つまり、自分が幸せになることを許せない心があるはずです。
今回は罪悪感との付き合い方についてお話しします。
参考にした本はこちら
罪悪感チェック
罪悪感とは、自分がした行為を悪いと思う感情です。
例えば、
- 自分をダメ出しする
- しあわせになってはいけないと思っている
- 自分を追い詰める癖がある
- 人からの感謝や愛情を素直に受け取れない
- 過去の後悔を思い出すことが多い
- うまくいかないことがあると自分が悪いと思う
- うまくいかないことがあると誰かのせいにする
- 恋愛も勉強も無理して頑張りすぎてしまう
- 自分と仲良くしてくれる人に申し訳ないと思ってしまう
上記の状態に心当たりがある方は、罪悪感を感じやすいタイプと言えるでしょう。
3つの罪悪感のタイプ
罪悪感にはさまざまなタイプがありますが、
代表的な3タイプがこちら。
(1)加害者の心理
(誰かを傷つけてしまった、迷惑をかけてしまった)
罪悪感というとまずイメージできるのがこの感情ではないでしょうか。
彼女を振った、ミスをして迷惑をかけた、嘘をついた、などさまざまな面で出くわします。
特に摂食障害の方は、症状を隠すために「嘘をつく」ようになり、嘘をつく頻度が上がるほど罪悪感も同時に多く感じるようになっているはずです。
(2)無力感
(誰の役にも立てなかった、力になれなかった)
これは比較的多くの方が感じる罪悪感であり、特に仕事柄、人に与えるサービス業をされている方は、感じやすい感情だと思います。(カウンセラー業はまさにそうですね)
この罪悪感は幼少期に両親が不仲だったり、不幸そうな雰囲気を感じるほど、罪悪感を感じやすくなります。そして、このまま大人になると、「罪悪感」を感じないようにするために、役に立ちたいと思うあまり、ダメ男につくしてしまったり、ノイローゼになるまで会社のために働いてしまったりします。
(3)見捨ててしまった
(何もしなかった)
「加害者の心理(何かしてしまった)」の対極にあるのが、この「何もしなかった」と感じる罪悪感です。
例えば、いじめを見てみぬふりをした罪悪感などもこれにあたります。
罪悪感を感じる原因
罪悪感になる原因はさまざまな要因がありますが、一つ大きな者として「幼少期の経験」があげられます。
特に不仲の両親の元で育った「いい子」ほど、頑張って親の期待に応えようとしたり、親が不仲なのは自分のせいだと思い込んだりします。
しかし、親の期待には全部答えられなかったり、親が喧嘩をやめないと、罪悪感を感じやすくなってしまうのです。
つまり、先ほど説明した無力感という名の罪悪感ですね。
そして、母と子の間で行きすぎると「母子癒着」の状態になります。
母子癒着と罪悪感
心理的に相手との境界線がなくなり、常に相手のことを考えている人間関係を「癒着」と言います。
誰かと自分の境目がわからなくなってしまい、相手の感じている感情を自分のものと感じてしまったり、相手を一人の人間として認められずに自分として扱ってしまう状態です。
すると、相手の感情に強い影響を受けるようになり、相手に振り回される関係になります。
これは、摂食障害の当事者とその母親に多く見られる傾向があります。
そして、この母娘をつなぐ感情が「罪悪感」です。
例えば、お母さんがイライラした気持ちになっているのを見た子供は
「自分のせいでお母さんはイライラしているのでは?」と罪悪感を感じます。
(本当は、お母さんは仕事などでイライラしているのにも関わらず)
また、受験生のお母さんは、娘が勉強しない様子を見て
「自分の育て方が悪かったんじゃないか?」と罪悪感を感じます。
癒着関係になると常に相手のことを考えるので
2人分の人生を生きることになりストレスが増してしまいます。
また、子供が思春期になり、そこで反抗期を迎え、無理に自立しようとすると、理性(健在意識)では親から離れられているのに、感情(潜在意識)は癒着したままなので、さまざまな矛盾した気持ちや行動を生み、混乱してしまいます。それが生きづらさになっているのです。
物への癒着=依存
ものに対して癒着する状態を、依存症といいます。
依存することに対して初めは罪悪感を抱きますが、感情は感じ続けると麻痺する性質があるので、だんだん罪悪感を感じづらくなってきます。
