です。
だって、「今のままでいい」と思っていたら、葛藤は起こりませんからね。
感情は一つではありません。相反する気持ちがいくつもある状態でOK。
矛盾する気持ちがあっても、それがすべて「自分」であり、「自分の本音」です。
その本音こそ、向き合う課題のヒントになります。
なぜなら、
ただ、気持ちがいくつも出てくると
「どれが自分の本音で、どれが病気の声かわからなくなる」
という課題が出てくると思います。
今日は、「回復するために優先すべき声」についての見分け方についてお話しします。
病気の声と健康になりたい声の見分け方
方法1|WANTとMUSTで考える
例えば、
「休みたいけど、勉強すべき」
という気持ちが頭の中にうかんだとします。
その時に、その気持ちを2つに分けて考えてみると、
「WANT」と「MUST」にわけられます。
この場合、休みたいがWANTで、勉強するべきがMUSTです。
本当はWANTの声を優先させてあげたいところですが
日常生活を送るためにはMUSTの声を優先させてあげることも必要です。
しかし、ほとんどの人は「まぁいいか」といって、WANTの気持ちも優先してあげられます。
一方、摂食障害さんはここが完璧にMUSTに寄せようとするんですよね。
私がここでお話ししているMUSTは顕在意識というもので、自分の意思で目標を決める「思考」の部分です。
一方、WANTは「無意識」におこる、「感情」の部分です。
摂食障害の方は「痩せているべき」「頑張るべき」「勉強するべき」という顕在意識を優先させる傾向があり、「食べたい」「休みたい」などの潜在意識を否定しがちです。
矛盾する気持ちにであったら、WANTとMUSTにわけてあげて、たまには「WANT」を優先させてあげる練習をしましょう。
つまり「勉強しなければいけないけど、休みたいから休む」という具合に^^
方法2|欲求を制限する声はすべて病気の声
もっとわかりやすい考え方で言うと、
「やりたいことに対して、それを制限する声はすべて病気の声」
つまり「本音ではない気持ち」と考えるとわかりやすいです。
例えば、
「ドーナッツが食べたいけど、太るからダメ」
「休みたいけど、勉強しなきゃダメ」
「疲れているけど、運動しないとダメ」
「飲み会に行きたいけど、カロリーが怖くていけない」
「家族に気持ちを伝えたいけど、受け入れてもらえなかったら傷つくからやめておこう」
つまり、本当は送りたい生活があるのに
摂食障害の声(痩せたい気持ち)や恐怖心がそれを制限しようとしています。
だから、マイルールを優先する生活になってしまうんだよね。
回復のためには、制限する声をゆるし
本来の欲求を勝たせてあげることが大切です。
「ドーナッツが食べたいなら食べる」
「休みたいなら休む」
「自分の気持ちをいいたいから言う」
というように、ちょっと怖くても自分の本当の欲求を叶えてあげてほしいな〜と思います。
その積み重ねが、回復につながります。
まとめ
本心を優先できない根底には、自己肯定感の低さや、トラウマから生まれる恐怖心があります。
自己肯定感が低いと潜在意識を大切にできず、顕在意識で描いた理想の自分になろうとします。
だから「ありのままの自分を大切にできず、痩せて美しい姿になりたい」という気持ちが生まれるんですよね。
だから、自分の本音を優先し、
マイルールをやめていくためには
恐怖心を克服したり、自己肯定感を高める(自己否定的な考えを軽くする)ことが大切です。
その根底には、幼少期の傷ついた経験があるはずなので、トラウマのケアをすることをおすすめします。