摂食障害当事者がカウンセラーになった理由

なぜ当事者だった私がカウンセラーになったのか
 

誰にも言えないホンネの行き着く先で

名前も顔も知らぬ私の元に、毎日何通もの悲痛な叫びが届きます。

20kg台なのにまだ痩せたい、バリキャリの裏で毎日嘔吐している、真夜中の3時間のランニングがやめられない、自傷で柔軟剤を飲んでしまう。時には彼女を救いたい彼氏さんや、海外の方からも。

しかし驚くことに、その苦しんでいる彼女たちの大半は、オモテの世界では普通にメイクをして、出勤して、友達と遊んで、何事もなかったかのように過ごしています。摂食障害は体重で判断できるほど単純な病気ではなく、みんなリアルの世界では友達や家族、職場の人に摂食障害を隠しながら生活しています。

それが、この摂食障害の実態。だからこそ、誰にも相談できずに苦しむ人が絶えないのです。その証拠に、SNSの「裏アカ」で、「過食材買いに行く」「今から3R目」「BMI12になりたい」などの病気の声があふれています。

医者未満、家族未満、友達未満

私も痩せ始めた時のことを考えると、「痩せすぎちゃった、どうしよう、病気かな?」なんて誰にも言えませんでした。(拒食のハイ状態で)体は元気だから病院に行くほどでもないし、家族に言ったら心配されるから言えないし、友達に相談したら嫌われちゃうかもしれない。そんな気持ちから誰にも相談できずに黙々と痩せていきました。

きっとこういう経験は私だけではないはず。だからこそ、匿名の相談が絶えないのです。

摂食障害の治療は、早ければ早いほど克服の壁が低くなります。だから私は、症状が深刻な状態になる前に、医者未満、家族未満、友達未満である「匿名の誰か」に気軽に相談できる場が必要だと感じています。その誰かというのは、克服して完治した方がより適切だと感じます。なぜなら、誰よりも病気の苦しみをわかってあげられる、かつ誰よりも病気を克服した喜びやそのノウハウを知っているから。当事者同士の会話は馴れ合いになりがちですし、医者は仕事という壁があるし、当事者じゃない人だと「あなたの気持ちはわかりますよ」の距離が縮まらない。さらに、経験者に加え、メンタルケアの専門的な知識を持った視点を加えることで、より具体的で適切なカウンセリングができると考えています。 顔も名前もわからない相手だからこそ、本音がやっと話せることもあります。

低体重の方は、まずは病院での治療が懸命

気の合う先生が近くの病院では見つからなかったり、外に出られない方にとっては、オンラインカウンセリングが役に立つ場合が多いと感じています。しかし、命に関わる重症の方はまず初めに心療内科や精神科に行くことをすすます。私も3度入院しましたが、ある程度の体重まで回復しないと、自分自身の心に向き合うほどの体力を取り戻せません(低体重を心配する方は、まずはカウンセリング可能かご相談ください)。

家族や友だちに自分を理解してもらいたい

克服する上で、家族や友達に自分の気持ちを伝えることは避けて通れません。コミュニケーションを重ね、理解を深めるほど信頼関係は深まるものです。

しかし、いきなり身近な人に病気の症状を話すことはしんどいですよね。だから家族や友達にカミングアウトする前に、専門家に相談するのは良い練習になると考えます。それが私の役目ではないかと。

みなさんは、私を踏み台にして克服していいんですよ。私はカウンセラーとして、そして、1人の人間としてあなたのお話を聞かせていただきます。

表現できるほど自由になれる

少し話がそれますが、私の信念に「表現ができるほど自由になれる」というものがあります。つまり、人は自分自身を表現することが容易なほど、生きやすくなるということ。絵を描く、歌を歌う、スポーツをする、文章を描く、楽器を演奏する、なんでも良いです。「自分をわかってほしい=表現したい」というような内から湧き出る思いは、「生きたい」というエネルギーに近いです。だからこそ、私は治る過程で、表現の幅を増やすことは重要だと思います。私自身、そういう自己表現の訓練をすることで、それがスキルとなり、今ではデザイナーとしても仕事をしています。カウンセリングは「表現する練習」です。まずは「話す」と言うスキルから一緒に磨いていきましょう。

コンプレックスがあるから努力ができ、それが魅力になる

表現するスキルを身につけると自信がついてきます。そういう自信が積み重なると、次は自分のコンプレックスを克服するためにエネルギーを使えるようになります。というのも、人はコンプレックスがあるからそれを乗り越えるために努力をするし、その努力が魅力として輝き出すからです。例えば、自分に似合う服を着たり、自分の似合う色を研究したり、特技がないと感じるなら興味のあるものに熱を注いだり。

コンプレックスを克服したいという強い願望は、あなたの原動力に変わります。絶望的に感じているほど、伸び代があるものですよ。

摂食障害になった自分すら、愛せる日を願って

さて、そんな自信が身についてくると、「摂食障害の症状もあるけど、自分のことが好き」と、自分を少しずつ許せるようになると思いませんか?

私は摂食障害になってよかったとは思いませんが、摂食障害になった自分の人生も愛せるようになりました。

今、摂食障害で苦しんでる方も、病気で苦しんだ人生すら愛せるようになります。一人でも、そう感じられる日が来ることを願っています。

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