そこで、さらに刺激を求めてものに依存する悪循環が生まれます。
罪悪感が強い人の特徴
1、責任感が強すぎる
基本的には責任感が強いのは良いこととされています。しかし、罪悪感の強い人は、本来なら背負う必要のない責任まで、自分の責任と考えてつらくなったり、首をつっこむことがあります。
例えば、会社で自分の仕事以上の仕事をしてしまったり。後輩の責任を自分が感じてしまったり。必要以上に責任が強いことによって、人に頼ることが苦手だったりします。
2、罪悪感が裏返り、自分を正当化する
罪悪感が強いほどそれを認めてしまうとそれ相応の謝罪をしなければならないと思うようになります。しかし、それを受け入れられないと、正当化したり、責任転嫁をしたりします。
3、人との距離感が苦手になる
罪悪感が強い人は、過干渉、過保護になってしまったり、逆に人と親密になることを避ける傾向があります。
4、人に尽くしすぎる
助けを必要な人ばかりと付き合うようになったり、仕事を背負い込み過労状態になります。
5、孤立しやすい
罪悪感があると、大切な人が何を言っても、自分の言動を責めているように感じてしまうので、どんどん周りと距離をとるようになってしまいます。
罪悪感との付き合い方
1、罪悪感を切り捨てない
罪悪感を否定する必要はありません。
まずは「自分は罪悪感を持っている」とうけとり、それを認めましょう。
2、罪悪感の裏にある愛を自覚する
私たちは「愛する人を愛せなかった」ときに、最大の罪悪感を覚えます。
つまり、罪悪感を感じるということは、そこに愛があるのです。
罪悪感の量と愛の量は比例し、愛が強ければ強いほど罪悪感も強くなります。
だからこそ、罪悪感を感じてしまったら、その奥にある愛を見るようにすると、自分を許せるようになり罪悪感から解放されます。
例えば、お母さんへの誕生日プレゼントをあげわすれて罪悪感を感じたら、「私はお母さんを愛しているんだな」と捉えてあげると、そんな自分を許せそうな気がしませんか?
だから、罪悪感を感じた時に「誰が悪い」「何が悪かったか」などと犯人探しをするのではなく、「そこに愛があるとしたら?」という見方をしてみましょう。
3、他者の善意を素直に受け取る
相手に親切にされたり、善意で何かしてもらった時に
それを素直に受け取れず、自分の犠牲的な態度によって相手に罪悪感を感じさせてしまうことがあります。
つまり、自分の罪悪感回避のために誰かに罪悪感を感じさせてしまう。
さらにいうと、罪悪感を感じやすいと、
その周りの人に対し罪悪感を生み出しやすいのです。
これってあなたの望むことでしょうか?
したがって、誰かの善意は素直に受け取ることが正解です。
ポイントはここで「感謝の言葉を伝えること」です。
そうすることで、自分自身も罪悪感から解放され、お互いがハッピーになります。
4、自分を主語にして考える
罪悪感を持ちやすい人は、他者を主語にしやすいので、自分を主語にして物事を考えたり行動しましょう。
例えば、「お母さんが悲しむから勉強する」ではなく、「自分がテストでいい点を取りたいから勉強する」などというふうに。
5、自分を許す
人は罪悪感を感じると、自分自身を責めてしまいます。
そこで、だれかに許してもらっても、それを自分自身が受け入れられなければ自分自身は罪悪感を感じたままです。
だから、自分自身を許すことが罪悪感を癒すことになります。
6、自分のご機嫌を取る
もうワンステップ先を目指せそうであれば、「自分のご機嫌をとる」ことに挑戦してみてください。
つまり、自分自身を愛す練習をしましょう。
すると、自分自身が笑顔になることで、周りの人も笑顔になるという実感を得ることができるでしょう。
7、自分は愛されている証拠集めをする
自分は愛されている、と感じられる証拠を書き出しましょう。
可視化できると、よりいっそう自分は愛される価値があると実感でき、罪悪感から解放されます。
罪悪感は誰もが感じる感情です。しかし、必要以上に感じすぎると、自分自身も、周りも、心地よく生きることができません。
まずは自分がどんな時に罪悪感を感じるかをチェックしてみましょう。